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ガソリンエンジンの開発終了を宣言していたアウディ。今回何故か「内燃機関に関する特許」を出願し、エンジンのコンパクト化や効率化を推進するもよう

2023/05/13

アウディ

| アウディはガソリンエンジンの開発を中止し、2033年には内燃機関を全廃するとコメントしていたが |

やはり現在の自動車業界ではすべてが「流動的」となっている

さて、ガソリンエンジンの開発を終了させたと見られていたアウディですが、今回ガソリンエンジンにかかわる新しい特許を出願することに。

この内容につき、簡単にいうと「内燃機関を搭載した自動車の点火プロセスを制御するための新しい方法」で、2021年に出願された以前の特許に関連するものでだと見られます。

アウディの出願した新しい特許はこうなっている

そこで今回アウディが出願した特許を見てみると、「シリンダーの中心軸に対し、平行に並走する2つの架空の平面の間に位置する一次スパークプラグ、二次スパークプラグ、燃料インジェクター」をそのコアとしています。

さらに、このエンジンには「燃焼室から壁で隔てられた空間(チャンバー)」が2つあり、これらは1つ以上の開口部を介して常時連通していて、このチャンバーはそれぞれ固有のスパークプラグを有し、インジェクターを介して混合燃料の一部が送り込まれることに。

そして2つ目のスパークプラグは、プレチャンバーとインジェクターの間に位置し、燃料に点火するという通常の役割を果たしますが、内容としては(複数のプレチャンバーの活用という点で)ポルシェが先日申請した特許にやや近いもよう。※マツダもこれに近いパテントを出願している

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アウディの考案した特許では、上記のスパークプラグとインジェクターに関する独自の配置によって高い出力密度が実現されると記載されていますが、この特許を搭載したガソリンエンジン車だと、軽くアクセルを踏んだ状態ではプライマリースパークプラグだけを使って走ることになり、スポーティなドライビングモードを作動させた場合や、追い越しや追い抜きにてパワーが必要な”特定の”場合にセカンダリースパークプラグとチャンバーが有効に機能する、という説明も。

加えてアウディは「エキゾーストマニホールドをシリンダーヘッドの一部として鋳造することも可能」だとしており、この方法だと熱負荷の低減が可能になるため、エンジン全体のコンパクト化につながるとしていますが、これは「タービンとシリンダーヘッドを一緒に鋳造する」というステランティスの特許にも似ていて、「行きつく先は皆同じ」なのかもしれません(ただし他社の特許は回避する必要があり、よって実現の手段は各社各様)。

なお、この数年は(ユーロ7の導入に対応するためか)様々な手段を用いて効率化を達成することを目的としたガソリンエンジン関連特許が多数出願されていて、ガソリンエンジンに「まだまだ進化の余地があった」ことにも驚かされますね。

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参照:CARBUZZ

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