｜ おそらくここまでカスタムされたポルシェ918スパイダーはほかに存在しないだろう ｜
これまでの落札記録を大幅に更新するのも理解できる「超」カスタム
さて、ホワイトのポルシェばかりが56台、そしてそのほか関連グッズあわせると500点超が出品されたRMサザビーズ主催のオークション「ホワイトコレクション」。
その中ではいくつか「（そのモデルの）落札記録」が誕生していますが、今回なんとポルシェ918スパイダーがこれまでの記録である195万ドルを上回って393万ドル（正確には3,937,500ドル。現在の為替レートだと5億8000万円）という新記録で落札されることに。
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なぜこのポルシェ918スパイダーはこれほどまでの高額に？
そこで気になるのが「いったいなぜここまでの高額落札となったのか」。
それはひとえにこの918スパイダーの特殊性にあり、簡単に言えばこの個体は「ワンオフ」だから。
ポルシェのパーソナリゼーション部門「エクスクルーシブ・マヌファクトゥア」によってカスタムがなされ、96,000ドル以上の特注オプションを備えていますが、それらオプションはポルシェがこのオーナーに対して「このオプションの内容は機密としてください。 ポルシェは、これを別のクルマで再現する能力がないため、これを他の人に提供することを望んでいません」と述べたほど。※もちろんブルメスターオーディオやフロントリフターなど、選べるオプションはほぼ盛り込まれた上での特別カスタムが追加されている
つまりはこのオーナーだからこそオーダーを受け入れたものの、実際には同様のカスタムにつき「もうこりごり」ということなのだと思われますが、基本的な仕様としては「グランプリホワイトの外装にヨッティングブルーのインテリア（ホワイトコレクションのオーナーはこのカラーコンビネーションに強いこだわりを持っている）。
ちなみに走行距離はわずか12マイル（19キロ）にとどまっており、ホワイトコレクションがオーダーした車両はいずれも極度にカスタムされた仕様を持ちながら、納車後には「ほとんど運転されていない」という共通項も持っています。
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このポルシェ918スパイダーは「ポルシェが最も高く評価している顧客」によるオーダー
ポルシェに限らず多くのプレミアムカーメーカーは顧客に「階層」を設定することで管理を行っており、メーカーが重要だと認識する顧客から順に限定モデルを割り当てる傾向にありますが、カスタム内容も「階層」によって制限されることが多く、よって階層が低ければ受けてもらえるカスタムの範囲も狭くなってしまいます。
そこへゆくとこのオーナーは「最上位」に位置する一人だと評されるだけあって「他の顧客からの依頼であれば受けないような」パーソナリゼーションが施されており、そこが高く評価されて今回の「超」高額落札となったわけですね。
この個体のシリアルナンバーは656で、納車時の価格は1,028,200ドルだといい、カスタムにかかった費用はおおよそ車両価格の25％ほど。
ヴァイザッハパッケージが装着されるほか、マグネシウムホイールが特別にホワイトへとペイントされています（センタロックホイールのロックナットには左右両側ともレッドのアクセントが付与されている）。
なお、クリーンでシンプルな外観を好むのもホワイトコレクションの特徴であり、リアの「918 Spyder」バッジはレス仕様。
カーボンパーツはサテン仕上げだと紹介されていますが、画像だとちょっと光沢が感じられるようにも。
そしてもっともお金がかかったであろうところがこのインテリアで、使用されるレザーのカラーは「ヨッティングブルー」。
パイピングやステッチによってホワイトのアクセントが再現されていますね。
ドアもカーボンファイバーにヨッティングブルー、そしてホワイト。
ステアリングホイールの12時位置にはホワイトのセンターマーク、そしてホワイトのステッチ。
メーターにはシャシーナンバー、そして本当に「走行12マイル」であることが表示されています。
そして車両に反映されるオプションの数々にも驚かされますが、この付属品の数にもびっくり。
販売前のマーケティング資料、ペイントとレザーのサンプルを含むオプション指定記録、組立ラインを通して車を記録したポルシェ発行のビルドブック、納車時の写真、納入時の保護カバー、購入契約書、2015年からの一時登録証、ウィンドウ ステッカーが、オーナーズマニュアル、レーシングハーネス、車両と同じ仕様のモデルカーにヨッティングブルーのラゲッジセット、918スパイダーのオーナーのみが購入できるレーシングスーツにシューズ、そしてヘルメットや・・・。
ポルシェデザインの限定ウォッチ、さらにはマルティニ仕様にするためのステッカーキット（未使用）などなど。
「トップ中のトップ」顧客にしか許されない仕様を持ち、これだけ多くの付属品を持ち、さらには実質的に未走行（おそらくは正式に登録されていない）となるとここまで価格が上がるのもわかるような気がしますね。
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参照：RM Sotheby's