| あまりにその事故は痛々しかった |
イタリアはカプリ島にて開催されたフェラーリのイベント「カヴァルケード」にて、なんともハートブレイクな事故が発生。
これはフェラーリ488ピスタにフェラーリF50が追突してしまうというものですが、けっこうな速度が出ているので両者とも破損の度合いは大きそう。
ちなみに追突されてしまったのは、上の画像左上に停まっている水色のフェラーリ488ピスタの隣にいる、ブルーにイタリアントリコローレのストライプが入った488ピスタ。
不幸な事故はこうして起きた
事故の原因としては、細い道にてパレードラン中、488ピスタのドライバーがファンサービスのためかクルマを停止。
そこに後続車であるフェラーリF50が追突してしまったというもの。
なお、動画を見ると、F50はブレーキを踏んだり、ハンドル操作にて追突を回避しようとする様子が見えず、道路脇の観客に気を取られていたのかも。
とにかく、けっこうなスピードでドカンと488ピスタに追突してしまっていますが、オーナーさんたちや、周囲の人々に怪我がなかったと報道されているのがまさに「不幸中の幸い」。
フェラーリF50はこんなクルマだ
フェラーリF50はフェラーリの創立50周年を記念して349台のみが発売されたクルマ。
日本だとその購入資格は「フェラーリを6台以上所有していること」であったといわれ、そして新車時の価格は5000万円(今の相場は3〜4億円)。
エンツォフェラーリの息子であるピエロ・フェラーリ、ルカ・ディ・モンテゼーモロ、ニキ・ラウダが企画や設計に関わり、そのデザインはピニンファリーナによるもの。
コンセプトはズバリ「公道を走るF1」で、そのためにF1よろしくカーボンモノコックシャシーにエンジンを直接(ブッシュを介せず)にマウントするという手法を採用。
実際にその乗り心地も「公道を走るF1」であるとされ、F40やエンツォフェラーリといった、ほかフェラーリのスペチアーレモデルの中においてもひときわスパルタンなモデルとして知られます。
F50に搭載されるエンジンは4.7リッターV12、520馬力、そしてトランスミッションは6速マニュアルのみ。
ちなみにボディ構造は「タルガトップ」ですが、このルーフの着脱はフェラーリの認定サービス工場でないと(技術的に)できず、いろいろな意味でハードルの高い車でもありますね。
なお、フロントメンバーはアルミではなくカーボン製のように見え、他のクルマに追突してしまうとここを大きく破損することになるため、修理にはそうとうな時間と費用を要することになりそう。
一方で、追突されてしまった488ピスタはリアミッドエンジンなので、このくらいのスピードだと、デフはもちろん、エンジンに損傷が及んでいる可能性もあり、エンジンの質量に押されたリアメンバー、そしてモノコックが歪んている可能性も。
ぼくの経験だと、こういったイベントでは「前のクルマについて行こうと」ついつい車間距離を詰めがち。
そうすると今回の事故のように、不測の事態を回避できないケースも出てきます。
スポーツカーのブレーキは強力なので制動距離が短く、通常のクルマに比べて先行車が思ったよりも短い距離で止まる場合があり、そしてその際には自分の反射神経が反応するよりも前にドカンといってしまう場合があるわけですね。
よって、こういったイベントやツーリングの際には、「いつも以上に」車間距離をあけることを意識してほしいと思います。
加えて、急停止や急な車線変更など、「予測されにくい」動きもまた禁物。
イベントには凄まじい数のフェラーリが集合
なお、今回のイベント(カヴァルケード)には当然ながら相当数のフェラーリが参加。
こちらはカプリ島に渡るフェラーリを踏んだフェリーの中ですが、モンツァSP1の姿も見られます。
そしてこちらはフェラーリが公式にて公開した、カプリ島で開催されたカヴァルケードの動画。