| これぞまさに新世代のメルセデス・ベンツ |
さて、メルセデスミー大阪に新型Sクラスの試乗車が配備されたため、早速試乗に。
用意されている試乗車はS400d 4MATIC Long、S500 4MATICの二台ですが、今回はガソリンエンジンモデルのS500を選んでいます。
ボディカラーはハイテックシルバー、オプションとしてはAMGライン/ベーシックパッケージ/レザーエクスクルーシブパッケージ/3Dコックピットディスプレイ。
-
ラグジュアリーを再定義!新型メルセデス・ベンツSクラスが日本でも発表に。価格は1293万円〜2040万円、アンビエントランプの明るさはなんと「10倍」
| 新型メルセデス・ベンツSクラスには数多くの「世界初」が | さて、メルセデス・ベンツ日本が新型Sクラス(8年ぶりのフルモデルチェンジ)を発表。本国での発表からさほど時が経たないうちでの発表であり、 ...
続きを見る
新型メルセデス・ベンツSクラスはこんなクルマ
メルセデス・ベンツにとってのSクラスは言うまでもなく「フラッグシップ」。
よっていつの時代のSクラスも最高の技術や安全性が反映されることになるものの、やはり重要なのは「ラグジュアリー」。
今回、フルモデルチェンジ版となるSクラスについて、メルセデス・ベンツは「ラグジュアリーを再定義する」と主張しており、それは素材やつくり、視覚的な高級感だけではなく、インフォテイメントシステム「MBUX」によるコネクティビティを活用した、新世代のラグジュアリーを提案しているわけですね。
これについて、メルセデス・ベンツは下記のように述べており、つまり「パッシブ」から「アクティブ」へとラグジュアリーが変化したということになりそうです。
革新のMBUXは、乗る人の動作を読み取り、より幅広く的確にアシストするなど、さらなる進化を遂げました。
Mercedes-Benz
メルセデスが世界に誇る安全性能においても、メルセデス初となるリアエアバッグの採用や、センサー類の高機能化によって、次なるステージへと歩みを進めました。
乗る人にとって本当に大切なものを理解し、様々な角度からきめ細かにサポートするクルマとして、大きな飛躍を遂げた新型Sクラス。
それは、メルセデスがその歴史の中で追い求めてきた、クルマの理想の集大成です。
新型メルセデス・ベンツSクラスのスペック・外観はこうなっている
今回試乗したS500 4MATICの基本価格は1375万円。
搭載されるエンジンは3リッター直6ターボ、出力は435PS。
全長5,210ミリ、全幅1,930ミリ、全高1,505ミリという大きな車です。
外観上の特徴としては「大きくなったグリルとコンパクトなヘッドライト」。
これによって押し出しが強くなっていますが、グリルは新型Eクラスのように「フレームレス」ではなく、あえてゴッツいフレームを装着しており、これは「威厳」を主張したためだと思われます。
そしてフロントからサイド、リアに至るまではメルセデス・ベンツの採用するデザイン言語、「官能的純粋」に従い、可能な限り段差や継ぎ目を抑えたなめらかなな表面を持っています。
ドアハンドルにメルセデス・ベンツ史上はじめて「ポップアップ式(シームレスドアハンドル)」が採用されたこともトピックですね。
なお、今までポップアップ式ドアハンドルを採用してこなかったのは「もし事故を起こした際、外部からの救助がこんなんになるから」だそうで、しかし今回はそういった問題を「100%解決した」ことからの採用なのだそう。
装着されているオプションの「ベーシックパッケージ」はパノラミックスライディングルーフを含み、「AMGライン」として専用フロントスポイラー/サイド&リアスカート、20インチAMGマルチスポークアルミホイール、Mercedes-Benzロゴ付ブレーキキャリパー&ドリルドベンチレーテッドディスク、スポーツブレーキシステム、ノイズ軽減タイヤが装着済み。
ヘッドライトは”歩行者への防眩性能を一層高め、高詳細な照射を実現した”新世代のデジタルライト。
テールランプは横長、そして車体側とトランク側とに二分割されており、内部に存在する「クリスタルピン」が高級感を演出しています。
なお外観(展示車)の詳細はこちらにUPしています。
-
新型メルセデス・ベンツSクラスを見てきた!さすがはフラッグシップ、一見するだけで伝わってくる高級感はさすが「ラグジュアリーを再定義」と主張するだけのことはある
| メルセデス・ベンツはラグジュアリーを視覚的に表現する方法に磨きをかけたようだ | さて、発表されたばかりの新型メルセデス・ベンツSクラスを見にメルセデスミーへ。展示車のグレードはS500 4MAT ...
続きを見る
新型メルセデス・ベンツSクラスのインテリアはこうなっている
新型Sクラスのインテリアは先代に比べると大きく変化し、「デジタル」中心に。
ただしSクラスならではの重厚さ、高級さも残され、伝統と革新とがミックスされた上質なインテリアだと言えそうです。
ダッシュボードはこれまでの「囲まれ感が強い」デザインから水平貴重へとシフトし、操作系がセンターのタッチスクリーン(12.8インチの有機EL)に集約されたためか、トリムが広く大きく取られているようですね。
ちなみにこのディスプレイは「一切タッチせず」ジェスチャーのみでのコントロールが可能であり、コロナウイルスが蔓延する昨今でも「安心」です。
なお、メルセデス・ベンツはこの室内について「第三の空間」と表現しており、これはスターバックスが「自宅やオフィスに次ぐ、サードプレイス」というコンセプトを持つのと同様だと思われます。
そして「ベーシックパッケージ」が装備されているので、アクティブアンビエントライト、シートヒーター・プラス、シートベンチレーター、エアバランスパッケージ、MBUXインテリア・アシスタント、赤外線反射・ノイズ軽減ガラスが装着済み。
加えて、「レザーエクスクルーシブパッケージ」としてナッパレザーシート、ラグジュアリーヘッドレスト、Burmester製3Dサラウンドサウンドシステム、アクティブマルチコントロールシートバックパッケージ、ウォームコンフォートパッケージ、エナジャイジングパッケージが付与されています。
「AMGライン」の特別装備としては本革巻ウッドステアリング、ステンレスアクセル&ブレーキペダル、ハイグロス・スレートポプラウッドインテリアトリム。
ちなみにシートベルトバックルすらも高級感あるデザインを持っており(脱着の際のタッチや音すらも上品)、こういった部分にまで心遣いがおよぶのはメルセデス・ベンツくらいかもしれません。
新型メルセデス・ベンツSクラスに乗ってみよう
なお、ヘッドアップディスプレイはカラー表示がなされ、各種情報が視線を移動させることなく確認可能。
ステアリングホイールで操作できる範囲も非常に広く、「前を見て、ステアリングホイールを握っていれば」ほとんどの操作を完結でき、情報を受け取ることができるように配慮されています。
この車両にはオプションにて3Dコックピットディスプレイが装着されていますが、その表示はまさに「3D」。
アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックの作動状況等を3D表示することが可能です。
なお、スイッチ類も新世代へと移行しているようで、シートアジャスター、ウインカーレバー、エンジンスターター等が新しいデザインへ。
ステアリングコラム左のスターターボタンを押してエンジンを指導させますが、予期した以上の静かさには驚かされます。
そして今度はステアリングコラム右のコラムシフトを操作して「D」へ入れ、アクセルペダルをチョンと踏んで試乗スタート。
試乗はコロナウイルス感染対策ということでウインドウ、そしてサンルーフを開放して行っていますが、それでも車内に入ってくるノイズが非常に小さく、これはつまり「ノイズを遮断する」というよりは「ノイズの発生源を根本から抑えている」と考えて良さそう。
試乗は地下駐車場から地上に出るところから始まり、つまり坂を登ることになるものの、そこではトルクの厚さが発揮され、エンジンが唸ることもなく平静を保ったままスルスルと登ってゆきます。
この時点で感じるのは「小回りが効く」ということで、これはリアホイールステアリングの恩恵だと言えますが、最小回転半径はこの巨体にもかかわらず、わずか5.5メートル。
同時に「非常に軽いクルマ」のように感じられるのも新型メルセデス・ベンツSクラスの特徴だと思います。
その後には地上をしばらく走ることになり、ここで気づくのも「あまりの静かさ(ウインドウは開けたまま)」。
おそらくはノイズ低減タイヤの効果絶大ということになり、ロードノイズがかなり小さいようです。
加えて、あらゆる動作がマイルドであり、発進や加速、減速、停止する最後の一瞬までとにかくマイルド。
そこには直接的な衝撃や下品な音はまったく感じられず、とにかくスムーズそして上品といった印象。
なお、ドアハンドルは上述の通り「ポップアップ式」ですが、これが出てくる動きすら「ヌルリ」といった感じで、「バコン」と出てこないのがSクラス流です。
あたらしいMBUX、運転支援はハンパではなかった
そしてそういった上質なドライブフィールよりも驚かされたのがMBUXや運転支援関連デバイスの先進ぶり。
メルセデス・ベンツは新型Sクラスについて、「革新のMBUXは、乗る人の動作を読み取り、より幅広く的確にアシスト」「センサー類の高機能化によって、次なるステージへ」「乗る人にとって本当に大切なものを理解し、様々な角度からきめ細かにサポート」と述べていますが、まさにそういった想いが実感できる例が多々あり、たとえば降車しようとドアノブに手を伸ばしたとき、後方からクルマが来ていればアンビエントランプが赤く流れるように光って警告を発したり。
つまり、乗員が次に何をしようかを予測し、その行動をサポートするということになりますが、これはほんの一例で、このほかにも”きめ細かなサポート”が多々見られます。
まさに上で述べたとおり、乗員へのサポートが「パッシブ(受け身)」から「アクティブ(積極的な提案)」へと変化したということになりますが、これらについては、その乗り心地やドライバビリティよりも大いに驚かされた部分でもあり、文字通り「筆舌尽くし難く」、どんなに説明を行ってもその先進性を伝えることは難しそう。
新型メルセデス・ベンツSクラスの試乗動画はこちら
こちらの動画では、MBUXの動作やリアホイールステアリング動作の様子、テールランプのアニメーションなど、静止画では紹介できない内容についても触れています。