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こんなコンセプトカーもあった。メルセデス・ベンツ・バリオリサーチカー(マジ)

2017/06/27

1995年のジュネーブ・モーターショーで発表された、メルセデス・ベンツのコンセプトカー「バリオ・リサーチ・カー(Mercedes-Benz Vario Research Car)」。
FFレイアウトにカーボンファイバー製ボディ、ドライブ・バイ・ワイヤを備えた先進的なコンセプトカー。
ひとつのシャシーに対し「上モノ」を交換することでセダン、ワゴン、カブリオレ、ピックアップへと(15分で)変化可能、というものです。
過去にもこれに近いコンセプトカー(レンダリング含む)、市販車が登場しており、自動車メーカーにとって、またデザイナーにとって「着せ替え」は大きな興味の対象であるようですね。

この「上モノ」は重量30~50キロほどで、大人でも2~3人での交換が必要になるかと思いますが、考え方自体はなかなかに面白いもの。

冗談のようなコンセプトカーに見えるものの、どうやらメルセデス・ベンツは「本気」であったようですね。

(ドア枚数などは異なるものの)現実的にCLK(1997)やRクラス(2006)などの様々なボディ形状を持つ車が後に誕生しており、もしかするとこの車が原点だったのかもしれません。
現在のところ「ピックアップ」はまだ発売されていませんが、これも「Xはクラス」として近日中に登場する見込みであり、当事メルセデス・ベンツが思い描いたボディ形状が後に全て登場した(する)、ということになります。

1995年登場とは思えないほどモデルさんがレトロ(1970年代のようにも思えるほど)。

なお機能として「トラフィック・サイン・ディテクション」を持ち、これは走行している場所の制限速度を読み取り、速度を超えるとドライバーに警告してくれるもの。
これと似たような機能は先日試乗したメルセデスAMGの最新モデル「AMG E43 4Matic+」に装着されており、これもずいぶん長い時間をかけて実用化された装備、と言えます。

画期的といえるのは「ドライブ・バイ・ワイヤ(フライ・バイ・ワイヤ)」を使用していることで、車の運転は「ジョイスティック」。
当時の文献を読んだところでは「実際に市販車へ投入することを前提に実験を行ったものの、繊細な操作が難しく採用見送り」とのこと。
加えて、幅広い年齢層にてテストしたところ、若年層は適応が速いものの、高齢者ではジョイスティックでの操作が難しかった、ともありますね。

なお、この6年後となる2001年にメルセデス・ベンツはSL、2002年にはEクラスに「ブレーキ・バイ・ワイヤ」を投入しており、これについてもやはり「相当な長期的な研究を経て」市販車へ実装されていることがわかります(ただしEクラスのものはトラブルが多く、コンベンショナルなブレーキに戻されている)。

こういったコンセプトカー、そしてその後の市販車を見ると、「何十年というタームで、確実にコンセプトカーと市販車はつながっている」と改めて実感します。
そう思うと、現在発表されているうち「これはないわ」と思えるような奇抜なコンセプトカーであっても、10年後や20年後にはそのコンセプトカーに採用されている技術が実現されている可能性もあり、コンセプトカーとはただ単に注目を集めたりするためだけのものではない、ということも理解できますね。

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