次期SLはAMG GTと兄弟車になるという見方が有力
カーメディア、CarAdvice報じるところによると、次期メルセデス・ベンツSLには「300SLガルウイング」のイメージが反映されるだろう、とのこと。
これはメルセデス・ベンツのデザイン部門を率いるゴードン・ワグナー氏が同メディアに対して語ったもので、ゴードン・ワグナー氏曰く、歴代SLのうち、自分がもっとも美しいと感じているのは300SLであり、その300SLのイメージを「新型SLに反映させない理由はない」とのこと。
新型メルセデス・ベンツの将来は未だ不透明
なお、次期メルセデス・ベンツSLについては未だウワサが交錯していて、メルセデスAMG GT後継モデルと同時開発される、という話もあるようです。
ちなみにメルセデス・ベンツ会長のディーター・ツェッツェ氏によると「次期メルセデス・ベンツSLは驚くような車になる」とも語っており、ゴードン・ワグナー氏は「次期SLの将来は非常に明るい」とも。
加えてゴードン・ワグナー氏は「新型メルセデス・ベンツSLは300SLガルウイングを新解釈したものではなく、また300SL同様のレトロなデザインではなく」、しかし300SLガルウイングのDNAと精神を受け継ぐだろう、と述べています。
現在のところ次期SLの発表時期は不明ではあるものの、来年には次期AMG GTが公開されると見られ、これは新開発のアルミ製プラットフォームを持ち、2+2に対応するほか、6気筒、8気筒両方、またハイブリッドにも対応する、と言われていますね。
加えて駆動方式については4WD(4Matic)、RWDが用意されることになる可能性が高く、次期SLも(ウワサ通りであれば)このプラットフォームを使用することになりそう。
メルセデス・ベンツ300SLはこんなクルマ
なお、メルセデス・ベンツ300SLガルウイングはこういったクルマ。
もともとはレーシングカーとして開発されたという背景を持っています。
そしてガルウイング採用の経緯がこれまた特殊で、レーシングカーであったが故にボディ剛性確保のためサイドシルが高くなってしまい、通常の「横開き」ドアだと乗降が難しかったために「ガルウイング」を採用した、と言われます。
つまりは「乗り降りが容易になるように」という実用上の理由からガルウイングドアが誕生した、ということですね。
この300SLガルウイングは自動車史を語る上で外せない一台でもあり、オークションでの落札価格は5億円を超えることも(現在も継続して価格が上昇中)。
もちろんメルセデス・ベンツも300SLガルウイングを自社の「重要資産」だと位置付けていて、自社によるレストアや、パーツの再供給を開始したのは記憶に新しいところです。
そしてメルセデス・ベンツがそのあとに作ったガルウイングドアを持つモデル(正確にはテックアート ドア)がメルセデス・ベンツSLRマクラーレン(2004)。
「SLR」の名称は、もちろん300SLのレーシングカー版、300SLRから。
さらにメルセデス・ベンツSLRマクラーレンの後継モデルが「メルセデス・ベンツSLS AMG(2009)」。
こちらは正真正銘「ガルウイングドア」を採用し、雰囲気的にも300SLに近くなっています。
そしてこのSLS AMG以降、メルセデス・ベンツはガルウイングドアを持つスポーツカーを製造しておらず、「もしかすると」新型SLにてガルウイングドアが復活するかしれない、というところですね。
なお、現代はSLが大人気となった時代とは異なり、多数のライバルが存在する状況。
そういった中で存在感を発揮するには「過去の資産」を活用し、かつほかライバルが持ち得ない特徴を備えることが重要だとも考えられ、その意味でもガルウイングドアの採用は「理論的な解決策」ということになる、と考えています。
VIA:CarAdvice