| ボクにとってこれ以上望ましい仕事は存在しない |
すべてのブガッティは納車前に350キロを走行し、時速300キロまでの加速や急減速、そのほかすべての機能を試される
さて、ブガッティが「世界で最も羨ましい職業のひとつ」、ブガッティのテストドライバーを担当するスティーブ・ジェニー氏を紹介。
同氏が役割を担うのは車両開発時のテストドライバーではなく、「車両が完成し、顧客へと引き渡す前に行う最終テスト」ドライバー。
もともと同氏はマーレ(ピストンなど自動車部品を作る会社)やBBSにて働いており、現在の組織体制となった新生ブガッティが生産準備を進めていた2004年5月に同社へと転職しています。
2005年以降、すべてのブガッティをテスト
かくしてスティーブ・ジェニー氏はブガッティにて働くことになるわけですが、2005年9月にブガッティがヴェイロンの納車を開始した際からテストを行い、その後すべての(シロンやディーヴォなど)ブガッティが「完全に機能するかどうか」をチェックしているといい、その内容自体もすでに公開されたとおり「ちょっと見るだけ」ではなく、テストにおいてはアルザス(ブガッティの本社所在地)そしてヴォージュ山脈を300kmほど走り、さらには高速走行やブレーキングもテストするもよう。
スティーブ・ジェニーはペダルの重さや反応、ステアリングの感触、異音などもチェックすると語っていて、最初の80kmを走った後、それぞれのブガッティで石畳の道を走ってサスペンションの動きをチェックし、さらにはフランスのコルマール空港の閉鎖滑走路にて時速300kmを超えるスピードで走行し、ローンチコントロールやエアブレーキなどのシステムをテストするほか、急速な車線変更や激しいブレーキ操作も行います。
なお、テスト中ではその印象をを(今後の改良に生かせるよう)逐一ボイスレコーダーに記録してゆく、とも紹介されています。
ようやくテストを終えるとギアオイル、ホイールとタイヤ、アンダーボディを新品に交換したのち、車両はさらに1時間をかけて50キロを走行し、6時間にもわたる塗装チェックを受け、そしてスティーブ・ジェニー氏が最後の承認を行い、そこでようやく出荷されることが許される、とのこと。
スティーブ・ジェニー氏は「このような個性的なハンドメイドのクルマは、すべてが完璧でなければなりません。完璧であった初めて、お客さまに喜んでいただけるのです」と語っており、「15年以上前、私はついにブガッティのテストを担当するという、まさに天職を見つけた」とも。
これまでにブガッティのテストで走行した距離は34万キロにもおよぶそうですが、これからもその距離をどんどん伸ばしてゆくことになりそうですね。
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参照:Bugatti