| メルセデス・ベンツ SL65AMG ブラックシリーズはめったにオークションには登場しない |
ブラックシリーズ各モデルは今後間違いなく値が上がるだろう
さて、350台のみが限定生産され、AMG史上もっとも「クレイジー」だと称されるメルセデス・ベンツ SL65AMG ブラックシリーズがRMサザビーズ主催のオークションに登場予定。
このメルセデス・ベンツ SL65AMG ブラックシリーズは、R230型SLのライフサイクル終盤である2008年に発売されたハードコアバージョンであり、日本での販売価格は4480万円(12台のみが正規輸入されている)という「もっともレア、そしてもっとも高価なSL」です。
今回の出品に際して、その希少性も手伝って最高で325,000ポンド(現在の為替レートにて約5943万円)という予想落札価格が提示されていますが、ここでその詳細を見てみましょう。
メルセデス・ベンツ SL65AMG ブラックシリーズはこんなクルマ
このメルセデス・ベンツ SL65AMG ブラックシリーズは「SL65」をベースとするものの、SL65の魅力と性能をさらに高めることを目的とした数々の改良が施されていることが特徴で(ブラックシリーズそのものが、究極のメルセデス・ベンツという定義を持っている)、ボディパネルのほとんどをカーボンファイバー強化プラスチックに置き換えることで大幅な軽量化を図り、リトラクタブルハードトップの代わりに固定式ルーフを採用しています。
要はベースとなったメルセデス・ベンツSL65とは「似て非なる存在」だと言ってよく、ボディパネルだとSL65との共通パーツは「ドアとドアミラーだけ」。
なお、ドアミラーは懐かしの「カニミラー」。
トランクリッドの内側を見ると「本当にカーボンファイバー製」であることがわかります。
フェンダーはフロントで11.5センチ、リアで10センチ拡大され・・・。
リアにはカーボンファイバー製のスポイラーやディフューザーも追加されています。
メルセデス・ベンツ SL65AMG ブラックシリーズのパフォーマンスは「これまでとは異なるレベル」へ
ただし最大のアップグレードはこのV12ツインターボであり、排気量は6リッターを維持しつつもターボの大型化、インタークーラーの大型化、ECUのリマップによって出力は670馬力へと大きく向上。
トランスミッションはAMG製のスピードシフト・プラス(5速AT)、駆動輪は後輪のみ、0-100km/h加速は3.8秒、最高速はリミッターが作動する320km/h。
そのほか、よりシャープなステアリングフィールや、より高いロードホールディング性能を発揮させることを目的にKWによってセットアップされたサスペンションが装着され、ホイールはワイドな新デザインのAMG製に。
その結果、メルセデス・ベンツ SL65AMG ブラックシリーズの性能は文字通り「メルセデス・ベンツの常識を塗り替える」レベルにまで高められ、350台の生産枠は瞬く間に完売することとなっています。
なお、このボディカラーはブラックシリーズ専用となるパラジウムシルバーメタリックと呼ばれる色調で、その深い輝きと陰影によってフロントとリアのホイールアーチのフレアが強調されるかのよう(合計で6色が提供されている)。
フロントホイールは19インチ、リアホイールは20インチ、タイヤサイズは255/35と325/30(ミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2)という、この年代にはかなり珍しい「前後異径サイズ」です。
このクルマが何であるかを知らない人が見ると、とうていメルセデス・ベンツが発売したクルマとは思えず、ブラバスやマンソリーなどのチューナーによってカスタムされたクルマだと思ってしまうかもしれませんね。
この個体の走行距離はわずか835マイル(約1,343km)にとどまっており、おそらくはもっとも走行距離が少ないメルセデス・ベンツ SL65AMG ブラックシリーズのうちの一台だと思われます。
インテリアについてはブラックレザーに・・・。
グレーのアルカンターラという組み合わせ。
なお、このバケットシートを装着する個体は非常に珍しく(今回始めて見た)、おそらくはオプションではないかと思われます。※標準仕様はパワーアジャスト機構を内蔵するコンフォート系であったと記憶
そしてこのカーボン製ドアインナーパネルもおそらくオプション(標準仕様はブラックレザー張りであったと思う)。
なお、この個体はクウェートのオーナーへと新車で納車され、その後ロンドンにて登録されたという記録が残っており、直近のサービス履歴だと新しいトランクストラットへの交換、エンジンオイルとフィルターの交換が記されています。
取扱説明書やサービスブックも付属すると説明されており、おそらくはコレクターによって大切に保管されていた車両だと捉えるのが妥当であり、その希少性、レーシーな内装オプション、そして少ない走行距離を考慮すると、多くのメルセデス・ベンツ愛好家の注目を集めることは間違いなさそうですね。
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参照:RM Sotheby's