| 30年以上前のクルマ、そしてクラッチ操作が必要なクルマでこのタイムは悪くない |
なかなか珍しい、フェラーリF40とフェラーリ488ピスタ・スパイダーとの加速競争動画が公開に。
F40のような希少なモデルをこういった加速競争に持ち出すことは珍しく、ほとんどのオーナーは「保存状態」に入っていると思われ、乗り出したとしても”流す”程度だと思われます。
フェラーリF40はこんなクルマ
フェラーリF40は1987年に登場しており、いずれかの市販車をベースにしたのではなく、専用設計を持つスペシャルモデル。
「そのままレースに出ることができる市販車」というコンセプトにて、スペースフレーム+半モノコック構造の車体にV8ツインターボエンジンを搭載し、コンポジット製ボディパネルを被せただけというスパルタンなクルマです。
製造は1987-1992年、エンジンは2.9リッターV8ツインターボ478HP、重量1369kg(1,250kgとするメディアもある)、0-100キロ加速は4.1秒(一説では3.9秒)、そして世界で初めて最高速が200マイル(時速322キロ)を突破した車としても知られていますね。
288GTOの次に発売されたスペチアーレではあるものの、288GTOのように「レース出場そのものを目的としたホモロゲーションモデル」ではなく、フェラーリの創業40周年を記念した車であり、いわば初の「記念限定車」。
そのために注文が殺到し、当初350台もしくは400台と言われた予定生産台数から大幅に生産台数が引き上げられ、結果的に1,311台が製造されたという記録も。
フェラーリ488ピスタ・スパイダーはこんなクルマ
そして対するフェラーリ488ピスタ・スパイダーですが、これは488スパイダーをベースとしたハードコアモデルであり、購入権を得ることが”非常に”困難なクルマとしても知られます。
搭載されるエンジンは3.9リッターV8ツインターボ/720HP、車体重量1385kg、0-100km/h加速は2.85秒。
こうやって数値だけを見ると、「ほぼレーシングカー」なF40と、電動開閉ルーフを持つ488スパイダーとの重量があまり変わらないことにはちょっとした驚きを覚えます(1250kg説からすると488スパイダーの方が100kg以上重い)。
実際に走ってみたらこうなった
なお、フェラーリF40は5速マニュアル・トランスミッションを採用しており、もちろんローンチコントロールの類も持たず、よってドライバーのスキルがモロに反映されるクルマです。
スタート時のクラッチミートはもちろん、その後のシフトアップのタイミングを図ったり、シフトチェンジや、クラッチを切ったり繋いだりといった作業ひとつひとつがタイムを大きく左右することに。
そしていざスタート!
予想したことではありますが、やはり488ピスタ・スパイダーのほうが出だし、そして加速ともに大きくリード。
実際のタイムだと0-100km/h(0-60マイル)ではF40が5.34秒、488ピスタ・スパイダーが3.38秒。
クオーターマイル(ゼロヨン)だとF40が12.74秒、488ピスタ・スパイダーが11.17秒。
30年以上前のクルマ、そしてマニュアル・トランスミッション、ローンチコントロールなし、そしてアンダーパワーということを考えると「なかなかにいいタイムなんじゃないか」と思います。
参照: Lovecars