| メルセデス・ベンツは意外と大排気量エンジンが大好きなメーカーでもあった |
2030年以降もガソリンエンジンを「全廃」する予定はないようだ
さて、メルセデス・ベンツは2021年7月に「今後10年間でピュアエレクトリックカーへの移行を行い、2025年以降に発売するモデルにはEVバージョンを追加する」と発表し、ガソリンエンジンの開発終了、そしてガソリン車工場をEV工場へとトランスフォームする計画を発表済み。
ただしこの計画には「可能な限り」という但し書きがあって、その意図としては、多くの国や地域でガソリン車が禁止されたとしても、中国や米国、南米やアフリカでは(購買力やインフラの問題もあり)ガソリン車の需要が完全に無くなるわけではないと考えられており、完全にガソリン車を引退させることが難しいと考えているためだとされています。
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メルセデスAMGはV8エンジンを存続させる?
なお、この「ガソリンエンジン存続計画」については現時点で何も決まっていないといい、しかしメルセデス・ベンツの車両開発担当副社長ヨルグ・バーテルス氏によると「8気筒エンジンは今後も存続し続けるだろう」。
その理由の一つとしては、メルセデス・ベンツは(上述の通り)EVシフトを強め、それによってメーカー全体としてのCO2排出量が減少し、となるとガソリンエンジンを存続させる道が見えてくるから。
同氏は「最終的には、我々の全体的なCO2戦略を満たす必要があり、それについては、2030年代の終わり、2039年までにCO2ニュートラルになるという明確な道筋があります。そのため。2030年からは純粋な電気自動車のみのラインアップにしたいのです。しかし、地域によってはまだ(ガソリンV8の)顧客の需要があり、それが我々の提供可能なサービスの一部であるならば、なぜそれを止めなければならないのかという明確な理由を見つけることはできません」。
メルセデス・ベンツは、厳しい規制(今後施行されるユーロ7)を満たすよう内燃機関をを改良することが難しいと十分承知しているものの(ユーロ7はPHEV化してようやく小排気量エンジンがこれをクリアできるレベル)、それでも6気筒や8気筒エンジンを積んだクルマを買いたいと思う顧客がいることも理解済み。
ただ、ヨルグ・バーテルス氏は、「エンジニアがほぼすべてのエンジンをより厳しい規制に適合させることができると確信している」とも語り、しかし「それには高いコストがかかる」とも。
さらにはそのコストを支払いたくない顧客が居ることも想定していて、直6やV8エンジンの存続には様々なバランスを検討する必要があることも伺えます。
メルセデス・ベンツは他社とはやや異なる考え方も
なお、スポーツカーメーカーの多くは小排気量エンジンに移行しており、マクラーレンやフェラーリもV6ハイブリッドモデルを発表済み。
そしてランボルギーニでもウラカン後継モデルは「V10を積まない」可能性が示唆されていて、もしかすると一気にV6へとダウンサイジングを行うかもしれません。
ただしメルセデス・ベンツはV8を存続させる意向を示しており、アウディ、BMW がとうに廃止を決定した12気筒エンジンを(マイバッハのみですが)搭載し続けるなど、いまだ大排気量マルチシリンダーにこだわるひとつの、そして稀有な自動車メーカーでもあります。※BMWは4リッターもしくは4.4リッターV8を継続させることを明言している
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加えて、ポルシェ、トヨタ、ホンダ、ランボルギーニ、ケーニグセグが「可能性」を見出している合成燃料についても、メルセデス・ベンツは「環境負荷が大きく、現実的な解決策ではない」とコメント。
もちろんこれについて検討はしているものの、合成燃料を生成するためにもCO2を発生させることになり、「(カーボンニュートラル達成のためには)意味がない」とも捉えているようですね。
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参照:CarSales