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メキシコ政府がナイス判断。「奪われた人々へ」返還することを目的にランボルギーニなど高級車を競売にかけ、収益金にて貧困層の救済を開始

2019/05/25

| 壊すのではなく「与える」ことが重要だと思う |

メキシコ政府が、「犯罪者から押収した」クルマ82台を競売にかける、と発表。
これら82台の中にはランボルギーニ・ムルシエラゴ・ロードスター、シボレー・カマロ、フォードF-150、そのほかコルベットやメルセデス・ベンツ、BMW、マスタング、ポルシェ、さらにはMINIやフィアット500、フォルクスワーゲン・ビートルなど多種多様なクルマが含まれています(動画に出てくる)。

政府は貧困層救済のために新組織を立ち上げ

今回開催されるオークションの目的は「貧困層の救済」であり、だれでもオークションには参加でき、入札はなんと5ドルから可能、と報道されています。

そしてもうひとつの目的としてはやはり「犯罪者の末路はこうなる」ということを知らしめることがあると思われ、その意味では「ランボルギーニ」や「5ドル」はかなりインパクトがありますね(そのぶん拡散されてニュースになりやすい)。

なお、オークションを担当するのは政府直轄の新組織「Institute to Return What Has Been Robbed to the People」。
つまりは「奪われたものを人々に戻す」ことを目的としたもので、なかなかに社会貢献的意義が大きそうなプロジェクトです。

今回のオークションでは、およそ1億7000万円程度の収益をあげられるのではと見込まれていますが、発表された内容を見るに、今後はクルマ以外の(押収された)ものもこの「Institute to Return What Has Been Robbed to the People」へと帰属し、どんどん競売にかけられてゆく模様(第二弾として住居、第三段では宝石類がオークションにかけられる予定)。

今回の収益金については、メキシコ南部の貧困地区の救済に充てられることになり、その結果として多数の人が救われるというのは素晴らしいことだと思います。

ただ、犯罪者から押収したクルマに乗るというのは「縁起の面でちょっと」というものがあり、加えて、もしスーパーカーを落札して乗っていたりすると、その前所有者(麻薬組織のボス)と間違われて襲われたり、その組織からなんらかの報復を受けたりしそう。

その意味では、関わりの薄い海外に出してしまうほうがいいのかもしれません。

「押収した財産」の対応は各国で様々

なお、こういった「犯罪者から押収したもの」の扱いは国によって様々。

イタリア(ローマ)では、犯罪者から押収したフェラーリ458スパイダーをパトカーに転用し、その経緯を明らかにすることで犯罪抑制効果を狙ったことも。

フィリピンでは麻薬撲滅キャンペーンの一環として、麻薬組織から押収したスーパーカー、スポーツカー、高級車をブルドーザーで潰してしまうというデモンストレーションも。
ただ、これは「ダメ。ゼッタイ。」のアピールにはなるものの、誰かが救われるわけではなく、廃棄物が増えたり、希少なクルマが世界から減ってゆくだけなので、もっと「プラスになる」方法を考えてほしいところですね。

日本だと「官公庁オークション」が有名ですが、この中に「犯罪者から没収したもの」が含まれるかどうかは不明。
イメージとしては「税金のかわりに徴収した」不動産や動産が多いのでは、という感じです。

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