| シンガー・ヴィークルデザインはパフォーマンスだけではなく美しさにもこだわる |
レトロとモダンとが同居する、新種のポルシェ911レストモッド
さて、シンガー・ヴィークル・デザインは先に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに二台のシンガーDLSを持ち込んでいますが、今回はその詳細が公開に。
このシンガーDLSは、これまでシンガーがポルシェ911のレストモッドを行う過程で得たノウハウを惜しみなく注ぎ込んだ「究極のシンガー・ポルシェ」とも言える存在で、DLSとは「Dynamics and Lightweighting Study」を指しています。
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シンガー・ポルシェDLSはこれまでのレストモッドとは考え方が異なる
なお、シンガーDLSは車体こそ964世代のポルシェ911をベースにしているものの(シンガーは自動車メーカーとしての認可を受けていないので、ゼロベースでクルマを作っても登録ができない)、フレームの多くをシンガーが改良し、サスペンションやエンジンも「全く新しいものへ」入れ替えられています。
とくにエンジンについてはウィリアムズ、そしてポルシェの元エンジニアであるハンス・メツガー氏との共同開発となり、その出力は500馬力(空冷4リッター・フラットシックス)にも達することに。
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そして大量のエアを必要とするため、リアサイドウインドウからエアを吸い込むという、これまでのレストモッド、そしてポルシェが発売してきた911にも採用されないような手法が取り入れられています。
今回グッドウッドに持ち込まれた2台のシンガーDLSはいずれも納車が決まっているもので、こちらは「オックスフォード・コミッション(シンガーのクルマには、一台づつ固有の名称が与えられる)」。
ボディカラーは「オークグリーンメタリック(ポルシェの伝統的なボディカラー)、そしてシャンパンをあわせており、おそらくオーダーしたオーナーは熱烈なポルシェファンなのだと思われます。
ボディワークはフルカーボンとなりますが、見てのとおり「オーバーフェンダー」装着によって大きく車幅が拡大されています。
ボディパネルそのものが新規製造されることになるため、オーバーフェンダーでなくとも「一体成型」できそうなものですが、もしかするとシンガーは993世代の911GT2や、そうでなくとも「ほかのシンガー製ポルシェとは異なる」という主張をすべく、あえてオーバーフェンダーを選んだのかもしれません。
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ホイールは異常なまでに深いリムを持つ「フックス風」。
ただしセンターロックを採用するのもほかのシンガー製ポルシェとは全く異なるところですね。
リアサイドウインドウに設けられたエアインテークのガイドはヴィジブルカーボン、そして内側にはハニカムメッシュが貼られます。
シンガー・ポルシェDLS「オックスフォード・コミッション」のインテリアはこうなっている
そしてこちらはシンガーDLS”オックスフォード・コミッション”の内装。
ボーン・ホワイト(骨?)のベースカラーにタータンチェックを組み合わせており、この「タータンチェック」という選択もまたポルシェマニアだろうと推察される部分です。
ダッシュボードはもともとの形状をヴィジブルカーボンにて再現。
シンガーにしては珍しく「編み込みレザー」が使用されていないようですね。
タコメーターは腕時計でいうところの「アプライドインデックス」。※シンガーは自社で腕時計をリリースするなど、腕時計になみなみならぬ関心を持っている
インデックスや針のセンターには18金が使用されています。
シフトノブはメイプルウッド製。
なお、キックプレートには「Everything is important」という文字が刻印されており、どんな部分であっても(たとえ見えないところでも!)手を抜かないシンガーならではの格言です。
ちなみにリアのタワーバーはこんな感じ。
シャフトそのものはカーボン製、それを繋ぐジョイントには同社のイニシャルである「S」のロゴ入り。
マット、ポリッシュ両方の仕上げが採用され、とことんこだわるという姿勢を見ることができます。
シンガー・ポルシェDLS「ウニコ・コミッション」はこんな仕様を持っている
そしてこちらはもう一台のシンガー・ポルシェDLS「ウニコ・コミッション」。
ボディカラーはアブシンスグリーン、サイドストライプはライトグリーンのゴースト仕様、そこへ「PORSCHE」のロゴが(ブラッドオレンジにて)入ります。
インテリアはシンガー得意のブラッドオレンジ。
カーボン製シェルを持つバケットシートを装備し、やはり編み込みレザーは採用されず。
これについても、シンガーは「DLSとほかのシンガー・ポルシェとは異なる」と捉えているからなのかもしれません。
トップギアがシンガーDLSを紹介する動画はこちら
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