Image:FIAT
| フィアット500eは登場時から「価格が非常に高く、しかしその割に走行距離がかなり短い」ことがわかっていたはずであるが |
むしろこれが「売れる」と踏んだ理由を知りたいものである
さて、フィアットそしてその親会社であるステランティスが「苦境に立たされている」ということが連日のように報じられていますが、今回は(すでに生産を一時停止していた)500eの生産停止措置を11月1日まで延長すると発表。
なお、ステランティスはマセラティの販売が半減し、アメリカでも(これまで好調だった)ジープそしてダッジについても販売が急落してしまい、カルロス・タバレスCEOがその責任を追求されているという状況です。
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フィアット「すみませんが、間違ってました。もはや500eを買う人は誰もいません」。生産を1ヶ月停止し、BEVに加え急遽ハイブリッドを投入すると発表
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フィアット500eは「3週間」生産休止を延長
もともとフィアットは9月12日に500eの生産を停止し、イタリア・ミラフィオリ工場を4週間休止する予定であったものの、今回その休止期間がさらに3週間延長され「11月1日」とされることに。
この決定は「電動車市場が深刻な問題を抱えている」と労働組合に伝えたのちに行われたもので(つまり労組に理解を求めたのだと思われる)、しかしフィアットはこれに先駆け「完全電動モデルに移行する予定であった500につき、その方向性を見直してハイブリッドモデルを投入する」と発表しており、今後フィアット500のリブートに力を注ぐことになりそうです。
Sometimes your New 500 reads your mind: enjoy the sounds you want to hear at your favourite panoramic spot. 😌 pic.twitter.com/nynelkBjq0
— Fiat (@fiat) September 21, 2022
参考までに、フィアット500は一時期大きなヒット商品となり、ピークであった2012年には46,999台を販売するものの、2024年には大きく販売台数が減ってしまい、北米の上半期ではわずか470台(500e)しか登録されておらず、その原因は単に「競争力がないから」。
航続距離が短く、価格が高く、そしてより「安い値段で」より大きく長い距離を走行できるヒョンデ・コナなどのEVを購入することができ、消費者としてはフィアット500eを購入する意味を見いだせないのだと思われます。
よって、EVバージョンに加え「(より安価な)ハイブリッド」を加えることにより状況を変革することも期待できそうではありますが、もしかすると「少し手遅れ」であったのかもしれません。
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参照:Reuters