| ワンオフモデル製作依頼は増加傾向 |
現在フェラーリの車種構成について、F8トリブートや812スーパーファストが該当する「SPORT」、そしてGTC4 Lusso/GTC4 Lusso T、ポルトフィーノで構成される「GT」、先日発表された「モンツァSP1/SP2」等の超限定モデルをリリースしてゆく「ICONA」、488ピスタのようなスペシャルモデルが核となる「スペシャルシリーズ」で成り立っていますが、それ以外に「フォーリ・セリエ」つまりシリーズ外と呼ばれるワンオフモデルが存在します。※販売比率でいうと「SPORT」が50%、「GT」が40%、「ICONA」が5%、「スペシャルシリーズ」が5%
「フォーリ・セリエ」にはこんな車がある
このワンオフとは、先日公開された「P80/C(香港の顧客によって制作された)」に代表される、顧客の要望によって製作されるモデルを指し、いずれかの現行モデルをベースに、内外装、ときにはエンジンまでをも載せ替えて作られる「特別な」クルマ。
フェラーリP80/C発表!目的は「究極のパフォーマンス」、フェラーリのワンオフモデル史上もっとも長い時間をかけて作り上げた「これ以上はない」エクストリームな一台
そのほかには「色違いで」二台が作られたSPJ3Cも。
こちらはF40をイメージした、SP38「デボラ」。
458スペチアーレベースの「458MMスペチアーレ」。
そのほか「SP30」、エリック・クラプトンが注文した「SP12EC」、SP275 RW Competition、そのほかには458イタリアに「ラ・フェラーリのV12エンジンをスワップした」ワンオフモデルも。
なお、この「ワンオフ」については「1台だけ」というわけではなく、一連の限定モデルとして生産されたものも含まれ、F12TRSやセルジオ、F60、日本市場限定で発売された「J50」も該当します。
ワンオフモデルを注文できるのは一握りの人だけ
そしてこれらワンオフモデルですが、当然「お金があれば注文できる」わけではなく、フェラーリのマーケティング部門のボス、エンリコ・ガリエッラ氏によると「大量のお金をフェラーリに投じた人だけ」が注文でき、そのVIP顧客の数はわずか250人程度、とのこと。
たとえばF12tdfや488ピスタは、「若く、ネット上での影響力があれば」フェラーリの購入履歴がない人でも購入可能であったとされますが(以前、限定フェラーリの購入条件は保有台数や購入履歴だった)、ワンオフモデルは「これまでの実績」がモノを言うようですね。
フェラーリによると、この「ワンオフモデル」を注文できるのは250人ながらも、自分の番が回ってくるまでには「5年待ち」。
2017年の時点では「3年待ち」とコメントしていたので、このウェイティングリストはどんどん伸びているということになりそうです。
ちなみにこのワンオフフェラーリの価格は250万ユーロ(約3億円)から、とも報じられています。
なお、限定モデル含め、どの顧客がワンオフモデルを購入する資格があるか、そして限定モデルを購入する資格があるのかをジャッジするのもエンリコ・ガリエッラ氏。
同氏は、山のように押し寄せる購入希望のほとんどに「NO」をつきつけるため、「ドクターNO(007”ドクター・ノオ”をもじったもの)」とよばれているようですね。
限定モデルはあらたな「有望ビジネス」
こういった「ワンオフ」モデルの製作を受けているのはフェラーリのみではなく、先日「世界最高額のクルマ」としてラ・ヴォワチュール・ノワールが報じられたブガッティも。
そして「15億円」のスウェプテイルをワンオフで製作したロールスロイスの他、アストンマーティン、マクラーレン、ランボルギーニなど多数のメーカーが対応しており、かついずれのメーカーも「その生産数を増やす」意向。
これには「ワンオフモデルの利益が厚い」ということが理由として挙げられますが、それだけ「出来合いのものには満足できない「自分だけのクルマが欲しい」という人が多いということなのだと思われます。