| このクルマを運転するには相当なスキルが要求されそう |
トヨタがル・マン24時間レースの決勝前に突如ハイパーカー「GRスーパースポーツ」のプロトタイプを公開。※名称は”仮”なので市販時には別の名となりそう
オープン仕様に特別に改造された車両へとアレックス・ブルツ、村田チーム代表両名が乗り込み、サルテ・サーキットにて実際にデモ走行を行ったほか、決勝スタート前の定例行事であるトロフィー返還を行った、と報じられています。
GRスーパースポーツはこんなクルマ
トヨタによると、GRスーパースポーツは、ル・マン優勝車、そしてWECに参戦中のレーシングカー「TS050」とほぼ同じ構成パーツを持つとのことで、V6ツインターボエンジン、トヨタ・ハイブリッドシステム(THS-R)を装備。
これは「究極のパワーと環境性能を両立」したパワーユニットだとしており、GRスーパースポーツ自体もトヨタでは「次世代スーパースポーツ」と定義しています。※今回公開されたプロトタイプのボディサイドにも「レーシングハイブリッド」とある
さらにトヨタがいうには、「GRスーパースポーツは、ロードカーの性能を向上させたクルマではなく、レーシングカーを公道走行可能な仕様へと変更しただけのクルマ」。
つまりは並いるスポーツカーやハイパーカーとも素性が異なる、ということですね。
現時点でトヨタが公開しているGRスーパースポーツ(コンセプト時)のスペックは下記の通りですが、これらはほぼル・マン優勝車であるTS050ハイブリッドと同様です。
GRスーパースポーツコンセプト エンジン:V型6気筒直噴ツインターボ エンジン排気量:2,400cc 出力:735kW/1000ps(エンジン+ハイブリッドモーター) ハイブリッドシステム:トヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R) ホイールサイズ:F18×13J R18×13J タイヤサイズ:F330/710R18 R330/710R18 |
このGRスーパースポーツについて、発売されること自体はすでに決定しており、しかしわからないのは確定スペックに加え「発売時期」やその「価格」。
それでも、ル・マン24時間レースにて勝利を飾ったレーシングカーと同等のスペックを持つクルマを所有できるとあって、多くの人が「前注文」を入れているようですね。
比較的車体はコンパクト?
なお、画像をみると車体はかなりコンパクトに見え、たしかにベースとなるTS050のボディサイズは全長4650mm、全幅1900mm、全高1050mmという数字を持ち、これはランボルギーニ・ウラカン、フェラーリF8トリブート、マクラーレン720Sといったスーパーカーと比較しても「コンパクト」と言えるレベルです。
今回実際に走行した車両はオープン仕様に改造されていますが、トヨタは以前に「キャノピー式」開閉ルーフを持つクルマの特許を出願しているので、GRスーパースポーツ市販時には、これに「キャノピー式ルーフ」が装着された状態となるのかもしれません。
画像を見ると「完全にレーシングカー」であることがわかりますが、もともとシングルシーター、そして空気抵抗を最小化するためにキャビンが極端に小さく設計されており、よって乗降、そして2名乗車はかなりキツそうですね。※レーシングカーを2人乗りの公道仕様にコンバートした「シュパンポルシェ」を思い出す
そしてレーシングカーならではの特異なシルエットを持つことは間違いなく、一般的な「スーパーカー/ハイパーカーらしい格好良さ」とは無縁のクルマとなりそうですが、GRスーパースポーツはそんなことを云々するクルマでもなく、そのパフォーマンスは「見た目なんざどうでもいい」と思わせるレベルであるのもの間違いだろう、と考えています。