| フェラーリ375アメリカそのものは12台しか製造されておらず、そのうち3台が「ヴィニャーレ」 |
フェラーリのロードカーの歴史において、「もっとも初期の、そしてもっともレアな」部類に属する375アメリカ・ヴィニャーレ(ビグナーレ/1954年)がRMサザビーズ開催のオークションに登場予定。
フェラーリは375アメリカについて、11台のクーペと1台のカブリオレを製造していますが、そのうちの3台がイタリアのコーチビルダー、ヴィニャーレによって架装されたという記録が残ります。
オリジナルのフェラーリ375アメリカはこんなクルマ
なお、オリジナルのフェラーリ375アメリカはこんなクルマ。
ピニンファリーナによるボディはクラシックフェラーリらしい優美な曲線にて構成されており、ヴィニャーレのボディとは全く異なるデザインを持つことがわかりますね。
ちなみにピニンファリーナによるボディには「3ウインドウ」と「5ウインドウ」版が存在する、とのこと。
フロントに搭載されるのは4.5リッターV12、出力は300馬力(コロンボの設計による)。
トランスミッションは4速マニュアル、車体重量は1150kg、最高速は250km/hというスペックを誇ります。
フェラーリ375アメリカ・ヴィニャーレはこんなクルマ
そしてこちらがフェラーリ375ヴィニャーレ。
ピニンファリーナのボディとは大きく異なり、「アメリカンマッスル」的な雰囲気すら漂わせます。
ヴィニャーレはもともと1948年に設立されたイタリアのコーチビルダーで、フェラーリのほか、フィアット、マセラティ等のボディを架装したことでも知られます。
その後、デ・トマソ、フォードへによって買収され、現在もフォードによって所有されているようですね。
リアから見てもやはりフェンダーはアメリカンマッスルっぽく、後部に向かって細くなるカーブガラスや丸型テールランプもコルベットを連想させるところ。
この角度から見ると、そのボンネットの長さがよくわかりますね。
リアウインドウがより後ろの方まで延長されることによって、さらにロングノーズが強調されているように思います。
フェラーリ375アメリカ・ヴィニャーレのインテリアはこうなっている
そしてこちらはこのフェラーリ375ヴィニャーレのインテリア。
レザーにひび割れなどが見られるものの、全体的には美しい状態を保っていると言えそう。
なおダッシュボードはボディカラー同色にペイントされているようですね。
このフェラーリ375アメリカ・ヴィニャーレはもともとアメリカのコレクター向けに販売された個体だそうですが、当時はレッドのボディカラーにブラックのルーフというカラーリングを持っており、その後ニューヨーク、ニューハンプシャー、アリゾナ、そしてオランダのオーナーの手に渡り、2009年にまたアメリカへと戻って現在の「バーガンディ+シルバールーフ」へと再ペイントされた、と紹介されています。
予想落札価格は最高で3億5000万円程度だとされ、さすがは「3台しか存在しない」フェラーリといったところですね。
参照: RM Sotheby’s, Ferrari