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ポルシェが「タイカンの受注が低迷し減産を行う」との報道。たしかに現在「普通に注文でき、予定通り納車される」のはタイカンのみである

ポルシェ

| ポルシェの他のラインアップ、とくに911シリーズは”人気すぎて”納期が読めない状態に |

ポルシェはどこかで戦略を読み間違えたのか

さて、現在ポルシェのクルマはすべてが大人気で、ハイブリッド化された新型911についてもすでに受注枠が埋まりつつあるとされ、ポルシェセンターによっては「受注を締め切っている」というのが現状です。

ただしいかにポルシェのクルマが人気といえど、唯一の例外が「タイカン」であり、ここしばらくでも世界レベルで「タイカンの値引き販売」「タイカンの中古車相場の暴落」が報じられているのは記憶に新しいところ。

そして今回、ポルシェのお膝元であるドイツにて報じられているのが「タイカンの販売鈍化による生産削減」です。

タイカンは発売当初、「強い需要がある」と報じられたが

タイカンはポルシェ初の電気自動車であり、発売開始当初は「注文が洪水のように押し寄せてくる」と公式にコメントされ、その生産ラインを2倍に拡張したと報じられたことも。

ポルシェ・タイカン
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実際のところ納車が好調に進んでおり、2023年には4万台以上が納入されていますが、現時点ではほかのEVと同様にアーリーアダプターが購入した後の需要が「満たされて」しまい、受注ペースが大幅に鈍っているのだそう。

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そしてシュトゥットガルター・ナハリヒテン紙によると、「タイカンが製造されているツッフェンハウゼン工場では、この予想よりも低い需要に対応すべく、まもなく1シフト制に移行する」、そして「地元の労働組合と交渉中であり、この変更によって雇用が失われることはない」とのことで、しかしポルシェからの正式な発表はなされていないとも言及がなされています。

参考までに、ドイツでは2024年の最初の6か月間でEVの販売が16.4%減少し、さらに中国市場では(現地で製造される安価なEVの増加により)タイカンの需要が完全に冷え込んでいるとされ、タイカンの販売を回復することは容易ではないのかもしれません。

ポルシェ
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唯一の救いがあるとすれば、新型タイカンが発表されたことで、おそらくは新型タイカンの発表まで受注を控えていたユーザーもいるはずなので、ここからは「多少」その受注が回復する可能性もありそうですが、「EVの需要減退」は全世界的、かつ全自動車メーカーに関連することでもあるので、ポルシェの期待通りのレベルにまで達するのは簡単なことではないのだと思われます。

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ポルシェの「賭け」は成功するのか

上述のとおり、現在世界規模でのEVの需要減退が報告され、よって多くの自動車メーカーはEVではなくハイブリッドあるいはPHEVの開発を急務と捉えていますが、ポルシェは先日マカンEVを発売し、そして次はカイエンEV、そして718(ケイマン / ボクスター)をEV化する計画を持っているわけですね。

ポルシェ・タイカン
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現在のところユーロ7の施行内容が緩和され、自動車メーカーとしては「そこまでEVの投入を急ぐ理由」はなくなったという事情もあり、この状況においてもEV拡充を図るポルシェの姿勢については「危険な賭け」だと論じる向きも少なくはなく、タイカンの(報じられる範囲での)受注状況を見る限り、その賭けが吉と出る可能性は高くないのかもしれません。

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