| 993型911GT2は「もっとも高価なポルシェ」の代表格だったが |
RMサザビーズによるオンラインオークションサイトにポルシェ911GT2(993世代)が登場。
予想落札価格は95万ドルから110万ドルだと表示されており、つまりは最高で1億2000万円ということですが、これはピークの「2億円」という相場からすると半分ほどとなっていて、コロナウイルスの影響なのか、はたまたポルシェの空冷モデル相場の崩壊なのかは不明です(それでも1億円)。
993世代の911GT2RSは文字通り「GT2クラス」で戦うために投入されたホモロゲーションモデルであり、総生産台数は163台、そのうち「ストリート」仕様は57台のみ。
911GT2のベースは「911ターボ」
993型911GT2のベースには当時の911ターボが使用されていて、しかし駆動方式は(レギュレーションによって)4WDから2WDへと改められ、エンジンは3.6リッターツインターボ(ストリート仕様は430馬力)、0-100km/h加速は4.0秒、最高速度は305km/h。
外観上の特徴はリベット留めの前後オーバーフェンダー(近年のポルシェのイメージからすると信じられないが、当然これが純正)、巨大なリアウイング。
ホイールは18インチ(ディスク部分はマグネシウム製)が採用に。
この個体のボディカラーは「ポーラシルバー」で、993世代では比較的メジャーだったボディカラーです。
フロントバンパーやフェンダー、フード、ミラーにはプロテクションフィルム施工済みだそう。
ステッカーを見て分かる通り、かつて日本のオーナーが所有していた個体で(数年前にアメリカへと輸入されている)、ディレクションによってメンテナンスされていたようです。
993は「空冷最後」の911として非常に高い人気を誇りますが、その中で人気、実力とも「頂点」にあるのがGT2。
なお、空冷世代の911が持つデザインは最新モデルの992にも反映されていますね。
ちなみに池沢早人師氏も過去に(F40からの乗り換えで)911GT2を所有していたことで知られますが、同氏の911GT2は未組立のホワイトボディ段階からロールケージを組んだ特別製。
室内後半の内張りを省略し、パワーウインドウもないスパルタンな仕様であったものの、非常に乗りやすかった、とも語っています。
唯一困ったのは「5点式ハーネスを装着して乗車すると、高速道路等の入り口で、発券機からチケットを取ることができない」というものだったそうで、これもETCのない時代ならではのエピソードだと言えそう(by GENROQ)。
用意されたトランスミッションはもちろん6速MTのみ。
この個体について、オプションとしてエアコン、パワーウインドウ、エアバッグ、ティンテッドガラスが装着されています。
バケットシートはセンターがグレー、サイドはブラックレザー。
ペダルはアイコード(旧アイメック)っぽい製品が装着済み。
冒頭で述べたように相場が下がってしまった911GT2ですが、911Rのように、このまま「落ち着く」のか、コロナ禍が過ぎ去ってしまえばまたもとどおり、もしくはそれ以上に高騰することになるのかは不明。
こればかりは成り行きを見守るしかなさそうですね。