| F1参戦には様々な手続きや承認が必要とされ、かつコロコロと事情が変わるようだ |
いずれにせよ、「ポルシェ+レッドブル」が実現すればもう誰もサーキット上でそれを止めることはできない
さて、ポルシェがレッドブルの株式を50%取得することが公に。
現在これは正式なプレスリリースとして両者から発行されたものではなく、しかしモロッコの政府機関によって開示されたものだと報じられており、「(政府機関の情報公開であれば)確定」だと考えて良さそうです。
今回モロッコの政府機関がこの情報を公開したのには理由があって、まずEU圏内ではカルテル対策のために一定規模の買収が行われる際には各国の対策当局に買収案件の届け出を行い許可を得ることが必要となるそうですが、EU圏外でもその届出を行わねばならない国が20カ国以上あるといい、その一つが今回のモロッコというわけですね。
そしてポルシェとレッドブルは今回の提携(あるいは買収)の詳細をモロッコへと届け出ることとなっていて、モロッコの法律ではこれが承認されると自動的に公開されることになり、その情報を現地メディアであるコンセイユ・ドゥ・ラ・コンカーレンスが報じ、ひいては世界中に知られることとなっています。
ポルシェとレッドブルとの提携は8月4日に正式発表
そしてこの提携について、書類には8月4日に正式発表がなされる旨の記載もあるそうで、よって当日にはポルシェそしてレッドブルとによって詳細が明かされることになると思われますが、今回の提携は「10年間」という時効付きだとされ、しかしポルシェはレッドブル・テクノロジーの発行済株式「50%」というとんでもない規模を買い取ることになるのため、10年経った後に「はい、さよなら」とは(よほど社会情勢等が変動しない限り)ならないと思われます。
なお、本来であればこの発表は(3週間前に開催され、レッドブルの本拠地でもある)オーストリアGPにて発表されるはずだったといいますが、ちょっとずれてしまったのはFIA世界モータースポーツ評議会による「2026年からの新パワーユニット規定」についての決定が遅れているからだといい、これが決まらなければポルシェのF1参入も正式決定(許可)がなされないため。
ちなみにレッドブルは比較的新参ながらも「F1でもっとも強力なチームの一つ」であり、一方のポルシェは「ル・マン24時間レースでもっとも多くの勝利を挙げた自動車メーカー」。
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この二者が組むと正直もう無敵なのは火を見るよりも明らかで、そのためフェラーリ含む古参チームがこの提携を阻む、もしくはポルシェのF1参入を阻止するために2026年からの新パワーユニット規定の決定に否定的な意見を述べている、という報道も見られます(フェラーリはもちろんこれを否定しているが、内心穏やかではないはずだ)。
参考までにレッドブル、そして姉妹チームのアルファタウリは2025年までホンダ製エンジンを使用することが決まっており(当初、知財関連もレッドブルに移管されると言われたが、知財関連はホンダに残ることになったようだ。ホンダがF1撤退から一転し、再参戦を考え始めたためだと思われる)、この契約が切れる2026年から両チームに対し、ポルシェがエンジンを供給することになるのだと思われます(公開された書類にはアルファタウリへの言及はない)。
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一方のアウディは参戦が許可されるも体制が整わない
なお、体制が整っているのにレギュレーションの関係にて参戦が完全に承認されないポルシェに対し、(ポルシェと同じくフォルクスワーゲングループに属する)アウディのほうはF1への参戦が(関係する機関すべてから)承認されているものの、逆にF1参戦体制が整っておらず、当初はマクラーレンを買収してF1に参戦する計画だと報じられ、しかしこれはどうやら「流れた」もよう。
そして現在は矛先を変えてザウバーとの(株式の75%の取得につき)交渉を行っているそうですが、こちらについても結論は出ておらず、暗雲が漂っているといっていい状態かと思います。
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