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BMWが仕掛ける「製造革命」。3Dプリント技術を2027年から量産車に適用、これからの自動車づくりはどう変わるのか?

BMWが仕掛ける「製造革命」。3Dプリント技術を2027年から量産車に適用、これからの自動車づくりはどう変わるのか?

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| 試作から量産へ。BMWが3Dプリントを「標準技術」へと昇華させる |

BMWはつい最近、人形ロボットを生産ラインに投入したばかりではあるが

BMWグループが「ドイツ・ミュンヘン近郊のアディティブ・マニュファクチャリング・キャンパス(AMC)を中心に、3Dプリント(積層造形:AM)技術を次の産業レベルへと引き上げる投資を加速させている」と正式に発表。

これまで「試作のための技術」というイメージが強かった3Dプリントではありますが、BMWはこれを車両の全ライフサイクルに統合。※これまでにもブガッティのような少量生産車に3Dプリント技術が使用されていたが、BMWのような量産車にこれが採用される例は珍しい

特に2027年から開始される「WAAM」技術による量産化は、自動車製造のスピードと自由度を劇的に変える可能性を秘めている、と説明されています。

  • 2027年、新技術「WAAM」量産開始: 大型構造部品の製造を劇的に高速化
  • 開発期間の大幅短縮: 金型不要の製造により、新型車「ノイエ・クラッセ」の開発を加速
  • 全拠点で内製化: 世界中のBMW工場で、現場スタッフが自ら3Dプリント部品を製造
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BMWが目指す「オープンで自動化された」製造現場

新責任者ティモ・ゲーベル氏の指揮のもと、BMWは「オープンマテリアル(材料の自由選択)」と「高度な自動化」を軸に据えており、これによって特定のサプライヤーに依存せず、常に最適な素材と最新の自動化プロセスを既存の生産ラインへシームレスに組み込むことが可能になるといい、これは昨今の湾岸地域での紛争のような「地政学リスク」を回避するためには今後非常に重要になってくるのかも。

3Dプリント活用の3つの柱

  1. プロトタイプ製作: 新世代EV「ノイエ・クラッセ」や最新電動ドライブユニットの検証に活用
  2. 生産支援: 世界中の工場で、作業効率を高めるための治具や工具を現地で即座に3Dプリント
  3. シリーズ生産(量産): ロールス・ロイスやMINI、BMW モトラッド(バイク)など、全ブランドの市販車に3Dプリント部品を搭載
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注目技術:Wire Arc Additive Manufacturing (WAAM) とは?

BMWが現在最も注力しているのが「WAAM(ワイヤーアーク積層造形)」ですが、これは溶接技術を応用して金属ワイヤーを溶かしながら積み上げていく手法であり、従来の金属3Dプリントに比べて「圧倒的に大型の部品を高速に」製造できるのが特徴です。

BMW 3Dプリント技術の進化スペック

フェーズ導入時期 / 状況主な特徴・メリット
初期導入1990年〜プロトタイプ部品の製造開始
量産適用2012年〜ロールス・ロイス等に樹脂ブラケットを採用
金属AM量産2017年〜i8ロードスター等に金属部品を採用
WAAM技術2027年 量産開始大型構造部品の高速製造、金型コストゼロ
累計生産実績160万個以上AMC拠点のみの数字(他工場で年10万個以上)
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なぜBMWはここまで投資するのか?

テスラの「ギガプレス(巨大一体成形)」が注目を集める中、BMWは「3Dプリントによる柔軟な製造」で対抗しようとしており・・・。

  • テスラ(ギガプレス): 巨大な金型で一気に成形する「規模の経済」
  • BMW(AM戦略): 金型を持たず、デジタルデータから直接製造する「柔軟性とスピード」

特にカスタマイズ性が求められる高級車ブランド(ロールス・ロイスなど)を持つBMWにとって、3Dプリントはブランドの個性を出すための最強の武器となり、また、開発中の「ノイエ・クラッセ」において、クラッシュテスト用の高機能部品を短期間で自製できる能力は、他社に対する大きなアドバンテージとなりうるわけですね。

参考:金型レス製造のメリット

通常、自動車の部品を作るには数千万円〜数億円の「金型」が必要ですが、3Dプリントならこれが不要です。

これは単なるコスト削減だけでなく、「設計ミスが見つかってもデータを直すだけで翌日には修正品ができる」という、ソフトウェア開発のようなスピード感をハードウェア製造に持ち込めることを意味します。

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結論:2027年、自動車の作り方は「印刷」へ向かう

BMWのAM戦略は、単なる効率化の枠を超え、自動車製造のあり方そのものをアップデートしようとする革新的な手法。

2027年のWAAM量産開始はその象徴的な転換点となることは間違いなく、ぼくらが将来乗るであろうBMWの骨格の一部がロボットアームによって「印刷」されたものになるのは「もはや近未来の話ではなく」、この技術進化は「より軽く、より高性能なEVを、より早く市場に投入するための」鍵となりそうですね。

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参照:BMW

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