| ブガッティは100年前の当時でも「先進的な」自動車メーカーだった |
そのスピリットは現代へと受け継がれ、そして未来にも
さて、ブガッティが「1920年代に活躍したブガッティ・タイプ13」を連想させるシルバーとグリーンのボディカラーを持つシロン・ピュールスポール(ピュアスポーツ)を公開。
オマージュ元となるブガッティ・タイプ13が活躍したのはラ・タービー・ヒルクライムなるレースで、もともとは1897年にニースとラ・タービィとの間を競って走ったことが元祖であり、これが史上初のヒルクライムレースだとされています。
ただしその後しばらくして第一次世界大戦によって開催が中断され、復活したのは1922年だという記録も残っているようですね。
1922年のラ・タービー・ヒルクライムにて、ブガッティ・タイプ13は記録的なタイムを打ち立てる
そして1922年のラ・タービー・ヒルクライムはモンテカルロから標高450mの地点にある6.3kmのコースが選ばれ、そこでブガッティ・タイプ13を駆って参加したのがジャン・マビーユ。
ジャン・マビーユの乗るブガッティ・タイプ13は1911年製で、つまり最新モデルではないものの、1911年のフランスGPで2位入賞を果たした軽量な車体、そして信頼性の高いエンジンを積んでいた、とされています。
ちなみにブガッティは1919年に(第一次世界大戦が終わった後に)操業を再開しており、この年に「4バルブ・シリンダーヘッド」を世界で初めて実用化。
さらにクランクシャフトの軸受けにホワイトメタルを使用し、可動パーツにオイルを吹き付けるためのポンプを採用した最初の自動車となっています。
1920年にはデュアルイグニッションやクランクシャフトのボールベアリング化など、さらにスムーズな走行を実現するための改良が施されたほか、エンジン排気量も1.3リッターから1.5リッターに拡大されて50馬力を誇るまでに(そこから100年で1,600馬力にまで発展した)。※ブガッティは戦争中、様々な兵器を製造していたとされるが、そういった兵器製造から得たノウハウもあったのかもしれない
ただ、50馬力と言っても侮ることはできず、車体重量がわずか490kgにとどまっていたこともあり、最高時速は150キロに達したといわれますが、こういった数々の革新的な技術によってブガッティはモータースポーツにおいてその存在感を高めることになり、フランスGPでの優勝、ル・マン24時間レースでの(ライバルに20分もの差をつけての)優勝など数々の輝かしい戦績を残すことになり、こういった独走体制は1920年代はじめまで続いたようですね。
そして冒頭で述べた1922年のラ・タービー・ヒルクライムにて、ジャン・マビーユは6分24秒という(当時)驚異的なタイムでゴールに到達しており、この勝利はブガッティ創業者、エットーレ・ブガッティをたいそう喜ばせたといわれます(おそらくは新しい技術を採用した新型エンジンを積んでおり、エットーレ・ブガッティは自分の正しさが証明されたように感じたのだと思う)。
そして今、シロン・ピュールスポールが同じ道を走る
今回、ブガッティはこのシロン・ピュールスポールを当時と同じ、つまり1922年にジャン・マビーユがラ・タービー・ヒルクライムを走ったのと同じコースを走らせることとなっていますが、こういった「当時の歴史を振り返る」というのは最近のブガッティにチョコチョコと見られる傾向です。
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なお、このシロンは「ホイールまでもがグリーン」という、ちょっとほかに例を見ない仕様を持っているもよう。
フュールフィラーリッドには、ブガッティ創業者の弟、レンブラント・ブガッティがデザインした「立ち上がる象」。
ドアインナーパネルにその歴史が刻まれるのも最近のブガッティの一つの例でもありますね。
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参照:Bugatti