| 最初はポルシェ・マカンのEV版かと思ったが |
さて、ありがたいことにブログを見てくださっている方よりネタをいただき、ここで紹介したいと思います。
首都高山の手トンネル手前で撮影されたという謎のプロトタイプですが、リヤバンパーには「Electric Test Vehicle」の文字があり、なんらかのEVをテストしている最中、ということがわかります。
そこで気になるのがこのプロトタイプは一体何なのか?ということ。
その可能性について考えてみたいと思います。
ひとつひとつ可能性を見てゆこう
まず、この車両の(ナンバープレートから推測できる)サイズはけっこう大きく、そしてタイヤの太さから見て「比較的パワーのあるクルマ」だと考えて良さそう。
現在EVを開発もしくは発売しているメーカーは、国内だとマツダ、ホンダ、日産、そしてトヨタ(とスバル)といったところ。
マツダとホンダ、日産はそれぞれMX-30とHonda e、アリアを発表しているので直近で別の(実走できるほどの)EVを開発しているとは思えず、これは除外して良さそうです。
このEVプロトタイプがトヨタとスバルによる共同開発という可能性もあり、しかしこの「丸っこいボディ」「太いタイヤ」「ウイング状のステーを持つドアミラー」を採用する可能性は低く(とくにトヨタがこんな太いタイヤを装着することは考えにくい)、よってこれは国産車ではないと考えています。
やはり輸入車の可能性が高い
となるとやはり輸入車となりますが、アメリカ勢は日本市場を重視しておらず、フォードも撤退済みなのでまず「ない」と考えてOK。
フランスの自動車メーカーの場合は、比較的小さなサイズのEVを開発しており、よってこのサイズのEVを開発する可能性も薄いと思われます(アリアのルノー版という線はあるかもしれないが、現時点で日産とルノーが競合するクルマを作るというのも考えにくい)。
パっと見た印象だと、その丸っこいスタイルからして「ポルシェ・マカンのEV版では」という印象もあるものの、ドアミラー形状が「ポルシェが採用しないだろう」ものであり、マカンEVという線もなさそうです(ポルシェはドアミラーのデザインを各モデルで共通化する傾向があり、現在はドアスキンマウントを採用している)。
さらにいえば、ポルシェがバックドアにナンバープレートを装着することはないと思われ、よって「ポルシェ」の線も無い、と思います。
そのほかに可能性があるのはメルセデス・ベンツ「EQ」。
メルセデス・ベンツは現在「EQC」を発売していますが、EQEとEQSとにSUV版を追加するとコメントしており、サイズ的に見ると「EQE SUV」のような気も。
そしてこの丸っこさは現在メルセデス・ベンツが採用するデザイン言語にもマッチしています。
ドアミラー形状もけっこう近く、しかしこれもナンバープレートの位置が「メルセデス・ベンツ的ではなく」、EQシリーズではないのかも(自動車メーカーはけっこうナンバープレートの位置にこだわっていて、メーカー間、もしくはシリーズ間で統一する傾向がある)。
ドアミラー形状だけでいえばアウディやフォルクスワーゲン(ID4)にも近く、しかしボディ形状的にこれらは「ない」という判断です。※加えてアウディはe-tronにデジタルミラーを採用している。そしてID4はタイヤも細い
やっぱりアレだ。BMWしかない
そしてぼくが注目したのはリアバンパー下部左右の「ふくらみ」。
このふくらみを採用するメーカーと言うとやっぱりBMW。
そしてBMWもまたEVを積極開発しているメーカーでもあり、i3においては日本の「立体駐車場」に入るようにと日本仕様のみ車高をダウンさせたり、数世代前の3シリーズも同様に「立体駐車場対応」という理由からドアハンドルをコンパクトなものへ交換して全幅を抑えたほどの日本贔屓。
そんなBMWであれば日本においてEVのテスト走行を行っていてもおかしくはなく、そしてBMWが直近発売するであろうEVは「iNext」と「i4」。
そのうちi4はセダンなので今回のクルマだとは考えられず、となるとiNextではないかと思って画像を探してみると、リアバンパー、ナンバープレートの位置、ドアミラーなどが「一致」。
おまけにカモフラージュ用シートの柄、そして「Electric Test Vehicle」と記載された位置やデザインも一緒なので、今回首都高にて目撃された謎のプロトタイプは「BMW i4」で決まりなんじゃないかと考えています。※BMWは千葉に新車整備センターを持っており、このプロトタイプが「千葉ナンバー」であることも合点がゆく
ただ、本来のテールランプをすべて覆い、かわりに別体式テールランプ(とウインカー?)を取り付けるという例は非常に珍しいかもしれませんね。