メルセデス・ベンツは「EQ」ブランドを立ち上げ、このブランドにてEVを世界中で販売する計画ですが、中国においては「EQ」を他の自動車メーカーに先に登録されてしまい、これを使うことが出来ない模様(日本でもアルファベット2文字のEQは”短すぎ”て登録できない)。
よって中国においてメルセデス・ベンツは別の名称を使用することを余儀なくされている、とロイターが報道しています。
なお、「EQ」を中国で登録したのは「奇瑞汽車(Chery/チェリー)」。
ただしこちらに悪意があったとは判断できず、というのもこの読みは「Qirui Qiche」となり、古くから「QQ」というモデルを中国において販売していて、その後もEV「eQ」を中国で実際に発売し、この商標を取得しているわけですね。
よって商標マフィアのように商標をメルセデス・ベンツに「売りつけよう」としたわけではなく、自社で使用するための取得、と言えます。
なお奇瑞汽車はGMによく似た車(上述のQQ。下の画像)を発売してGMに告訴されたこともありますが、今では中国の「五大自動車メーカー」に数えられるまでに成長しており、メルセデス・ベンツといえども「折れる」しかなさそう。
なお自動車の商標はいろいろと過去に問題があり、オペル「コルサ」の商標もトヨタが持っていたので日本では使えず、フェラーリ599GTB「フィオラノ」はオートバックスが商標を保有。
ミニ「カントリーマン」はミニの専門ショップデルタが保有しているので「クロスオーバー」へと名称を変更しており、欧州だとアルファロメオとアウディとの間で「Q2」「Q4」の商標について一時問題化(現在は合意がなされている)。
ほか、トヨタは「クルーガー」「ソアラ」ダイハツから取得したと言われ、クライスラー「クロスファイア」はブリジストンから商標使用契約を結んでいるとされ、VW「イオス」もキャノンと話し合いがあった(ジャンルが違うので本来は問題にならない)とされたり、色々なケースがあるようです。
VIA:Motor1
メルセデス・ベンツはBMWの「i」ブランドに対抗すべく「EQ」ブランドをスタートさせる見込みですが、その準備は着々と進んでいる模様。
社外的にはもちろんですが社内的にもそれは進められており、従業員に対する新たな研修についても労組と話し合いが持たれ、合意がなされた、と報じられています。
なおドイツは労組がかなり強いのか、アウディの工場でもストライキが発生したり、ドイツのフラッグシップキャリアであるルフトハンザ航空でもたびたびストライキが勃発。
今回メルセデス・ベンツにおける合意内容は不明ですが、工員にとっては「EV製造」は当初の契約内容とは異なる可能性もあり、新たな技術を身につける必要があることからも反対者が出るかもしれず、かつ電気を扱うという「危険性」を考慮したためかもしれませんね。
更に協議がどういった経緯で持たれたのかは不明ですが、メルセデス・ベンツの工場は他の自動車メーカーよりも賃金が良いと聞いており、ストライキも発生したとは報じられないので、「未然に」問題を察知して雇用側(メルセデス・ベンツ)に十分な説明や協議の場を提供しているのかもしれない、と思ったりします。
VIA:CARSCOOPS