| 自分の好みではなく、メルセデス・ベンツそして300SLの歴史を反映させ、現代の技術にてSLRをカスタムしたようだ |
ここまでメルセデス・ベンツSLRマクラーレンを愛している人もそうそういないだろう
さて、先日「メルセデス・ベンツSLRマクラーレン MSO ヘリテージ・エディション」がめでたく納車されたアメリカの不動産王にしてカーコレクター、マニー・コシュビン氏。
同氏は9台のメルセデス・ベンツSLRマクラーレンを所有しており、さらに「10台め」を探しているそうで、これらSLRマクラーレンについては、値上がりを見込んで10年前からコツコツ仕込んできた(忍耐は大事)とも語っています。
つまりこれらコレクションは投資をカネているということになり、ガレージにはシルバー、ダークブルー、ブラックのメルセデス・ベンツSLRマクラーレンが並ぶものの、非常に価値の高い「722スターリング・モス」の姿はなく、なぜ(いつでも買えるだけのお金があるのに)買わないのだろうかと考えていたのですが、もしかすると「投資効率が見合わない(すでに相当に価格が上がっている)」と考えたのかもしれませんね。
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通常のメルセデス・ベンツSLRマクラーレンと、メルセデス・ベンツSLRマクラーレン MSO ヘリテージ・エディションはこう違う
そこで今回、マニー・コシュビン氏は「ノーマルの」メルセデス・ベンツSLRマクラーレン、そしてメルセデス・ベンツSLRマクラーレン MSO ヘリテージ・エディションとの差を解説してくれますが、メルセデス・ベンツSLRマクラーレン MSO ヘリテージ・エディションはワンオフ車なので、こういった解説ができるのは世界広しといえどこの人だけ、ということになります。
ちなみにこちらは通常のメルセデス・ベンツSLRマクラーレンに付属してくる豪華本で、ページそのものが「(シルバーアローだけに)クローム」という仕様です。
これはメルセデス・ベンツSLRマクラーレン MSO ヘリテージ・エディションの仕様を決める際のスケッチ。
内外装において、事細かに仕様が記載されています。
そしてメルセデス・ベンツSLRマクラーレン MSO ヘリテージ・エディションに乗り込み・・・。
2台のメルセデス・ベンツSLRマクラーレンを並べます。
ここからは順番にその差を見てゆくことになりますが、メルセデス・ベンツSLRマクラーレン MSO ヘリテージ・エディションのフロントリップはカーボンファイバー。
参考までに、当時にも「マクラーレンがカスタムしたメルセデス・ベンツSLRマクラーレン」が存在しており、しかし今回のSLRマクラーレン MSO ヘリテージ・エディションは「マクラーレン版SLRマクラーレン」よりも、オリジナルのSLRマクラーレンに近いようですね(つまりオリジナルのデザインをほぼ崩していない。後に解説があるが、オリジナルのデザインを活かしつつ、300SLへのオマージュ度を上げている)。
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そして次はフロントフード上のエアベントの有無。
そしてちゃんとエアが抜けるようにインナーにもカットが施されている!
エンジンカバーはレッドからブルーへ。
ホイールは通常版よりも軽量は5本スポーク仕様、そして表面はポリッシュ、さらに「MSO」文字はブルー。
ちなみにサスペンションもチューンされ、10ミリ車高が低くなっている、とのこと。
そしてエキゾーストシステムもカスタムされており、室内にあるボタンを押すと「フリーフロー」状態となって10馬力アップするようですね。
動画の最後の方では、通常版SLRマクラーレン、そしてこのSLRマクラーレン MSO ヘリテージエディションとのサウンド比較、そしてフリーフロー状態前後の比較も行っています。
リア周りだとトランクリッドが「ダックテール」となりダウンフォースを強化しています。
リアアンダーには大型化されたカーボン製ディフューザーが装着済み。
トランク内だと床面のカーペット含む内張りが変更され、シート素材と同じ生地を使用したバッグが付属する他、これらバッグを固定するためのベルト、そしてトランクの内側にはMSOがカスタムしたことを証明するバッジも装着されています。
そしてドアには「かなり強い光を当てないと見えない」ステルス仕様にて「71」のナンバー入り。
さらにサイドギルやエアベントのフィンはクローム仕様となりますが、もちろんこれは300SLへのオマージュです。
メルセデス・ベンツSLRマクラーレン MSO ヘリテージ・エディションのインテリアはこうなっている
メルセデス・ベンツSLRマクラーレン MSO ヘリテージ・エディションのインテリアは完全に張り替えられ、シートのセンターは300SLをイメージしネイビー、レッド、ホワイトを使用した編み込み素材へと変更されています。
ステアリングホイールやシフトノブ、センターコンソールまわりは300SLを意識した「アイボリー」へ。
そして左右シートの間には初代SLが発売された年などが刻まれたメモリアルプレートも。
動画ではシート後方の「収納スペース」、コンソールに内蔵された「モトローラ製の自動車電話」も紹介しています。
ダッシュボードもまた初代SLを意識した「シルバー」仕様です。
こういった内容を見るに、マニー・コシュビン氏は自身の好みを反映させてこのSLRマクラーレン MSO ヘリテージエディションをオーダーしたわけではなく、SLRマクラーレン本来の設計意図を現代の水準にアップグレードさせ、かつSLRマクラーレンのオマージュもととなった300SLへのリスペクトも随所に散りばめている、という印象。
つまりは「メルセデスSL愛」があふれんばかりのスペックを持っているということになりますが、同氏はなんともう一台のメルセデス・ベンツSLRマクラーレンをレストモッドしている最中だといい、こちらは「完全に分解」したのち、もっとも速いSLRマクラーレンを目指して”究極のサーキットウエポン”に仕立て上げる予定だと語っています。
メルセデス・ベンツSLRマクラーレンと、メルセデス・ベンツSLRマクラーレン MSO ヘリテージ・エディションとの比較動画はこちら
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