
| 新車販売時は約5000万円、為替差損を回避するためにユーロのみでの支払いだった |
まさかここまで価格が上がるとは誰も思わなかっただろう
さて、米大手中古車売買サイト、ブリング・ア・トレーラーにて、走行わずか750マイルの美しいポルシェ911カレラGTが190万2000ドルで落札され、これまで取引されたカレラGTの最高額を記録するとともに、同サイトにおける「最高落札額」も更新することになった、とのこと。「ブリング・ア・トレーラー=Bring A Trailerは”積車を持ってこい”という意味なので、なかなか洒落のきいた名称でもある
ちなみにこれまでに取引されたカレラGTの最高額は2021年10月の130万ドル、そしてブリング・ア・トレーラーでの最高落札額は2021年7月に記録されたメルセデス・ベンツ300SLロードスターとのことなので、これら両方を「大きく」超えたということになりますね。

ポルシェ・カレラGTの中古相場は大きく上昇中
なお、ポルシェ・カレラGTの中古相場はこの1〜2年にかけて大きく上昇しており、その理由はおそらく「最後の”ピュアな”アナログスーパーカーだから」だと見られ、5.7リッター自然吸気エンジン、そして6速マニュアル・トランスミッションという組み合わせが高く評価されているものと思われます。
ただし当時は「ロボットクラッチを持たない」として(同時期に発売され、セミATを持つ)エンツォフェラーリに比較して敬遠されることも多く、そのために1500台の予定生産台数を消化できず、2003年の発売後、3年を経過し1,270台を生産した時点でそのライフを終えることに。

しかしながらその後には「ピュアさ」が評価されてゆっくりと価格を上昇させ、そしてここ最近になって急激にその評価を上げているわけですが、これは「マニュアル・トランスミッション搭載のフェラーリ(360やF430のような)」の価格が異常に上昇しているのとよく似て今ます。

ポルシェ・カレラGTはもともとレーシングカーとして設計されている
なお、ポルシェ・カレラGTはもともとレーシングカーとして設計されており、しかし様々な事情によってレースに出場する機会を失ったためにロードカーへと転用されていますが、そのため構造については「ほぼレーシングカーのまま」。
一方で、使用されるメーターやステアリングホイールは当時のポルシェ911と同じものが採用され、エアコンなど快適装備が備わる、という一面も。

搭載されるエンジンは5.7リッターV10、最高出力は612馬力(8,000回転時に発生)というスペックを持ち、世界で最も美しいサウンドを発するエンジンのひとつに加須られます。

サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン、そしてインボード式。

ボディ形状は「タルガトップ」ということになりますが、外したルーフはフロントトランク内に収納可能となっています。

もしかすると1週間後には「新たなカレラGTの記録」が誕生するかも
なお、カレラGTのボディカラーはその多くがシルバーもしくはブラックであったといい、つまりこのレッドは「けっこう希少」。
加えてオプション扱いとなる専用のラゲッジ(バッグ)セットが付属すること、新車販売時の書類がすべて付属することも高額落札の理由だったのかもしれませんね。
このカレラGTは現時点では(上述の通り)カレラGTの最高額記録ホルダーではありますが、ブリング・ア・トレーラーにはもう一台、シルバーそして走行わずか250マイルというカレラGTが登場しており、こちらの価格は(落札まで1週間ほど残して)168万8000ドルまで上昇しており、この勢いだと今回のレッドのカレラGTの価格を軽く超えることになるのかもしれません。
