| もはやBMWが「ぶち抜かれる歓び」だったのは過去の話 |
BMW M8コンペティションが0-100km/h加速を2.88秒でこなした、という動画が公開に。
BMW M8は625馬力を発生する4.4リッターV8ツインターボエンジンを搭載し、公称値では0-100km/h加速は「3.2秒」。
しかしながら今回の結果だと、公称値よりも0.32秒も速く走ってしまったということが明らかになっています。
BMWは「逆パワー詐称」の常連だ
そして最近、とみに話題となるのが「パワー詐称」。かつては出力がカタログ値が低いということを指摘される自動車メーカーが多く、トヨタはこの常習犯だったので、カタログ値よりも実際の馬力が低い現象を「トヨタ馬力」と表現されたことも。
マツダもかつてはこの傾向があり、ロードスターで「カタログ値よりも実際の出力が著しく低い」として訴訟になってしまい、「返品もしくは補償金」という対応をとったという事例があるほどです。
ただし近年の「ターボエンジン」を搭載するクルマはカタログ値よりも高い数字を出すクルマが頻出し、とくにBMWは「逆パワー詐称」の常習犯。
カタログ値は「エンジン単体」で計測されたものが掲載されることになりますが、実際に完成車のパワーチェックを行う際は「シャシーダイナモ」に載せることになります(エンジンだけを取り出せない)。
そして「エンジン単体」とは異なり「エンジン搭載状態」でパワーを計測すると、補機類やトランスミッション、ドライブシャフト、その他諸々がパワーロスを招き、だいたいカタログ値よりも10~20%低い数字が表示されるのが「普通(よって、”トヨタ馬力”はこれよりずっと低い数字が出るということになる)。
たとえば500馬力の車だと、パワーチェックでは400~450馬力くらいの数字が出るということですね。
しかしながらBMW M5の計測ではカタログ値600馬力に対して625馬力という数字が出てしまい、これは「逆算」すると780~840馬力くらい出ているんじゃないかと、という計算。
そして380馬力(北米仕様)のBMW Z4は373馬力を記録し、これは逆算だと415~439馬力。
BMWと共同開発された新型スープラもその例にもれず、シャシダイ上では(公称値340馬力のところ)345馬力を叩き出し、これも逆算だと、エンジン単体で400馬力くらいを発生しているということに。
当然公称値よりも高い出力は加速性能にも影響
そしてこういった状況なのが最近のBMWですが、もちろん公称値よりも高い出力は「より速く走れる」結果をもたらすことになり、今回のように「3.2秒のはずが2.88秒」という結果を招くことになるわけですね。
なお、この「逆パワー詐称」についてはマクラーレンも同様の傾向があり、たとえば720Sは800馬力くらいを発生している計算となり、やはり0-100km/h加速が公称値よりも速い、と報告されています。
0-100km/h加速2.88秒はどれくらい?
そしてこの「2.88秒」ですが、ひとことで言うと「トンデモナイ数字」。
ざっと以下に主な3秒以下のメンツ(発売済車両)を記載してみるとこんな感じとなりますが、ランボルギーニ・アヴェンタドールSVやポルシェ918スパイダーよりも速いタイムである、ということがわかります。
ダッジ・チャレンジャSRTデーモン・・・2.4秒(2017) テスラ・モデルS P100D ラディキュラス・モード・・・2.5秒(2016) ブガッティ・シロン・・・2.5秒(2016) ケーニグセグOne:1・・・2.5秒(2016) ブガッティ・ヴェイロンW16 スーパースポーツ・・・2.6秒(2010) ヘネシー・ヴェノムGT・・・2.6秒(2010) アポロ・インテンサ・エモツィオーネ・・・2.7秒(2018) ブガッティ・ヴェイロンW16・・・2.8秒(2005) マクラーレンP1・・・2.8秒(2013) 日産GT-Rニスモ・・・2.8秒(2014) ケーニグセグ・レゲーラ・・・2.8秒(2016) ランボルギーニ・チェンテナリオ・・・2.8秒(2016) マクラーレン・セナ・・・2.8秒(2018) ポルシェ911GT2 RS・・・2.8秒(2017) ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ・・・2.8秒(2018) フェラーリ488ピスタ・・・2.85秒(2018) ケーニグセグ アゲーラS/R・・・2.9秒(2013) ランボルギーニ・アヴェンタドールSV・・・2.9秒(2014) ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ・・・2.9秒(2017) ランボルギーニ・チェンテナリオ・ロードスター・・・2.9秒(2016) ランボルギーニ・アヴェンタドールS・・・2.9秒(2016) ポルシェ918スパイダー・・・2.9秒(2013) |
VIA: BMWBLOG