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ブガッティ・チェントディエチは納車前にこういった点検を受けている!空港で加速と最高速を試し、緊急回避や急制動、はたまたサウンドまでもが厳しくチェック

2022/11/11

ブガッティ・チェントディエチは納車前にこういった点検を受けている!空港で加速と最高速を試し、緊急回避や急制動、はたまたサウンドまでもが厳しくチェック

| 1台あたり最低でも350kmは走行し、あらゆる条件でテストを行った後に納車される |

この「ブガッティのテストドライバー」という職業が羨ましくて仕方がない

ブガッティが10台のみ限定販売されたハイパーカー、「チェントディエチ」のうちの1台を新たに納車する、と発表。

今回の個体はシルバー(EB110アルジェント)にペイントされており、ブガッティのテストドライバーによって慎重にチェックされる様子について触れられています。

今回このチェントディエチをテストするのは同社きっての腕利きテストドライバー、スティーブ・ジェニー氏で、同氏はこれまでにもヴェイロン、シロン、ディーヴォ、チェントディエチ、そしてワンオフモデルのラ・ヴォワチュール・ノワールにて35万キロ以上を走行しており、ブガッティが顧客へと納車する前に要求する、極めて精密な基準を満たすため、厳しい目をもってテストを行っています。

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世界一羨ましい職業、ブガッティのテストドライバー。これまで製造されたブガッティすべての納車前チェックを行い34万キロを走行。「私は幸運にも天職にありつけた」
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ブガッティのテストドライバーはこれまで「800台のブガッティ」を運転してきた

このチェントディエチに積まれるのはブガッティが誇る8リッターW16クワッドターボシリーズの最強エンジン「トール」、そしてその出力は1,600馬力。

スティーブ・ジェニー氏はチェントディエチのハンドリングを完璧なものとし、比類のない快適性と無類のパフォーマンスを融合させた独自のダイナミック体験を生み出すためにテストを行うことになりますが、これまでに同氏は800台ものブガッティを運転してきたといい(つまりブガッティ・オトモビル体制になってからすべての車両だと考えられる)、その手腕も求めうる最高の極みに達しているのだと思われます。

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テスト走行の出発前には、車体やシートがアトリエチームによって丁寧に養生され、その保護が完了した後に自動車業界では最も厳しいといわれる納車前点検に出撃することになりますが、まずはブガッティの本拠地であるモルスハイム周辺の田園地帯を5時間以上かけて300km以上走破することから始まります。

季節や天候に合わせてルートをフレキシブルに設定し、常にクルマの特性を見極めることになりますが、曲がりくねった山道、ブドウ畑に囲まれた有名なアルザスワイン街道、アウトルート、アルザスの典型的な村々など、このクルマを手にするオーナーが遭遇するであろう「あらゆる状況」を再現することでチェントディエチを評価することになるようですね。

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なお、このテストでは機能だけではなくサウンドもテストするといい、チェントディエチはエンジンがシロンのように「カバー」ではなく「ガラス」に覆われているために独特のサウンドを発するそうですが、そのサウンドがチェントディエチ10台に共通した正常なものかどうかを確認するのだそう。

さらにはブガッティを知り尽くしたスティーブ・ジェニーだからこそわかる、「常人にはほとんど気づかないようなズレ」がないかについてもチェックすることになり、路面やサスペンションからのノイズがどれだけ遮断されているか、あるいは温度や湿度によって変化するレザーやカーボンファイバーの微妙なきしみ音までを確認し、それぞれがブガッティが求める高い基準をクリアしているかどうかを見極める、と紹介されています。

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その後は地元空港の滑走路にて極限の性能をチェックし、「0-100km/h加速2.4秒、最高速度380km/h」を実現できるかを1台ごとに確認し、さらには高速スラローム、緊急車線変更、急ブレーキなどのテストを安全な環境で行い、どのようなスピードと過酷な状況下であっても、チェントディエチが完全に機能すること、そしてなにより安全であることを確認するそうですが、ここまでして納車してくれるのであれば、オーナーとしてもこの超高性能車を安心して楽しめるというものですね。

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ブガッティは内装・外装の仕上げも細かくチェック

そしてブガッティでは、その走行性能だけではなく内外装の仕上げも細部に至るまで確認することになり、チェントディエチのみが持つ仕様、たとえばキルティングが「均一かどうか」を確認したり、ボタンやスイッチ、ハンドルが本来の感触を持っているかどうかを厳しく見分し、もしわずかでも問題があれば、スティーブ・ジェニー氏はすぐさまアトリエに戻ってスタッフとともに問題を特定し、修正することに。

最終的にブガッティの厳しい基準をクリアしたとなると、アトリエチームによってようやく次のステージに進むことができるようになるわけですが、ここではギアボックスのフィルター交換、最終的なホイールの取り付け(テスト時は別に用意した専用のタイヤとホイールで行う)、必要に応じて欠陥の修正や部品の交換が行われ、その後約50kmの最終テストドライブを経て顧客に引き渡されます。

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スティーブ・ジェニー氏によれば、「ブガッティ、特にチェントディエチのような希少で特別なクルマの製作に妥協は許されません。10台しか製造されないため、このような特別なクルマを運転する機会は非常に少なく、最終的に運転する際には細心の注意を払わなければなりません。ブガッティはもちろん、すべてのチェントディエチが一貫して完璧であることを確認することが非常に重要なのです。もし問題が発生しても、納期やタイミングに左右されることなく、細部に至るまで完璧であると確信できるまで納車することはありません。それがブガッティというブランドを定義するものであり、お客様が期待するものなのです」。

こうやって見るとブガッティのテストドライバーがいかに厳しい責任を負うかもわかりますが、これほど素晴らしい職業もまたとないかもしれませんね。

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参照:Bugatti

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