| たしかにブガッティの親会社はフォルクスワーゲンだが |
さて、英国TopGearがブガッティ・ディーヴォの試乗を行い、動画でのレビューを公開。
ブガッティ・ディーヴォは限定40台のみが生産され、すべての個体が顧客の要望にて応じてカスタムされた仕様を持っています。
そしてつい最近、ようやく第一陣の出荷がなされた、ともアナウンスされていますね。
なお、ディーヴォに搭載されるエンジンは8リッターW18、出力は1500馬力、最高速はじつに380km/h。
ベースには「シロン」を用いるものの、ステファン・ヴィンケルマンCEOいわく「ディーヴォはデザイン、そして技術的にも独立したモデル」だと述べ、シロンよりもスリムでフラットなデザインを持ち、冷却系においても独自の構造を持っているようです。
ディーヴォの価格はシロンの2倍
そこでトップギアは今回、動画においてディーヴォの特徴を8つ挙げていて、その1番目は「価格」。
シロンをベースとし、シロンと同じエンジンを持ちながらもシロンの倍の価格(約6億2000万円から)を掲げていますが、これに大きく影響しているのは「40台」という限定台数。
40台のために徹底した(開発のための)テストを行い、そして独自にパーツを(ブガッティ品質で)作るとなるとそれなりのコストを覚悟する必要がある、ということですね。
なお、ディーヴォを注文する人のほとんどはすでに「シロンを持っている」といい、そのオーナーはコストパフォーマンスではなく希少性を求めているのだと考えられます。
ディーヴォは「シロンの外観を変えただけ」ではない
そして2つ目がシロンとの相違。
上述の通り、ブガッティいわく「ディーヴォは、その外観も、エンジニアリング上も、シロンとは別モノ」。
実際のところ、ナルド・サーキットではシロンより8秒も速いタムを記録しているといい、それは35キロ軽くなった車体のみではなく、より引き締められたダンパーとスプリング、キャンバー角の相違、強化されたエアロダイナミクス等によって達成されている、とのこと(以前には”クーリングシステムも異なる”というアナウンスがあった)。
シロンはこんなサウンドを放つ
そして3つ目はシロンのサウンド。
これは動画を見てもらうしかありませんが、荒々しさの中にも、粒が揃った精密さを感じさせ、かつ(室内からは)吸気音も聞こえるようです。
ディーヴォはダウンフォースも強化されている
そしてディーヴォの4つ目の特徴は「強化されたダウンフォース(シロン比で+90kg、トータルで456kg)」。
実際のところ、ディーヴォの最高速はシロンの「420km/h」に比較して「380km/h」に抑えられており、これは「そのぶんダウンフォースが効いているから」ということになりそうですね。
なお、コーナリング時のGはシロンよりも0.1多い1.6G。
ディーヴォはダブルデッカーウイングを持っている
ディーヴォはシロン同様に格納式リアウイングを持ちますが、ウイングを展開してみると「ダブルレイヤー構造」を持っていることがわかります。
その全幅は約1800ミリで、シロンに比較すると23%も広い、とのこと。
もちろんディフューザーの幅も大きくなり、「全身で」ダウンフォースを獲得する構造を持っている模様。
ちなみに独特の構造を持つテールランプは「通常の形状を持つテールランプよりも軽い」と紹介されています。
エンジンはシロンと同じ
これも上述の通り、エンジンは8リッターW16、ターボは4つ、出力は1500馬力。
なお、この「W16エンジン」のアイデアについては、フォルクスワーゲン前会長、故フェルディナント・ピエヒ氏が訪日中に思いつき、新幹線の中で手持ちの封筒に書き記した、と言われています。
ブガッティ・ディーヴォはまるでゴルフのように乗りやすい
そして7つ目はドライブフィール。
ディーヴォは全長4,641ミリ、全幅2,018ミリ、全高1,212ミリ、重量1,995キロという大きく重いクルマで、エンジンも「8リッター16気筒、さらに出力は1500馬力。
これらの数字から想像するに、とんでもなく重厚で、っかつ扱いづらいという印象を抱きがちですが、実際に運転してみるとその印象はまったく「逆」となり、ステアリングホイールの操作感は軽く、車両の動きもクイックで、しかし神経質なところはなく、トップギアのテスターによれば「フォルクスワーゲン・ゴルフのようだ・・・」とのこと。※ステアリングホイールを軽く設定すると、車体をコンパクトだと脳が認識するという話をどこかで読んだ記憶がある
「ディーヴォ」の名は、かつてのレース勝者にちなんだもの
最後は「ディーヴォ」というその名称。
これは1928年と1929年の二回に渡って(ブガッティ・タイプ35を駆り)タルガ・フローリオを制したレーシングドライバー、アルベルト・ディーヴォから。
なお、「シロン」もやはりブガッティに乗り活躍したレーシングドライバー「ルイ・シロン」から、「ヴェイロン」は1939年にル・マンを(ブガッティにて)制したピエール・ヴェイロンから。
そのほか、ブガッティではいくつかの限定モデルにおいても、このディーヴォのように、ブガッティにゆかりの深い人々の名が冠されています。
参照:Top Gear