| 乗るときにはヘルメットを忘れずに |
ジェイ・レノ・ガレージにフェラーリ328GTSコンシソ(Conciso)が登場。
これはその名称から想像できる通り「フェラーリ328GTS」をベースにしたもので、イタリア拠点のフェラーリのボディ専門ファクトリー、Bernd Michalakが1993年にワンオフにて製作したクルマです。
まずは北米のオーナーへと販売され、その後1998年にベルギーのオーナーの手に渡り、そして昨年の競売にて現在のオーナーの手に渡った、という経歴を経ています。
なお、2018年のオークションでは約1500万円にて落札されていますが、このエキセントリックなスタイリングにフェラーリのエンジンとシャシーという組み合わせを考えると、「相当にお買い得」なのかもしれません。
そのデザインは今見ても斬新
ぼくはシンプルなクルマが好きなので、正直「かなりイケてるんじゃないか」と考えていますが、このクルマはとにかくミニマム。
ボディパネルはすべて入れ替えられ、前後オーバーハングは極端に短く、ドアすらも無いというクルマ。
サイドウインドウもなく、フロントにちょっとしたスクリーンがある程度です。
その結果、標準のフェラーリ328GTSに比較すると重量は362キロ軽量化されて889キロへ。
テールランプは328GTSからの流用。
リアフォグランプはディフューザーにインテグレートされるなど、今見ても「全然古臭さを感じさせないデザイン(むしろ斬新ささえ感じる)」。
このあたりはさすが「フェラーリのスペシャリスト」ですね。
インテリアも極端にシンプルで、センターコンソールやシート、ドアインナーパネルまでもが一体化したかのようなデザインを持っています。
なお、ドアインナーパネル左右にはヘルメットを収めるスペースがあり、あらゆる部分が斬新ですね。
シートはタンカラーで、かなり「寝ている」形状。
シートベルトはサベルトの4点式を備えます。
エンジンは3.2リッター自然吸気V8で出力は270馬力。
トランスミッションは5速MT、駆動輪はもちろん後輪のみ。
なお、フェラーリのV8ミドシップモデルにおいて、308と328は「横置き」、348以降は「縦置き」です。
ちなみにランボルギーニではミウラが「横置き」、カウンタック以降は「縦置き」。
横置きは車体の重量配分を中心寄りにできる反面、トランスミッションの(リンケージの)取り回しが複雑になるというデメリットも。
カウルを開けたその「中身」、カウルの裏側も高い質感を持っていて、やはり「1500万円」というのは過小評価され過ぎなんじゃないかとも感じます。
その後はお決まりの試乗へ。
乗車姿勢はやはり「かなり寝た」ポジションとなり、独特のドラポジです。
なお、ほぼ「顔はむき出し」となり、ヘルメットを被ったほうが良さそうですね。