| 当時、このシリーズはけっこうなインパクトがあったようだ |
さて、コロナ禍にてクラシックカーバブルも一息つき、落札金額に足踏みが見られるとも言われますが、今回は「戦後のアルファロメオでの最高落札額」が更新されることに。
今回RMサザビーズ開催のオークションにて落札額を更新したのは「アルファロメオ・ベルリナ・エアロダイナミカ・テクニカ・コンセプトカー(Alfa Romeo Berlina Aerodinamica Tecnica concept car、通称B.A.T.)の5号車、7号車、9号車。※つまり3台セット。
その価格はなんと14,840,000ドル、つまり日本円に換算すると15億5000万円ということになりますね。
今回の開催はオンラインにて
なお、今回のオークションが開催されたのは「オンライン」。
もちろんコロナウイルスの影響によるものですが、このオンラインオークションも(実車をみることができないので)価格が上がりにくい要因と言われ、そういった状況を鑑みるに今回のアルファロメオ・ベルリナ・エアロダイナミカ・テクニカ・コンセプトカーの記録には大きな価値があると考えられます。
参加はもちろん世界中から行われており、アクセスも過去最高レベルであったとも報じられていて、いかにこの車に対する注目度が高かったかもわかりますね。
これらアルファロメオ・ベルリナ・エアロダイナミカ・テクニカ・コンセプトカーはベルトーネのデザインによるもので、デビューはそれぞれ1953年、1954年、1955年。
つまりこのシリーズは数年にわたり製造されたということになり、当時は相当にインパクトがあったのかもしれません。
こちらの個体は見た感じ「バットモービル」。
フロントだと三つの突起、前後ホイールハウスのカバー、バブル状のキャビン、フィン状のリアフェンダー等の共通性を持つものの、それぞれ微妙にデザインが異なるようですね。
こちらは盾型グリルのせいもあり、もっともアルファロメオらしいデザインを持つ一台。
ベルトーネによってデザインされたクルマは高い人気を誇るが
なお、ベルトーネはかつてイタリアでもっとも強い影響力を持っていたデザインハウス/カロッツェリアのひとつ。
ランボルギーニ・ミウラ/カウンタック、ランチア・ストラトスといった名車を世に送り出していますが、2008年にその歴史を閉じています。
残念ながらピニンファリーナやイタルデザイン(ジウジアーロ)のように買い手がつかなかったためですが、その作品については非常に高い価値がつけられており、今回のように高値で落札されることもしばしば。
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参照: RM Sotheby's