| 以前のプロトタイプに比較すると走行ペースはずいぶん速くなっているようだ |
実際にどれくらいのタイムを出せるのかは非常に気になる
さて、苦節5年の開発期間を経てついに発売されることとなったメルセデスAMG One。
これはF1マシンに積まれるエンジンを調整して市販車に搭載するという、ほかに例を見ないプロジェクトの産物であり、そしてF1マシン用のエンジンを使用することは想像よりも遥かに難しかったもよう。
実際のところ、メルセデスAMGのスタッフがメルセデス・ベンツの重役に対し「いいアイデアがあるんですよ。F1のエンジンを載せたハイパーカーを作ったらポルシェなんか目じゃないっスよ」といった感じでプレゼンを行い、そして重役は「おっしゃ、それで行こう」とGOサインを出してしまい、しかしその重役(今はメルセデス・ベンツCEO)からは「なんであのとき企画をOKしたんだろうな・・・」と後悔したという話も聞かれます。
メルセデスAMGは間違いなくAMG Oneでニュルに挑戦するだろう
そしてこのメルセデスAMG Oneの開発段階から掲げられていたのが「ニュルブルクリンク最速記録」の更新。
現在のニュルブルクリンク(市販車)最速記録はメルセデスAMG GTブラックシリーズが持っていますが、その前にはポルシェ911GT2が王座に君臨しており、しかし王座を奪われたポルシェは911GT2 RSにオプションパーツ「MRキット(ニュルブルクリンクのアタック専用キットと考えてもいい)」を装着してなんとかメルセデスAMG GT ブラックシリーズの記録を塗り替えることに。
ただしこれはさすがに反則だろうと考える向きも多く、よってぼくの作成しているランキングでもこれはノーカウント扱いです。
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そしてメルセデスAMG Oneはニュルブルクリンクにてテスト中
そこで今回もまたニュルブルクリンクにてメルセデスAMG Oneが目撃されており、ただしこれは最速記録に挑戦しているわけではなく(年明けと言われる)記録挑戦へ向けての調整だと考えられます。
メルセデスAMG Oneに搭載されるF1由来の1.6リッターV6ターボエンジンのレッドラインは11,000rpm、その出力は566馬力、そしてクランクシャフトに取り付けられたエレクトリックモーター(161馬力)、ターボチャージャーに内蔵されたエレクトリックモーター(121馬力)、フロントアクスルにセットされた前輪駆動用のエレクトリックモーター(2個で322馬力)によって合計1,063馬力を発生しますが、問題なのはメルセデスAMG Oneの「車体重量」で、予定していたよりも650kgも重くなってしまい、そのパフォーマンスには疑問を呈するオーナーも。
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今回の動画では、一般道からニュルブルクリンクに入ってゆくメルセデスAMG Oneの様子を捉えていますが・・・。
けっこう近くでの撮影も行っており、パネルの注意書きも記録されています。
インテリアもちょっとだけですが収められることに。
そしてこのプロトタイプはニュルブルクリンクを果敢に攻め、しかしちょっと前とは異なってけっこうなハイペースで走行していて、記録達成に向けて前進したこともわかります。
この1,063馬力という数字をもってすれば、「わずか」700馬力のポルシェ911GT2RSの記録を更新することは難しくないかもしれませんが、多くの自動車メーカーが指標として用いるニュルブルクリンク北コースは20.6キロ(もしくは20.8キロ)という長丁場であり、すべてのコーナーをミスなく駆け抜けねば記録を残すことはできず、つまり実際には「非常に困難」ということに。
実際のところ、記録に挑戦すると公言つつも達成できなかったクルマにはケーニグセグOne:1(クラッシュ)、テスラ・モデルSプレッドなどがあり、いかに速いマシンをもってしても「安定して速く走ることができなければ」タイムを出せないのがニュルブルクリンクということになりますね。
そしてメージャーメーカーがいわゆる「ハイパーカー」でニュルブルクリンク最速を目指す例はポルシェ981スパイダー以来でもあり、いったいどれくらいの速さを見せてくれるのかに注目が集まります。
メルセデスAMG Oneがニュルブルクリンクに登場する動画はこちら
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参照:CarSpyMedia