| フェラーリ458チャレンジの行動仕様はこの一台だけ |
世界に一台とされる、フェラーリ458チャレンジ(フェラーリ458のワンメイクレース用車両)を公道走行可能な仕様にコンバートした車両が走行する様子を収めた動画。
458チャレンジはもちろん(ロードカーの)フェラーリ458をベースとしているもの、レース用にチューンされており、外観は似ていても中身は「別モノ」。
なお、458の後継モデル、488チャレンジはこんな感じ。
https://intensive911.com/?p=94483
レース用車両は根本的に公道用のクルマとは異なる
ベースとなる458イタリアと、レース用の458チャレンジとでは具体的な「差異」が公表されていないので把握することはできないものの、とりあえずサスペンションが強化されたり、エンジンやトランスミッション、サスペンションのマウントがダイレクト化されたり、ダウンフォースが強化されたり、内装が全部取っ払われたり、というのは容易に想像できるところ。
動画を見ると、この車両のサイドウインドウは「ハメ殺し」で、かわりに小さなスライド窓が設けられていること、レース用の給油口を装着していること、ハブがセンターロックとなっていること等がわかります。
そして、それらの部分は「市販モデルと同じ仕様に戻さず」レース仕様のまま乗っている、というとになりますね(わざわざ458チャレンジを選んでいる時点で”戻す”理由もないのですが)。
駐車場から道路に出る僅かな段差でもけっこう車体がギシギシと音をたてており、これはピロボールが出す音だと思われます(以前にぼくは、フェアレディZ32で足回りをピロマウントに変更して後悔したことがある)。
目撃されたのはニュルブルクリンク近郊とのことで、このオーナーさんは日常性よりもサーキットでの性能を重視したのだと思われますが、助手席から連れの女性が降りてきているので、「普段使い」としても乗っているのかもしれません。
なお、こういったレース用車両を公道用として登録するにはハードルがいくつかあり、まずは「法規」。
保安部品や、その国の道交法に該当する法規に適合する必要があるということですね。
そして「登録」の問題があり、これはメーカーがガス検などの書類を出さないとまず登録不可能。
多くのメーカーではこの458チャレンジのようにレース用の車両を販売していますが、ほとんどの場合は登録用の書類を発行しないので登録不可。
これには様々な意図があると思われますが、「一回でもレースに出たら書類を出す」メーカーもあるようで、レース用の車両なのだからレースに出ろということなのかもしれません(メーカー主催のワンメイクレースであれば、出場によってエントリーフィーがメーカーにも入ってくる)。
今回の458チャレンジにしても「どうやって書類を得たのか」は不明ですが、こうやって登録できたとしても「保険」といった問題もあり、レース用車両を公道用にコンバートするのは様々な障壁があって、それでもコンバートする、という熱意には頭が下がります。
それでは動画を見てみよう
こちらが世界に一台、公道走行可能なフェラーリ458チャレンジがパーキングエリアに入ってきては走る申動画、「The Only Road Legal Ferrari 458 Challenge in the World!」。
アイドリングや低速での音は意外や小さく、かつターボエンジンのようなくぐもった音(458のエンジンはNA)。
しかしながらいったん走り出して回転数を上げると往年のF1マシンのような甲高い音を発しており、これぞフェラーリミュージック、といった印象です。