| こんなに長く見えるクルマも珍しい |
先日、内部からと思われるリーク画像がネット上に登場して騒然となった「アルテオン・ワゴン」。
今回はそのアルテオン・ワゴン(実際の名称は不明)が路上を走る姿が目撃されていますが、その見た目が「異常に長い」と話題に。
なお、アルテオンは全長4865ミリという長さに比較し、全高がわずか1435ミリしか無く(全幅は1875ミリ)、その低さが車体をさらに長く見せているのかもしれません。
加えて、リアサイドウインドウもかなり長いデザインを持ち、グラスエリアそのものが長いという事実も関係していそうです。
なぜフォルクスワーゲンはアルテオンのワゴンボディを?
そこで気になるのが「なぜフォルクスワーゲンはアルテオンのワゴン版を開発しているのか?」。
アルテオン自体のセールスはさほど好調ではないと伝えられるものの、その状況においてバリエーションを拡大する必要があるのかどうかということですね。
加えて、北米市場においてワゴン人気は非常に低く、2019年だとアメリカ市場1705万台の販売のうち、ワゴンが占めたのはわずか1.26%。
更にそのうちの80%がスバル・レガシィ・アウトバック、残りも「ボルボV60/V90クロスカントリー」であったり「アウディA4/A6オールロード」が多くを占めたりと、つまりは”アウトドア風味”のワゴンしか売れていなという様相も。
加えてポルシェ・パナメーラのワゴン版、スポーツツーリスモですらアメリカ市場で苦戦していると報じられ(発売時には、なぜアメリカで不人気なワゴンをわざわざ発売するのかとも言われた)、とにかく北米だとワゴンは売れていないという現状があるようです。
一方で欧州市場だと、”まだ”比較的ワゴンが売れているとも聞くものの、フォルクスワーゲンが満足するほど市場が大きくないと思われ、ますます「アルテオン・ワゴン」投入の意図を読みかねるところ。
アルテオン・ワゴンはこれまでワゴンを買わなかった人向け?
そこで思うのが、わざわざこういったスタイリッシュなワゴンを発売するということは、フォルクスワーゲンは「アルテオン・ワゴンを、生活に密着した”荷物がよく乗る”クルマとしてではなく、セダンでもない、ワゴンでもない新しい乗り物として売ろうとしているのではないか」ということ。
つまり4ドアバージョンのアルテオンがそうだったように、フォルクスワーゲンは”新しいジャンル”を切り開きたいのかもしれないということですが、フォルクスワーゲンは正攻法だとどうやってもメルセデス・ベンツ、BMW、アウディに対してプレミアムカー市場で力を発揮できず、しかしプレミアムカーを販売しないと利益を伸ばせず(ポロやゴルフは利益が薄く、他社との競争も厳しい)、よって「視点を替えた」クルマでジャーマンスリーの隙を突くつもりなのかもしれません。
なお、アルテオン・ワゴンは中国市場を視野に入れているとも考えられ、フォルクスワーゲンは中国にて Viloran、 C-TREK蔚领、Golf 旅行轿车 、Gran Lavida、 蔚揽旅行轿车、 浩纳という6種類のワゴンを販売しており、あらゆるワゴンをラインアップすることにより、ワゴン市場にて覇権を握りたいのだろう、とも考えています。
VIA: Wilcoblok