
| 「新車」の皮を被った「教材」:フロリダで起きたポルシェ提訴の真相 |
まさかこんなことが実際に起こり得るとは
なかなか手に入らない「役物」ポルシェ、911 GT3。
その輝かしい新車を手に入れたはずであったものの、実はそのオーナーが「整備士の卵たちが何度も分解・組み立てを繰り返した訓練車両」を掴まされていたというニュース。
実際にフロリダ州に住む男性がポルシェ・ノースアメリカを相手取って深刻な損害賠償を求める訴えを起こしており、その訴状の内容から281,940ドル(約4,300万円)という大金を投じて購入した「新車」に隠された”信じがたい裏側”が明らかになっています。
まず、この記事のポイントは以下の通り。
- 衝撃の事実: 購入した911 GT3は、整備士養成プログラム(PTAP)の「教材」だった
- ずさんな再組立: 電気系統の異常や、アンダーカバーの誤装着など、プロの仕事とは思えない欠陥が露呈
- 決定的証拠: グローブボックスから「非売品(NOT FOR SALE)」と記されたステッカーを発見
詳細:なぜ「教材車」が市場に流出したのか?
原告の Abdul Azizi 氏がペンシルベニア州の正規ディーラーで購入した際、その車両の走行距離はわずか34マイル(約54km)。
ディーラー側は「展示やマーケティング、スタッフの習熟用に使われただけだ」と説明していたといいます。
しかし、実際の「習熟」の内容は想像を絶するもので・・・。
整備士の「練習用」という過酷な経歴
訴状によると、この車両はもともと「ポルシェ・テクノロジー・アプレンティスシップ・プログラム(PTAP)」に割り当てられたものだといい、そこでは将来のポルシェの整備士たちが、最新モデルの構造を学ぶために何度も分解・再構築を繰り返していたのだそう。
【購入した911 GT3のスペックと異常】
| 項目 | 内容 |
| 車両モデル | 2022年式 ポルシェ 911 GT3 |
| 購入価格 | 281,940ドル(約4,300万円) |
| 納車時の走行距離 | 34マイル(約54km) |
| 発覚した不具合 | 深刻な電気系統のトラブル、アンダーカウルの誤装着 |
| 決定的な証拠 | 「PCNA CAR NOT FOR SALE(非売品)」の刻印があるステッカー |
「プロによる再鑑定」で暴かれたずさんな実態
なぜこういった事実がわかったのかというと、まずは納車後、車両に深刻な電気系統のトラブルが発生することとなり、オーナーが認定整備士に相談したところ、以下のような衝撃の回答が返ってくることに。
「この車両は、かつて訓練用車両として扱われていた形跡と完全に一致する作業痕がある。」
さらに別のサービスセンターでのセカンドオピニオンでは、「アンダーキャリッジの一部が取り外され、不適切に再装着されている」ことが判明。
つまり、訓練生たちが組み立てを間違えたまま、新車として販売されていた可能性が極めて高いということがわかっています。
隠蔽工作の失敗
ディーラー側は当初、「この車にウィンドウステッカー(仕様書)は付いていない」と説明。※北米では車両販売の際、ウインドウにこの仕様書が貼られることが一般的である
さらにオーナーが帰宅後にグローブボックスの中を確認すると、そこには「PCNA CAR NOT FOR SALE(ポルシェ・ノースアメリカ所有、非売品)」とスタンプされたステッカーが隠されていた、とのこと。
市場背景:アメリカの「レモン法」とその後
現在、この車両は「レモン法(欠陥車救済法)」に基づいて返品手続きが進んでいるそうですが、オーナーは仲裁結果を不服として控訴しており、なぜならば提示された返金額に融資手数料や消費税が含まれていなかったから。
【知っておきたい知識:レモン法(Lemon Law)】
アメリカには、新車購入後に何度も修理を繰り返しても直らない「欠陥車(レモン)」を、メーカーが買い戻したり交換したりすることを義務付ける法律があり、今回のケースでは不具合だけでなく「販売経緯の虚偽告知」という悪質な側面が含まれているため、巨額の賠償に発展する可能性がある、とも見られています。
結論:高級車購入時に私たちが学ぶべき教訓
今回の事件はたとえ「正規ディーラー」で「走行距離が少ない新車」を買う場合であっても、その経歴が100%クリーンであるとは限らないという恐ろしい例。
夢の911GT3を手にしながら、2025年以降一度もドライブを楽しめていないというこのオーナー。
裁判の行方は全米のポルシェファンだけでなく、自動車業界全体の信頼性を問うものになりそうですね。
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参照:Jalopnik














