| 349台のうち、310台がレッドだった |
スーパーカー系ユーチューバー、The TFJJ氏が「直管仕様のフェラーリF50」がロンドン市内を走る動画を公開。
フェラーリF50は1995年から1997年の間に349台のみが生産されていますが、今回動画に収められているのは「ブラックにペイントされて出荷された、4台しなかないうちの1台」だそう。※302台がロッソ・コルサ(レッド)、8台がロッソ・バルケッタ(レッド)、そして31台がジアッロ・モデナ(イエロー)、4台がアルジェント・ニュルブルクリンク(シルバー)、4台がネロ・デイトナ(ブラック)
ちなみにF40は「全部レッド」だったと言われていますね。
フェラーリF50はあまりにハードなクルマ
フェラーリF50は、フェラーリF40の後継という位置づけで、フェラーリの創業50周年を記念して発売されたクルマですが、そのコンセプトは「公道を走るF1」だとされ、「公道を走るレーシングカー」がそのコンセプトだったF40よりももう一つスパルタン。
F40に比べて外観が丸くなったにもかかわらず、中身は超ハードに進化しており、エンツォ・フェラーリの息子(ピエロ・フェラーリ)、ルカ・ディ・モンテゼーモロ、ピニンファリーナ、ニキ・ラウダ等が関った結果、フェラーリのスペチアーレの中においてもっともF1マシンに近い一台に仕上がっています。
カーボンモノコックにブッシュ類を介せずにそのままダイレクトにエンジンをマウントするという強烈極まりない構造を持つことが特徴(サスペンションもF1風のプッシュロッド)で、エンジンもF1由来の4.7リッターV12(F1用のTip040を3.5Lから4.7リッターへ拡大)、最高出力は513馬力、トランスミッションは6速MT、最高速度は時速325キロ。
振動やノイズがF40に比べても大きく、登場後は一部で(あまりのハードさに)非難を浴びたことでも有名ですね。
ルーフの取り外しは可能ですが、サービス工場でないと着脱ができず(個人では無理。いったん外すと雨が降ってもすぐには装着できない)、F1のエンジンを積んでいるもののトランスミッションは(セミオートマチックではなく)マニュアルであるなど、F50はとにかくハードルの高いクルマ。
当時の新車価格は5000万円に設定され、購入時には(日本だと)フェラーリを6台以上所有していなければならないという購入条件が課されたと言われます。
ロンドン市内というと「渋滞が多い」というイメージがあるものの、そんな中であの「重いクラッチ」を操作しているのには頭が下がる思い。
ただ、フェラーリF50は「F1のエンジンをMTで操れる」というところが一つの魅力であるので、オーナーにとっては「MTだからこそイイ」というところなのでしょうね。
なお、かなり最低地上高が低くフロントを擦りそうですが、ホイールや、タイヤとボディとのクリアランスを見るに「ノーマル車高」だと思われます。
ほかのクルマに混じってフェラーリF50が走行している姿を見ると「とんでもなく低く」見え、実際にその全高はわずか1120ミリにとどまり、これはランボルギーニ・アヴェンタドールよりも16ミリ低い数字。
全長は4480ミリ、全幅は1986ミリ、車体重量はドライで1230kgというスペックです。
インテリアは見ての通り非常にシンプル。
実際のところ、F1マシンのコクピットを拡げ、ガワを被せたクルマというイメージです。
VIA:TheTFJJ