| 「ブガッティ・シュール・ムジュール」を選択すると、専任スタッフがついて様々な要望を実現してくれる |
ただし注文できるシロンシリーズの残りは「ピュールスポール」「スーパースポーツ」あわせて40台のみ
さて、近年増加している傾向が「高級車やハイパーカー/スーパーカーのオーダーメイド」。
つまり在庫車を購入するのではなく、自分が考えた仕様にてオーダーし、それを自動車メーカーに作ってもらうという手法となりますが、新車購入の場合だと、フェラーリ、ランボルギーニ、ロールスロイス、ブガッティの「ほぼ全て(一部例外あり)」がオーダーメイド(受注生産)となっています。
とくにブガッティだと「仕様を決めるのに1年」といった長い時間を費やすことも珍しくないといい、そのオーナーは自身のこだわりを発揮するためには時間とお金を惜しまない傾向にあるようですね。
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ブガッティはさらに広い範囲での顧客の要望に応える
そして今回ブガッティが公開したのが「ブガッティ・シュール・ムジュール(Sur Mesure)」なるプログラムであり、これはディーボ、チェントディエチ、ラ・ヴォワチュール・ノワールといったモデルのカスタムを行ってきた経験から生まれたもので、「デザイン、素材、仕上げを超カスタマイズしたいという顧客の要望の高まりに応える」ことを目的とした、より高度なカスタムを取り入れたオーダーメイド”。
そしてこの新しいカスタマイズプログラムから生まれた最初の車両が今回紹介する、「ブガッティのレーシングドライバーであったルイ・シロンの功績にインスパイアされたブガッティ シロン ピュール スポール(ピュアスポーツ)””グランプリ”」ということになります。
このシロン・ピュールスポールは、ルイ・シロンとアシール・ヴァルジのドライブによって(1931年のフランスGPにて)優勝を果たしたタイプ51にちなんでいるといい、ドアに描かれた「32」のレタリングもこれにインスパイアされたもの(当時のカーナンバーだと思われる)。
なお、シロン・ピュールスポール「グランプリ」にて求められた仕様を実現するため、ブガッティは1920年代と1930年代のレーシングカーからインスピレーションを得た新色を開発したといい、印象的なライトブルーと深紅のフェンダーグラフィック(EBパターンが再現されている)、そしてネイキッドカーボンファイバー製の下部パーツが特徴的。
ブガッティのセールス&マーケティング担当マネージング・ディレクター、ヘンドリック・マリノウスキー氏によれば、「当社は長年にわたり、お客様と協力して、究極のハイパースポーツカーの個人的なビジョンを作り上げてきました。しかし、お客様の中には、詳細で複雑なカスタマイズを希望される方がますます増えています。ブガッティ・シュール・ムジュールの発表により、ブガッティに求められる完璧なレベルでのディテールをもってお客様のご要望にお応えできるようになりました。当社のお客様は、ブガッティのモータースポーツの系譜に深い興味をお持ちの方が多いので、シュール・ムジュールの最初の依頼が偉大なレーシングアイコンのひとつへのオマージュであることは非常に大切なことです。この作品に魅了された私たちは、このお客様のアイデアをより多くのお客様にお届けしたいと考えています」とのこと。
ちなみにブガッティは「シロン」の予定販売台数をすべて売り切ったといい、残る販売枠は「シロン・ピュールスポールとシロン・スーパースポーツ」の40台のみ。
これを逃すともう「ガソリンエンジンのみで走るブガッティ」を買えない可能性もあり(現時点ではまだそうなるかどうか明らかではない)、購入を考えている人は急いでブガッティとコンタクトを取る必要がありそうです。
ブガッティ・シロン・ピュールスポール「グランプリ」のインテリアはこうなっている
そしてこのシロン・ピュールスポール・グランプリのインテリアは「ブラックにレッドのアクセント」が付与されており、なかなかにスパルタンな雰囲気を持っています。
ブラック部分はレザーそしてアルカンターラ、レッド部分はレザーやステッチ、刺繍にて再現されているようですね。
センターコンソールには「GRAND PRIX」の文字、ヘッドレストにも「32」。
ドアパネルには「EB(ブガッティ創業者、エットーレ・ブガッティのイニシャル)」が刺繍されています。
ブガッティ・シュール・ムジュールを選択すると専任のスタッフがついてくれる
ブガッティはすでに、エクステリアカラーとレザーフィニッシュの組み合わせをほぼ無制限に提供していたものの、新プログラムではさらにその先を目指していて、ブガッティ・シュール・ムジュールを選択すると特別な専用のチームがつくといい、「自分だけの自動車芸術作品」の制作を支援しアドバイスも行ってくれる、とのこと。
ブガッティは自社のクルマをして「芸術品」だと称していますが、自動車としての価値に加え、芸術品としての価値を向上させることで「長きに渡り」自社が世に送り出した製品の価値を押し上げようとしているのでしょうね。
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なお、仕様の決定やサンプルの作成等、様々な段階にてオーナーはブガッティ本社(フランスのモルスハイム)に足を運ぶことになりますが、それだけの時間的余裕・金銭的余裕も必要ということになりそう。
なお、ブガッティはこれまでにも高度にカスタムされた「レディバグ」を製作したこともあり、こちらはボディ上のグラフィックをどうやって再現するか考えるだけで1年半を要したとされ(製造期間はここに入っていない)、これからもこういった例がどんどん出てくるものと思われます。
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ブガッティ・シロン・ピュールスポール・グランプリのグラフィックはこうやって再現される
そしてこちらはシロン・ピュールスポール・グランプリのグラフィックを再現する様子。
おそらくこれはマスキングだと思われます。
そしてレッドにて「EB」部分をペイントした後・・・。
マスキングを剥がしてゆきます(これだけでもそうとうに時間と根気とが要求されそう)。
そしてマスキングを剥がしたあとの「ギザギザ」をハンドペイントでレタッチ。
もちろん、ここからクリアーを塗った後にサンドペーパーで磨いて段差をなくすという工程を繰り返し行い、その後に最後のクリアー層をペイントして完成ということになりそうですね。
ブガッティ・シロン・ピュールスポール・グランプリのプロモーション動画はこちら
参照:Bugatti