| ポルシェ944ほど過小評価されているスポーツカーもほかにない |
さて、メカム・オークションが開催予定の競売に、美しくカスタムされたポルシェ944ターボが登場。
見ての通り普通のポルシェ944とは大きく異なり、その顔面が見たことない表情へと変更されています。
なお、この顔つきは「シュトロゼック」が911のカスタムにおいて得意としていたものではありますが、944においてシュトロゼックバージョンがあったと聞いたことはなく、さらに出品概要にもシュトロゼックと記載されているわけではないので、どうやらこれはオーナーが独自にカスタムした仕様であるようですね。※後に調べてみたら、シュトロゼックは944をカスタムしたことがあるようだ
ここまでカスタムされたポルシェ944は見たことがない
なお、もともとのポルシェ944はこんな感じでリトラクタブル(ポップアップ)ヘッドライトを装備。
ですがこの944ではそのライトを固定式に変更しているということになり、これ非常に珍しい仕様です。
ホイールやエキゾーストシステムは「クローム仕様」
そしてさらに珍しいのはホイールやテールパイプが「クローム」ということ。
こういった仕様はアメリカンマッスルやホットロッドに多く、つまり「アメ車文化」ともいえるもので、ドイツ車であるポルシェとは基本的に縁が遠いカスタムだと思います。
おそらくはいくつかのエアロパーツも追加済み。
一方でインテリアにはほとんど手が入っていないように見えるものの、メーター文字盤やダッシュボードのトリムには手が入っているようにも見えますね。
エンジンルームには相当に手を入れており、パイプ類が交換され、タンクもいくつかがアルミ製へと交換済み(エアクリーナーもむき出し)。
タワーバーが装着されて、その上には「Turbo」エンブレムが貼り付けられています。
ポルシェ944はこんなクルマ
944自体は1983年に「924と984」との中間としての位置づけにて登場したFRスポーツカー。
価格が安めに設定されていたことで「プアマンズ・ポルシェ」なる不名誉な称号を頂戴していたものの、実は当時ポルシェは「944を911の後継に」しようと考えていたとされ、実際に「(ポルシェだけではなく自動車業界全体において)最もハンドリングが優れるFR」と評価されるほどの優れた車です。
なお、が「911の後継」としてFRスポーツカーを選んだのには、「リアエンジン」では運動性能に限界がある上に制御が難しいこと、そして「大人も乗れる4座」をレイアウト上実現しにくいことが理由であったと言われますね。
ただし結果としてはポルシェファンが「リアエンジンではないポルシェを認めなかったため」、トランスアクスル採用のFRモデルとしては、この後の968を最後にラインアップ自体が消滅しているものの、「これがポルシェからではなく、ほかメーカーからの登場であれば、間違いなくそのメーカーを代表するモデルになっていただろう」というほどの実力を持っていたことは間違いなく、単に「ポルシェから発売された」のが悲運だった、としかいいようがありません。
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参照:MECUM