| ユーチューバーの評価的にスタイリングや加速、楽しさは10点満点中の「10」、しかし実用性は「1」、快適性は「2」らしい |
しかしそれが「フェラーリ」である
さて、ユーチューバーにして実業家のダグ・デムーロ氏がフェラーリの限定ハイパーカー、デイトナSP2のレビューを自身のYoutubeチャンネル上へと公開。
このデイトナSP3はフェラーリのコレクター向け少量限定モデル「ICONA」シリーズの第三弾として599台のみが販売されていますが、ラフェラーリをベースとしつつも812コンペティツィオーネ由来の6.5リッターV12自然吸気エンジンを積み、その出力は840馬力にも達します。
そして何より重要なのは「ノンハイブリッド」ということで、これはフェラーリがその価値を(バッテリーの劣化に悩まされることなく)永遠に残そうと考えたからなのかもしれません。
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フェラーリ・デイトナSP3のオプション価格は驚異的だった
そこでまずダグ・デムーロ氏はこのフェラーリ・デイトナSP3のウインドウステッカー(北米で必須となる、そのクルマの価格や燃費性能などを記載したシート)をチェックしており、これによるとまず車両本体価格は2,218,935ドル(現在の為替レートにて約3億1100万円)。
さらに驚くのはオプション金額であり、ドアサイドに描かれたスクーデリア・フェラーリのエンブレムはなんと14,341ドル(200万円)。
なお、通常だと「七宝焼き」のバッジタイプのエンブレムが装着されているものと理解していますが、この「ペイント」エンブレムは職人の手作業によるもので、そしてサイズも七宝焼に比較してちょっと大きめです。
これは(下の画像のような)昔のフェラーリのレーシングカーに”描かれていた”エンブレムを再現したもので、通常のバッジ式よりもこちらを好む人も多いようですね。
ただ、いかに職人のハンドペイントといえどこの価格は尋常ではなく、しかしこれを選んでいる人は「そうとうにこだわりのある人」であるのも間違いないかと思います。
参考までに、通常はこう(これも一部モデルではオプション扱い)。
そして次は「スペシャルカラー」で、これは18,561ドル(260万円)のオプションとなり、ボディカラー名は「ブルー・ル・マン」。
さらにレーシングリバリー(ストライプ)は35,432ドル(496万円)という驚愕のプライスですが、これは「貼り付け」ではなく「ハンドペイント」によるものであり、マスキングの際の段差が消されるなど非常に手の込んだ仕上げとなっているため。
よって、このストライプ、そして上述の手書きエンブレムを選択している車両はそれだけで「オプション700万円くらい」ということになりますね(この金額を出せば、けっこういいクルマが買える)。
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そして20インチの鍛造ホイールは8,099ドル(114万円)。
他のオプションに比較すると割安なようにも感じるものの、これは「もともといいホイールが装着されていて、これに変更することによる”差額”が114万円」だということになり、ホイールを別途購入するとすれば、また「とんでもない」金額になるのは間違いなさそう。
このほか、内装では「ヘッドレストへの跳ね馬刺繍が1,265ドル(18万円)」「カラースペシャルステッチが759ドル(11万円)」であることもわかります。
ちなみにこちらは車両(フロントトランク内)に装着される、その車両の仕様を記載したプレートですが、アップル・カープレイ、アルミ仕上げのブレーキキャリパー、カーボン製のハードトップ/ミラー/ボディアンダー、サスペンションリフター、アルカンターラインテリア等は(ウインドウステッカーに記載されていないので)標準装備、ということになりそうです。
フェラーリ・デイトナSP3のディティールはこうなっている
この動画では、ダグ・デムーロ氏が細部に至るまでデイトナSP3を見せてくれていますが、外装におけるハイライトはやはりこのフィン。
1968年のフェラーリ250 P5 ベルリネッタ・スペチアーレ、そしてテスタロッサを連想させるもので、デイトナSP3の印象を決定づけるデティールだと捉えています。
テールランプはフィンの中に仕込まれた「LEDバー」。※視認性を確保するためなのか、LEDバーの下側左右のフィン面積が大きくなっている
ルーフはデタッチャブル式で、そのサイズは比較的小さめ。
現在のフェラーリ(ミドシップモデル)ではバブル形状、あるいはラップアラウンドに近いグラスエリアを採用し、ベルトラインも高く、サイドウインドウ下辺がリアフェンダーにかけ「Jカーブ」を描いていることが一つの特徴ですが、デイトナSP3のフロントウインドウやその周辺については、512S(1970年)などレーシングプロトタイプから影響を受けている、と公式にアナウンスされています。
フェラーリ・デイトナSP3のインテリアはこうなっている
そしてダグ・デムーロ氏はインテリアについても仔細にチェック。
キーはこういった「ジッポーライターサイズ」の四角い形状です(キーホルダーを取り付ける穴はない)。
ドアはバタフライ(これも1960-1970年代のレーシングプロトタイプにインスパイアされている)、そして車体構造はカーボンモノコック。
レーシングカーさながらの様相であり、長身のダグ・デムーロ氏はかなり乗り込みに苦労しているようですね。
ちなみにシート後方にはファイヤーウォールがあり、直接の視界はほぼゼロ。
よって後方確認はカメラ、そしてデジタルミラーにて行います。
ステアリングホイールやメーター、インターフェースはローマにて取り入れられた最新世代。
ウインカーは左右のスポーク上にあるロッカースイッチにて行いますが、これは最近のフェラーリの伝統でもあり、ステアリングホイールから手を離さずに様々な操作を行えるようにしていること、そしてステアリングコラムにウインカーなどのレバーを生やすとパドルシフトの操作に支障をきたすことなどが理由だと思われます。
エアコン等の操作は静電式スイッチにて(フェラーリは意外と最新テクノロジーの採用に熱心である)。
USB端子も装備。
ギアポジションはセンタートンネル上のこういったスイッチにて。
これは航空機のスロットルレバーにヒントを得たものだといい、ローマ、ローマ・スパイダー、296GTB/296GTS、SF90ストラダーレ/SF90スパイダー、プロサングエなど一定世代以降のフェラーリ全てに採用されています(ただしプロサングエ、そしてこのデイトナSP3は専用デザインを持つようだ)。
フロントトランクの中はこう。
ちなみにダグ・デムーロ氏はこういった「ダグスコア」なる祭典シートを採用しており、これは「週末」「日常」という2つのファクターにおいて評価を行ったもの。
このデイトナSP3は「スタイリング」「加速」「楽しさ」など週末要素は(唯一の)満点、しかし「実用性」が1、「快適性」が2だったりという日常スコアが高くなく、この極端な性格がまさにデイトナSP3を端的に表しているのかもしれません。
フェラーリ・デイトナSP3の納車レビュー動画はこちら
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参照:Doug DeMuro