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これがプジョーがル・マン「ハイパーカークラス」に参戦するマシン、HYBRID4 500KWの構造だ!"市販せねばならない"という規則があるが、ちょっと常人が乗るには厳しそう

2020/12/15

プジョーがル・マン24時間レース「ハイパーカークラス」に参戦するレーシングカーの構造を公開

| 今のところ、プジョーはル・マン ハイパーカークラス参戦にもっとも積極的な自動車メーカー |

さて、何を思ったのかル・マン24時間に新設される「ハイパーカークラス」に参戦を表明しているプジョー。

現在のところ2021年からのスタートを予定しており、その正式クラス名も「LMH」に決定します。

そしてこの連戦要件(レギュレーション)は下記の通りで、つまり「ハイパーカークラスに参戦するレーシングカーは市販車ベースでなくてはならない」とあって、しかしプジョーは現在市販ハイパーカーを持たないため、なんらかのハイパーカーを発売する必要がある、ということになりそうですね。

ル・マン「ハイパーカークラス」参戦要件

・ハイパーカースタイルを持つこと
・ロードカーをベースとしていること
・2年以上継続生産されるクルマであること
・20台以上が生産されていること
・最低重量は1,100kg
・出力はトータルで750馬力
・タイヤサプライヤーは1つ
・ル・マン・サーキットを3:30で走れること
・ハイブリッドシステムの出力は270馬力まで
・ハイブリッドシステムが駆動するのは前輪
・プロトタイプの場合は専用のガソリンエンジン搭載も可能
・車体と違うメーカーのエンジンは搭載不可能
・燃料は一種類

・初年度はテストの走行距離無制限
・自動車メーカー以外の参加は不可

プジョーはこのレーシングカーを市販するつもり?

そしてプジョーは今回、ル・マン「ハイパーカークラス(LMH)」に参戦するレーシングカー、”HYBRID4 500KW”のパッケージングを公開していますが、規定に従うとこのレーシングカーの「ベース車両」を発売せねばならず、しかし構造を見るに「これを市販車として発売できるのか・・・」とちょっと不安になるほど。

まずはその構造を見てみましょう。

Peugeot-Hybrid-Le-Mans-Hypercar-7

まずはこちらが基本構造で、レーシングカーであるため当然シングルシーター。

これを市販するとなると「2シーター」に改装することになるかと思われ、しかし構造上(助手席側にはハイブリッドシステムのコントロールユニットがあるため)それは難しいのかもしれません。

ちなみにトヨタは、ル・マン24時間レースで優勝した「TS050ハイブリッド」の市販モデル、GRスーパースポーツ(GR010?)を開発中だと報じられますが、これもシングルシーターを(市販化に際して)2シーターへとコンバートしており、そのために「かなり無理な(キツキツな)」レイアウトとなっています。

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そしてプジョーのレーシングカー、HYBRID4 500KWを横から見るとこう。

着座位置、そしてエンジン搭載位置がとんでもなく低い(レーシングカーなので当然ですが)ということもわかります。

Peugeot-Hybrid-Le-Mans-Hypercar-8

ドライビングポジションはこんな感じ。

Peugeot-Hybrid-Le-Mans-Hypercar-4

プジョー「HYBRID4 500KW」の各部はこうなっている

そしてこちらがHYBRID4 500KWの各部を説明した図。

前輪を駆動するのはエレクトリックモーター(200KW/272HP)で、これはシングルスピード・トランスミッションを介して動力を前輪に伝達します。

そしてシートの横にはコントロールユニット(小さいけれど、上には「ライオン・インサイド」と書かれている)。

Peugeot-Hybrid-Le-Mans-Hypercar-5

後輪を駆動するのは2.6リッターツインターボV6、出力は500KW(680HP)。

トランスミッションには7速を採用しており、やはりモーターによるパワーアシストがなされるようですね。

900Vバッテリーはドライバーとエンジンとの間に搭載されています。

エレクトリックモーターは低速時の加速に優れ、ガソリンエンジンは高速走行が得意という特徴があり、よってこのHYBRID4 500KWは両者のメリットを最大限に活かした走りをすることになりそうですが、これまでのレーシングカーとは全く異なる挙動を見せることになるのかも。

ル・マン24時間ハイパーカークラス(LMH)の参加メンバーは多くない

なお、このル・マン24時間レースに新設されるハイパーカークラスについて、今のところは参戦する自動車メーカーは多くなく、参戦予定なのはプジョーに加えてトヨタ、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス。

アストンマーティンは以前に参加を表明していたものの経営陣の交代によって参戦をキャンセルしており、ほかに「参加検討中」なのはランボルギーニ、ケーニグセグ、ゴードン・マレー(IGM)だと言われています。

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