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世界に1台のタイカン ターボGTが公開、ポルシェのカスタム部門が限界に挑み「最新のEVにクラシカルなディティールを融合させた」珠玉の1台

ソンダーブンシュにて仕上げたカスタム仕様のポルシェ タイカン ターボGTのエクステリア〜リア

Image:Porsche

| EVカスタマイズの限界とスイス人オーナーの執念 |

量産EVの常識を覆す、1,108馬力の完全オーダーメイド・ハイパーカーが誕生

「電気自動車(EV)はどれも同じに見えて、個性に欠ける」――。そんな既成概念を根底から覆す、究極のワンオフモデルが誕生することに。

熱狂的なポルシェのEVファンであるスイス人オーナーの情熱に応え、ポルシェのビスポーク(特注)部門である「ゾンダーヴンシュ(Sonderwunsch)」が総力を挙げて創り上げたのが今回紹介する「タイカン ターボGT」。

ポルシェ史上最強のスペックを誇るモンスターEVへとクラシックなエレガンスとパーソナルなストーリーを融合させた、「世界に1台だけ」の珠玉の一台であり、EVのカスタマイズをまったく新しい次元へと引き上げた、特別なタイカンの詳細を見てみましょう。

【この記事の要約(3つのポイント)】

  • ポルシェ史上最強EVを極限カスタム:最高出力1,108馬力を誇るフラッグシップ『タイカン ターボGT』をベースとし、ポルシェの特注部門「ゾンダーヴンシュ(Sonderwunsch)」が完全ワンオフのカスタム車両を製作
  • 湖の日の出を写した黄金のボディ:スイスのルガーノ湖に映る美しい日の出からインスパイアされた、伝説の復刻カラー「ノルディックゴールドメタリック」を身に纏う唯一無二のエクステリア
  • 伝統のペピタ柄と職人技の結晶:インテリアにはポルシェ伝統の「ペピータ(千鳥格子)」柄ファブリックを採用し、新開発された15項目以上の完全オーダーメイドパーツを散りばめた極上のキャビン
ソンダーブンシュにて仕上げたカスタム仕様のポルシェ タイカン ターボGTのエクステリア〜フロント

Image:Porsche

「ルガーノ湖の日の出」を体感する、妥協なき共同開発プロセス

今回このタイカン ターボGTをオーダーしたのは、すでにツッフェンハウゼン(つまりポルシェ)製のフル電動スポーツセダンを3台も所有しているという筋金入りのe-パフォーマンスファンであるスイス人オーナー。

彼が新型の最高峰モデル「タイカン ターボGT」の発表直後に求めたのは、単なる「高性能なEV」ではなく、自らの感性を100%具現化した1台で、インスピレーションの源となったのはオーナーの地元であるスイス・ルガーノ湖の夜明けだといい、「日の出とともに湖面が温かみのあるオレンジやゴールドに染まり、水光が揺らめく瞬間の息をのむような美しさ」と感動をクルマ全体で表現することを目指した、と説明されています。

ポルシェ本社での3度にわたる対面ミーティングと、数え切れないほどの綿密なディスカッションを経て誕生したこのクルマについて、ポルシェ・AGの製品および個別化部門担当副社長、アレクサンダー・ファビグ氏は以下のようにコメントしており・・・。

「長年にわたり、ゾンダーヴンシュ・プログラムは私たちのカスタマイズの先鋒を務めてきました。しかし、タイカンをこれほど広範囲にわたって顧客の要望通りにカスタマイズすることは、私たちにとっても全く新しい未開の領域(ニューテリトリー)でした」

ソンダーブンシュにて仕上げたカスタム仕様のポルシェ タイカン ターボGTのインテリア〜シート

Image:Porsche

さらには全30項目以上に及ぶオーダーメイド詳細のうち、半数以上が「ポルシェとしても今回初めて新開発したディテール」であり、これまでにない挑戦だったことについても触れています。

車種概要、性能・デザイン・スペックなどの特徴

この特別な「タイカン ターボGT ゾンダーヴンシュ」のスペック、そして内外装に隠されたこだわりのディテールをまとめてみると以下の通り。

タイカン ターボGT ゾンダーヴンシュ主要スペック・特徴一覧

項目詳細・特別仕様スペック
ベース車両ポルシェ タイカン ターボGT(Taycan Turbo GT)
最高出力最大 815 kW(1,108 PS) ※アタックモード/ローンチコントロール使用時の短時間ピーク出力
足回り・シャシーポルシェ・アクティブ・ライド(GT専用チューニング)標準装備
軽量化カーボンコンポーネントの多用により、タイカン ターボS比で最大75kg軽量化
エクステリアカラーノルディックゴールドメタリック(Nordicgoldmetallic)
※「ペイント・トゥ・サンプル(PTS)」特別色。1970年代の911や914にルーツを持つ伝統カラー
エクステリアアクセントフロントフード:ターボナイトカラーのポルシェクレスト
フロント&サイド:サテン・ネオジウム(Neodyme)仕上げ
ホイール:21インチTurbo GT軽量鍛造(サテンブラック×アウターリム:サテン・ネオジウム)
シートインテリアペピータ(千鳥格子)パターン(ブラック/スレートグレー)のシートセンター
ペブルグレーの上質レザー&ブラックのRace-Texサイドボルスター
「turbo GT」刺繍(モハーヴェベージュ)
ダッシュボード・加飾ペブルグレー&ブラックレザー(クレヨン&モハーヴェベージュのコントラストステッチ)
各部ペイント(シフトレバー、エアコン吹出口、ドアハンドル等):ネオジウム塗装
時計:スポーツクロノ(ハウジング&インナーリングをノルディックゴールドでペイント)
その他特別装備オレンジに光るドアシル(「turbo GT」ロゴ)、アタカマベージュのシートベルト、ボディ同色ペイントのカスタムキー
ソンダーブンシュにて仕上げたカスタム仕様のポルシェ タイカン ターボGTのエクステリア〜ボンネット

Image:Porsche

エクステリア:黄金に輝くタイムレスな美学

ボディを彩る「ノルディックゴールドメタリック」は、1970年代にポルシェが初めて採用したメタリックゴールドをルーツとする”純金を思わせる”温かみのあるイエローオレンジで、2000年代後半にタイプ997の911や987世代のボクスター/ケイマン等に採用されて以来の「復活カラー」。

そこにポルシェの高性能モデル専用のダークグレーカラー「ターボナイト(Turbonite)」、さらに上品なゴールドパウダーのような輝きを放つ「ネオジウム(Neodyme)」を効果的に組み合わせることで、いやらしさのない高貴なスポーツクラシックの佇まいを見事に完成させている、というわけですね。

インテリア:ポルシェ伝統「ペピタ(千鳥格子)」が醸すクラシカルな品格

モダンなデジタルコクピットを持つタイカンですが、シート中央部にはポルシェを象徴するファブリック「ペピタ(千鳥格子)」が奢られ、最高のコントラストを描くことに。

さらにカップホルダーのトリムには「Sonderwunsch」の文字が入った特製バッジを配し、ステアリングのスポークには露出したビスを配したカーボンファイバーを使用しており、スポーツクロノや特製の車載書類入れ、鍵のケースに至るまで、オーナーが触れるすべての部分にハンドクラフトの職人技が息づいています。

ソンダーブンシュにて仕上げたカスタム仕様のポルシェ タイカン ターボGTのインテリア〜スポーツクロノ

Image:Porsche

EV時代の到来でさらに高まる「超高級・個別化(ビスポーク)」市場の未来

近年、ポルシェをはじめ、フェラーリやランボルギーニ、ロールスロイスといったウルトララグジュアリーブランドにおいて、こうした「個別化プログラム(ビスポーク)」の需要が急増しており・・・。

なぜ今、ビスポークが必要なのか?

  1. EV時代のキャラクター差別化:電気自動車(BEV)は、ガソリン車のようなエンジン形式(V8やV12など)によるエキゾーストノートや乗り味の差別化が難しく、パワートレインでの個性を出しにくいという構造的課題が顕著に。そのためメーカー各社は「内外装のデザイン、素材、パーソナルなストーリー」をどれだけ盛り込めるかで他社との差別化を図っている
  2. クラフトマンシップへの先祖返り:大量生産の工業製品であるEVだからこそ、職人が何十時間もかけて手作業で仕上げる「ゾンダーヴンシュ」のような仕立てが”究極のラグジュアリー”としての価値を持つことに
ソンダーブンシュにて仕上げたカスタム仕様のポルシェ タイカン ターボGTのインテリア

Image:Porsche

この個体を顧客とともに作り上げた、スイスを拠点とするポルシェ・シュヴァイツAG(現地ディーラー)のCEO、ホルガー・ゲルマン氏は「ゾンダーヴンシュはスイスという国と同じく、個性、品質、そして本物のクラフトマンシップを象徴する存在」だとも語っており、今後もこのゾンダーヴンシュは”個人の創造性を具現化するプラットフォームとして”顧客からの要望を形にする都度「新しい技術を開発し、身につけることで」ますます進化を続けていくことになりそうですね。

結論:電動化された未来でも、ポルシェのパッションは不滅である

このタイカン ターボGT ゾンダーヴンシュは、単に「豪華なオプションを全部載せした電気自動車」ではなく、オーナーが幼少期から憧れたポルシェのヘリテージ(伝統のペピタやゴールドカラー)、そしてルガーノ湖の美しい情景、そして1,108馬力を発生する世界最高峰のテクノロジーが職人の手によって一本の線で結ばれたロードゴーイング・アート(走る芸術)です。

ソンダーブンシュにて仕上げたカスタム仕様のポルシェ タイカン ターボGTのエクステリア〜リア

Image:Porsche

ポルシェが挑んだこの新しいBEVカスタマイズの領域は、今後のEV市場において「クルマを所有する喜び」がどこへ向かうべきかを示す”明るい希望の光”とも言えるもので、どれほど時代が変わろうとも「人の情熱」を形にするポルシェのモノづくり精神がある限り、いかに自動車業界にてEVシフトが進もうとも自動車愛好家の未来は安泰なのかもしれません。

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