
Image:Indecent(Instagram)
| もちろん、「考案」するのと「実際に発売できるか」どうかは別問題である |
スパイショットから噂される「911スラントノーズ」の復活
ここ数か月のスパイショットから、ポルシェが1980年代に少量生産した伝説的モデル「911スラントノーズ(フラッハバウ、あるいはフラットノーズ)」を現代風に復活させようとしている可能性が浮上しています。
しかし、このモデルが市販化されたとしても(おそらくは超限定モデルとなるため)入手は困難であることが予想され、価格も相当なものになるのは間違いありません。
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チューナーIndecentが先手を打つ
そして「本家」ポルシェ911スラントノーズを待ちきれない人に示される解決策がポーランドのポルシェ専門チューナーIndecent(インディーセント)によるコンプリートカー。
彼らは独自の「スラントノーズ」プロジェクトを進行させており、Indecent 020と名付けられた、以下の仕様を持つモデルを開発中であることをSNSにてアナウンスしています。
- ベースはポルシェ911(997または991世代)
- ヘッドライトは従来のリトラクタブル式や小型ライトではなく、フロントバンパー下部に配置
- フェンダーは前後とも大幅にワイド化
- カーボン製スワンネック式リアウイング
- オーリンズ製サスペンション、カーボンセラミックブレーキを装備予定
- 駆動方式は後輪駆動
まさに「ポルシェ純正ではあり得ない(ただ、ときにポルシェは想像を超えるモデルを純正として発売してくる)」大胆な解釈のスラントノーズではありますが、もしこれを実現できるのであれば、けっこう魅力的な選択肢となりうるのかもしれませんね。
参考までに、同社はこれまでにも997世代の911をベースとしたカスタムカーを多数リリースしており、一定の技術を保有しているのだとも考えられ、その実現性には期待がかかります。
スーパーチャージャー搭載で600馬力
Indecent 020はポルシェ純正のターボ仕様ではなく、スーパーチャージャーを追加するとも説明しており、排気量3.8リッターのフラット6をベースとして最大出力は600psへと引き上げられています。
これは、
- 997ターボSの530馬力
- 991ターボSの580馬力
を大きく凌駕する数字でもありますが、「ターボ」ではなくスーパーチャージャーを組み合わせるのは「ハードルの低さ」「コストの安さ」という実現可能性を考慮したものだとも推測でき、となるとこれはインディーセントは”本気”でこのインディーセント020を投入しようとしている事実を示す例なのかもしれません。
なお、トランスミッションには7速マニュアルが組み合わされる予定だとアナウンスされています。
インディーセントによるポルシェ911「フラットノーズ」は年内に完成予定
インディーセントによれば、現在すでに車両の開発が進行中で、数日内に新たなレンダリングを公開予定だといい、さらには年内に実車がお披露目される見込みであることにも言及していて、これが実現するならば大きな話題を呼ぶこととなりそうです(ただ、ポルシェからの警告等によってプロジェクトが頓挫あるいは変更される可能性もある)。
スラントノーズの歴史
ポルシェのスラントノーズは1982年に登場し、当時大人気を博したレーシングカー「ポルシェ935」にインスパイアされたデザインです。
935は空力向上のため、ポルシェ911の特徴的なカエル目ヘッドライトを廃止して低く寝かせたノーズを採用していますが、ポルシェはこれを市販バージョンの911ターボに「オプション」として導入。
しかしこれは「一旦完成した911ターボを分解して再構成していた」ため、新車価格の60%ほどのコストが必要であり、そのためこれを選んだオーナーは「ごくわずか」にとどまってしまい、結果としてスラントノーズを持つポルシェ911ターボは「超希少車」となったわけですね。
そしてポルシェは2018年、911 GT2 RSをベースに77台限定の「スラントノーズ」を持つサーキット専用モデルとして「935」復刻。
そして今年は「Flachbau(フラッはバウ)」「Flachbau RS」の商標も新たに出願しており、近い将来、このフラットノーズの復活が期待されている、というのがいま現在の状況です。
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参照:The Indecent