ホイールとドアミラーが「今風」に
「もっとも価値のあるクラシックカー」のうちの一台、メルセデス300SLガルウイング。
生産台数はわずか1,400台(もちろん現存するのはもっと少ない)で、メルセデス・ベンツのコレクターのみならずクラシックカー収集家であれば「必ず手に入れておきたい一台」としても知られます。
そしてクラシックカーの常として「オリジナル」が最も好まれることになりますが、なんとこのメルセデス・ベンツ300SLガルウイングはAMGが内外装を「現代風的に」カスタムした一台。
あえて「アンタッチャブル」にタッチした意味
こういった車両が存在することすら知らず、というのもAMGによってカスタムされたのはわずか11台のみだそう。
外装においてAMGが手を入れた部分は定かではなく、しかしタイヤ&ホイール、ドアミラーは見てすぐに分かる変更点ですね。
エンジンはAMG製の”M119”6リッターV8(オリジナルは3リッター直6)となり、見ての通りエンジンルームはパンパン。
その有り余るパワーを受け止めるために補強も入っているようです。
なお、トランスミッションは4速ATに換装されている、とのこと。
そしてトランク内にはCDチェンジャー(当時はこれがイケてた)。
そしてインテリアにも手が入り、ステアリングホイールが現代風に。
シートは社外品のバケットシートへ。
ステアリングホイールとコラムとの間にはカールコードが見えますが、このあたり(エアバッグ内蔵の巨大な)現代のステアリングホイールを取り付けるにあたって苦労したであろうことがわかります。
ダッシュボード素材もカーボンファイバーに改められている模様。
AMGが公式にカスタムしたことを示すプレート。
人によっては希少なクラシックカーに手を加えることについて「罪」と見なす場合もあるかもしれませんが、この仕上がりを見るに「こういったカスタムもアリ」だと感じさせられ、かつ信頼性が向上して日常的に乗れるのであれば、こちらのほうが「クルマの本来の用途に近い」とも言えそうですね。
そして驚くべきことに、このメルセデス・ベンツSL300ガルウイングは「1オーナー」。
画像で見てもそのコンディションの良さが十分に分かりますが、予想落札価格は1億3500万円~1億6000万円とちょっと低め。
おそらく実際のオークションだともうちょっと価格が上がるんじゃないか、と考えています。
なお、この車両の紹介は下記の通り。
・11 台が製作された AMG 製のコンバージョンモデル
・内2台のみ製作された右ハンドル仕様の1台
・6ℓの M119 V8 エンジンを搭載
・トランスミッションは4速 AT
・シャシー全般もすべて現代的にアップデート
・オリジナルのシート2脚は新品の状態で保管
・社外のバケットシートを装着
・2000 年に製作され日本に輸入されたワンオーナー車
・製作工程の写真アルバムやオーナーズマニュアルも付属
VIA:BH Auction