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BYDがポルシェの対抗馬として投入したEV「Denza Z」が意外と売れているもよう。24時間で1000台超の受注を獲得したことが明らかに

BYD DENZA Z(グリーン、スパイダー)のフロント

Image:Denza(BYD)

| ポルシェを震撼させる超高性能EVハイパーカーの実力とは |

ポルシェ、フェラーリを射程に収める「1,582馬力の中国製ハイパーカー」が、世界に衝撃を与える

「中国製EV=実用的で安価なシティコミューター」という時代が完全に過去のものとなりつつあり、現在「世界で最も速いクルマ」はブガッティでもケーニグセグでもなくBYD「U9」。

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そしてこのBYDはハイエンドブランドとして「Denza(デンツァ)」を展開していますが、先日イギリスにて開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にて電動スーパーカー「Denza Z」をワールドプレミアしたばかりです。

そしてBYDはここから間を置かず、中国国内で2026年7月13日に先行予約を開始したところ、わずか24時間で1,000台を超えるオーダーを獲得するという”スーパーカー市場としては異例のスタートダッシュを決めた”ことが明らかになったわけですね(中国市場ではセダンとSUVの人気が高く、伝統的にスポーツカーの販売台数が多くはなく、その中での”1,000台”は悪くない結果である)。

驚異の「1,582馬力(1,180 kW)」というハイパースペックと、超高速充電テクノロジー。伝統的なプレミアムスポーツカーブランドすら震撼させる、この新型エレクトリックスーパーカーについて「おさらい」してみましょう。

BYDの高級ブランド、デンツァ「Z(グリーン)」のヘッドライト

Image:Denza(BYD)

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【この記事の要約(3つのポイント)】

  • 異次元の1,582馬力&0-100km/h=1.96秒:BYDのプレミアムブランド「Denza(デンツァ)」が、新型電動ハイパーカー『Denza Z(デンツァ Z)』をグッドウッドで発表。予約開始24時間で国内1,000台以上の受注を記録。
  • 世界初の3大先進テクノロジーを搭載:3モーター独立制御の「e³(イースリー)プラットフォーム」、応答性10ms以下の電磁流体サスペンション「DiSus-M」、さらに5分で急速充電可能な「15-in-1統合ユニット」を初採用。
  • ニュルアタックと世界展開への布石:今秋にはドイツのニュルブルクリンク・ノルトシュライフェで市販EV最速ラップに挑戦予定。欧州をはじめとするグローバル市場へ本格侵攻を開始。

なぜDenza Zは、わずか1日で1,000人超のセレブを魅了したのか?

中国で「セダン」「SUV」が好まれるのは「実用性」が大きく関係しており、都市部では駐車場を確保することが難しく、農村部では所得が低いといった問題から「複数台のクルマを持つ」ことが一般的ではなく、よって「実用的な」セダンそしてSUVに人気が集中するというのが現在の中国です。

つまるところ「スポーツカーは」二の次の選択で、かつ「複数台所有できる裕福な人」しか購入しないというセグメントであり、必然的に販売台数が少なくなってしまうのですが、今回の驚異的な受注劇の背景には、Denza Zが掲げる圧倒的なバリュープロポジション(価値提案)がある、とされています。

BYD DENZA Z(クーペ、ブルー)のフロント

Image:Denza(BYD)

このデンツァ Zシリーズのデザインを担当したのはかつてアウディやランボルギーニ、アルファロメオのチーフデザイナーを歴任した巨匠ヴォルフガング・エッガー氏が率いるデザインチームで、「Pure Emotion(ピュア・エモーション)」と呼ばれる、低くワイドで官能的なシルエットをこれらに与えることに成功しています。

加えてこのデンツァ Zは単に「直線が速いだけのEV」ではなく、サーキットでの極限状態を走り切るための世界初の技術がふんだんに盛り込まれていることも注目に値し、実際にニュルブルクリンクを走行する姿も目撃されているという状況。

そしてこういった「今までの中国製スポーツカーにはない」デザインそしてパフォーマンスが現地の目の肥えたスーパーカーコレクターたちの心を揺さぶったのだと考えられ(あるいは愛国心を刺激した)、そこで今回の成果に結びついたのかもしれません。

BYDの副社長であるステラ・リー氏は、グッドウッドの会場にて次のように強調しており・・・。

「私たちはただクルマを輸出しているのではない。グローバル市場において、技術力とエモーションに裏打ちされた真のプレミアム・ブランド・アイデンティティを確立しようとしている」

さらに同社はデンツァ Zを引っ提げて2026年秋にドイツのニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ(北コース)に乗り込み、市販EVとしての世界最速ラップ記録に挑戦することについても明言していて(現在ニュルブルクリンクを走っている個体は開発中のプロトタイプだと思われる)、その本気度は並々ならぬものであることもわかります。

車種概要、性能・デザイン・スペックなどの特徴

デンツァ Zはクーペ(Coupe)、オープン仕様のスパイダー(Spider)、そしてサーキット向けのレーシング(Racing)の3つの仕様がラインナップされており、その突出したスペックを表にまとめると以下の通り。

Denza Z スペック・価格一覧

項目クーペ(Coupe)スパイダー(Spider)レーシング(Racing)
中国予約価格68万元(約1,470万円)78万元(約1,680万円)118万元(約2,550万円)
英国・欧州価格142,900ポンド(約2,850万円)159,900ポンド(約3,190万円)172,900ポンド(約3,450万円)
最高出力1,180 kW / 1,582 hp(システム合計)
最大トルク1,240 Nm
0-100km/h加速2.25秒2.30秒1.96秒
最高速度300 km/h300 km/h350 km/h
駆動方式e³プラットフォーム(フロント1基・リア2基の3モーターAWD)
バッテリー容量76 kWh(第2世代LFPブレードバッテリー)
航続距離 (WLTP)410 km400 km380 km
主要テクノロジーDiSus-Mサスペンション、15-in-1統合ユニット、5分急速充電チタン製/カーボン空力パーツ
BYD DENZA Z(クーペ、スパイダー、レーシング)

Image:Denza(BYD)

走りを激変させる「3つの世界初テクノロジー」

  1. e³ プラットフォーム:フロントに1基、リアに2基のモーターを配する3モーター独立制御システム。内輪・外輪のトルク配分を毎秒数千回レベルで最適化し、ステア・バイ・ワイヤシステムと組み合わせることで「信じられないほどの」旋回Gを発生させる
  2. DiSus-M サスペンション:世界で初めて磁性流体(MR)ダンパーを電動スーパーカーに採用。磁界によってオイルの粘度を10ミリ秒(100分の1秒)以下で瞬時に変化させ、ロールやピッチを物理的にねじ伏せる
  3. 5分間で充電完了する「Flash Charging」:15個の主要モジュールを1つに統合した「15-in-1パワーユニット」と、第2世代「CTB(Cell-to-Body)ブレードバッテリー」を搭載。超高電圧800Vアーキテクチャにより、10%から70%までの充電がわずか5分(97%まで9分)という、従来のガソリン給油に近い利便性を実現

競合比較:ポルシェ・タイカンやマセラティに肉薄する圧倒的コストパフォーマンス

Denza Zは、欧州においては142,900ポンド(約2,850万円)からというプレミアムな値付けがなされていますが、競合となる欧州製ハイパフォーマンスEVと比較すると、そのコストパフォーマンスの高さが際立っていて・・・。

  • ポルシェ タイカン ターボGT(約1,100馬力、27万ユーロ〜)と比較した場合、Denza Zはパワーで約480馬力上回りながら、価格は約3分の2に抑えられている
  • マセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレ(761馬力、約3,000万円〜)と比較しても、スペック・価格の両面でDenza Zが優位に立っていることは明白である

BYDは中国国内のみならず、すでに欧州で販売好調な高級ワゴン「Denza Z9 GT」に続き、このDenza Zを欧州およびグローバル展開の象徴(ハローモデル)として位置づけています。

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急速に構築される「超高出力フラッシュチャージャー」網とBYDの野望

EVの高性能化において唯一のボトルネックとなっていたのが「充電待ち時間」。

デンツァ Zの持つ1,500 kW(超急速)という受電能力を最大限に引き出すため、BYDはインフラ面でも大規模な投資を進めていることが明かされており、「充電設備の増強」はテスラ同様に大きな強みとなりそうですね(多くのEVメーカーがクルマを作ってい売るだけに終わるなか、充電設備を提供できるというのは大きな強みになる)。

BYD DENZA Z(オレンジ、レーシング)のリアサイド

Image:Denza(BYD)

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海外に6,000基のフラッシュチャージステーションを新設

なお、BYDは2026年3月から2027年3月までの1年間で海外に6,000基の独自の超急速充電(フラッシュチャージ)ステーションを建設する計画を発表しており・・・。

  • 欧州:3,000基
  • 南北アメリカ:2,000基
  • アジア太平洋地域:1,000基

これによってデンツァ Zのオーナーは「長距離GTツーリングの最中にバッテリー切れや充電待ちで時間を無駄にする」というストレスから完全に解放されることとなるわけですね。

BYDの海外販売シェアは2026年上半期時点で前年同期比68%増の78.9万台に達し、全販売台数の40%以上を海外市場が占めるまでに成長していて、ハードウェア(車)とインフラ(充電網)をセットで輸出する戦略こそが「BYDがテスラや欧州プレミアム勢を最も脅かす理由」ということになりそうです。

結論:Denza Zは「EVハイパーカーの民主化」を推し進める記念碑的モデルである

数年前であれば、「1500馬力オーバー、0-100km/h加速1秒台」のハイパーカーを所有するには数億円の予算と特別なコネクションが必要であり、しかしデンツァ Zはその異次元のパフォーマンスを量産メーカーとしての圧倒的なスケールメリットを背景に「数千万円クラス」で提供することに成功しています。

よってこれは単に速いEVが売れたという話ではなく、ハイパーカーという雲の上の存在だったカテゴリーのゲームチェンジャー(破壊者)が誕生したことを意味しており、今秋に予定されているニュルブルクリンクでのアタックでどのようなタイムを叩き出すのかという「結果」次第では欧州勢ふくめ高級スポーツカーメーカーの勢力図が完全に塗り替えられることになるのかもしれません。

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参照:CarNewsChina

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