さよならBMW i3・・・。北米市場での撤退が決まり、同市場向けの生産が7月で終了。i4と入れ替えられる形で世界中から姿を消すことになりそうだ

｜　ボクはBMW i3に3年乗ったが、「もうしばらくEVは買わない」と決意するきっかけになったクルマでもある　｜

とにかく当時のBMW i3はよく壊れた。構造は単純なのに

さて、少し前にウワサが出ていた「BMW i3の北米市場からの撤退」ですが、BMWが正式にこれを認め、北米仕様のi3の生産が7月で終了する、とのこと。

他の地域については現時点でアナウンスやコメントがないものの、北米市場に準じた対応が取られることになるのではと考えています。

なお、BMWによると「i3は電気自動車と軽量構造の先駆的なモデルであり、アルミニウムと炭素繊維強化プラスチックを使用した世界初の専用電気自動車のひとつ」、そして「BMW i3の成功と、その開発・製造で得られた経験は、来年初頭に米発売される電気自動車、iXとi4グランクーペという、BMWの次世代電気自動車の基礎を築いています」とのこと。

BMW i3はこんなクルマだった

BMW i3は「i8」とともに鳴り物入りで登場した電気自動車で、BMWは当時この「i」ブランドをエレクトリック、そしてサステイナブルブランドとして発足させています。

そのため、既存車種をエレクトリック化するのではなく、新規に「未来的な」デザインを持つクルマとして設計しており、さらには「製造方法すら」クリーンでなくてはならないということで、自然（風力や太陽光）を利用し発電できる環境に工場を新設。

さらに軽量性を実現するためにカーボン製モノコックシャシーを採用し、これは日本からカーボン繊維を輸入してアメリカで成形し、ドイツにて完成車へと組み立てるという長い動線をたどってようやく「自動車」としての形を成すことに。

そのためにコストが非常に高くなってしまいサッパリ売れず、よってBMWはこの「i」ブランドをどうするか考えあぐね、一時は「自動運転とコネクティビティ」ブランドにシフトするという話もあったようですが、結局のところ本家BMWブランドへと格納され、独立性を薄めてサブブランド的扱いとなったようです。

「i」ブランドはこれからどこへ

そしてBMWはこういった失敗を経て、iX3やi4のように「既存車種の車体を利用し」コストを抑えて電気自動車（EV）を作るという方向にシフトしていますが、そういった意味では「i3がその後のBMWの電気自動車の礎となった」という発言は正しいのかもしれません。

なお、同時期に発表されたi8は一足先に生産を終了していますが、iXは「i3とi8とに採用されたストリームフローデザイン」を一部引き継いでいますね。

BMW i3の米国における販売は2015年の10,124台がピークとなり、その後毎年販売が減少しつづけ、2020年にはついに年間1,508台にまで減っています。

そしてかねてよりBMWは「i3の後継はない」「i3はi4発売までの場繋ぎ」ともコメントしており、i4が登場した今となっては「お役御免」ということに。

ちなみにi4は北米だとi3よりも1万ドル程度高価だそうですが、出力は倍の340PS、一回の満充電あたり航続可能距離も（EPAで）483kmとi3の「倍」。

こういった数字を見ても、もはやi3は生き残れないということがわかります。

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