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”空冷最後の911”、993世代のポルシェ911ターボSが約1億円で販売に。それでも「高くない」とボクが考えるその理由

2020/01/20

| 993世代の911はまだまだ価格が上がりそうだ |

1997年モデルのポルシェ911ターボSが米ebayに899,900ドル(邦貨換算で9860万円)で出品されて大きな話題に(現在は売れずに終了)。
なお、この価格には理由があり、そのひとつは年式にもかかわらず走行距離がわずか856kmにとどまっていること。

加えてボディカラーはウインブルドングリーン、インテリアはネフライトグリーンという「希少」かつカスタム感満載のカラーコンビネーションもその価値を押し上げることに。

993世代のポルシェ911は生産台数が少ない

この911ターボSは「993世代」となりますが、993世代の911は1994年〜1998年と生産期間が短く、そのために生産台数も他世代に比較するともっとも少なく、この世代そのものが「希少」と言えます。

とくに「911ターボS」は1996年登場なので生産台数はわずか2年程度しかなく、相当に希少なのは間違いなさそう。
なお、世代ごとの911の生産台数は下記のとおりですが、これを見ると993世代の911は「ほか世代の半分以下」といったところですね。

1964-1973年 901型 111,995台
1974-1989年 930型 198,496台(累計310,491台)
1990-1993年 964型 134,734台(累計374,253台)
1994-1998年 993型 68,881台(累計443,134台)
1999-2005年 996型 175,262台(累計618,396台)
2006-2012年 997型 213,004台(累計831,400台)
2103-2019年 991型 223,540台(累計1,054,940台)

加えて993世代の911は「空冷エンジンを搭載する最後の世代」であるためにもともと人気が高く、さらにこの個体のトランスミッションは「マニュアル」でもあり、高い価格をつけるに値する要素が揃ったのがこの個体ということになります。

993ターボSは3.6リッター・ツインターボエンジンを搭載し、北米スペックだと424馬力を発生し、0−100km/h加速は3.6秒、最高速度は297km/h。。※エンジンは911GT2に使用されるM64/60R型を転用

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インテリアはフルオプション状態となり、8ウエイパワー&ヒーター付きシート、カーボンファイバーパッケージが装着され、昔懐かしの5ディスク「CDチェンジャー」も。
なお、デフロスター/シガーソケットのノブにも内装同色レザーが巻かれ、リアシートは純正オプションにて「レス」。
相当にお金のかかった個体であることも容易に判断でき、今後の値上がりを考えても「買い」だと考えて良さそうですね。

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なお、今このボディカラーを見ると「変な色」と感じるかもしれませんが、これは当時「もっともイケてたボディカラー」。
というのも、993世代の911の開発を主導したのはウルリッヒ・ベッツ氏で、そのウルリッヒ・ベッツ氏がデザインしたコンセプトカー「911パナメリカーナ」も同様のボディカラーを持つため。
つまり、993プロジェクトを率いた本人が「一番似合う」と考えたカラーがこの「グリーン」だと言えます。

993世代の911は今でも大人気

なお、993世代は上述のように「非常に希少」「最後の空冷世代」でもあり、オークションでは常に高値をつけることで知られ、その中でもとくに「GT2」の人気が高く、希少なGT2 Evoが過去に1億6000万円の値をつけたことも。

ポルシェ911 GT2 Evo(993)がオークションにて1億6000万の値をつける。空冷ポルシェはまだ上がる?

さらにはポルシェ自らが「レストア+カスタム=レストモッド」を施した993ターボ”プロジェクト・ゴールド”がなんと3億4000万円で落札されたのも記憶に新しいところですね。

ポルシェ純正993レストモッド、「プロジェクト・ゴールド」競売へ。予想を超える3.4億円で落札される

VIA:ebay

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