| メルセデス・ベンツは「グリル」というよりはスリーポインテッドスターのほうの印象が強い |
これからはサブブランドごとに特色のあるグリルを採用するようだ
さて、自動車のフロントグリルというのは、そのクルマが「何者であるか」を示すのに非常に重要な役割を担いますが、その重要性はBMWのキドニーグリル、アウディのシングルフレームグリルをみても分かる通り。
ただ、同じジャーマンスリーにおいてメルセデス・ベンツの場合は「立派なフロントグリルを持つ」という認識こそあれど、そのグリル形状についてはそこまで(デザイン的な)認知度は高くなく、むしろそのエンブレム「スリーポインテッドスター」のほうがグリル形状よりも有名なくらい。
しかし今回、メルセデス・ベンツはそのグリルの歴史とともに新しいグリルデザインを紹介するコンテンツをリリースし、これからの時代へと向かうことをアピールしています。
なお、同社は以前に「高級化路線に向かうこと」、そして「メルセデス・ベンツ」「EQS」「マイバッハ」「Gクラス」「AMG」といったブランド分けに従い、グリルデザインもそれぞれ分化させることを発表済みですね。
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メルセデス・ベンツのグリルはこういった歴史をたどっている
そこでメルセデス・ベンツはその歴史上「ターニングポイント」となったモデルのフロントグリルを紹介しており、まずこちらはその起源でもある、1900年にヴィルヘルム・マイバッハが発明したハニカムラジエターを装着したメルセデス35PS。
もちろんこのハニカムラジエターはエンジンの冷却のために考案されています。
そして1931年にはメルセデス・ベンツ170が登場がしますが、このモデルにてはじめてラジエーターが保護用グリルの後ろに搭載された、とのこと。
つまりそれまではラジエターがむき出しだったものの、このモデルにてようやくカバーが付けられることになり、それが「フロントグリル」の起源ということになります。
そしてこのフロントグリルは装飾としての役割も果たし、スリーポインテッドスターエンブレムと一体化するという現代に至るまでの原型が成立することに。
そして1950年にメルセデス・ベンツ300SLガルウイング、190SLロードスターを誕生させ、「スポーツカー・フェイス」と呼ばれる新しいデザインを確立させることになりますが、この水平方向のバーはその後のメルセデス・ベンツにも採用されることに。
そして2007年になると、メルセデス・ベンツは「クラシック(クラシック&エレガンス)」と「スポーティ(アバンギャルド)」という二種類のグリルを採用し、同一モデルの中でもグレードによってグリルのデザインを分ける、という手法を採用します。
その後は現代にもつながるグリルが登場
2008年には力強い横方向のバーを持つグリルがGクラスに採用。
これは形状を変え、SUVシリーズへと転用されていますね。
2012年にはダイヤモンドグリル。
2016年にはハイパフォーマンスモデル用としてパナメリカーナ・グリルが登場します。
そしてエレクトリックシリーズ、EQには全閉グリル。
このグリルの奥には各種センサーが仕込まれており、ラジエターグリルが登場したときの「その奥にあるラジエターを守る」という役割から、現代においては「奥にあるセンサーを守る」という役割に転じていることがわかります。
そしてこちらはグリルの変遷。
ちなみにEQシリーズは現在「バラバラ」ですが、そのうちなんらかの統一デザインが出来上がるかもしれませんね。
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