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世界に一台、「MTへと換装された」フェラーリ458スペチアーレ。ペダルボックスは458チャレンジから拝借、そのフィーリングはまさにレーシングカー【動画】

世界に一台、「MTへと換装された」フェラーリ458スペチアーレ。ペダルボックスは458チャレンジから拝借、そのフィーリングはまさにレーシングカー【動画】

| フェラーリ458スペチアーレは希少なクルマではあるが、1台くらいはMTが存在してもいいだろう |

独特の感覚に慣れるのにやや戸惑ったようだが、やはりこれ以上無いほど楽しそう

さて、フェラーリが世に送り出したロードカーの中でも「最高の一台」だと評されることが多いのが458スペチアーレ。

この評価についてはぼくも異論はなく、実際に運転した印象だと「もっとも(ハンドリング、加速ともに)切れ味の鋭いフェラーリである」という印象を持っています。

その印象の多くは(458イタリアにて初導入された)電制デフ、そしてターボ化されていない自然吸気V8エンジンに依存するのだと思いますが、これらをより楽しむため、より「あったらいいな」と思われるのが”マニュアル・トランスミッション”。

フェラーリ458スペチアーレをMT化するショップが誕生

そこで今回Youtubeにアップされ話題を呼んでいるのが「マニュアル・トランスミッションを積むフェラーリ458スペチアーレ」。

フェラーリは430系を最後にマニュアル・トランスミッション車を製造しておらず、458系に至っては「最初からマニュアル・トランスミッションを切り捨てた」設計を持っています。

つまり搭載されていたのはDCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)のみとなっていますが、もちろんこれは「より速く走るための唯一の選択肢である」とフェラーリが考えたため。

Ferrari-458-Speciale (7)

実際のところ、マニュアル・トランスミッションがデュアルクラッチに勝る要素はなく、たしかに458スペチアーレに関しては、そのエンジンレスポンス、クイックな回頭性に対し、マニュアル・トランスミッションでのギアチェンジは「スローに過ぎる」のかもしれません。

ただ、それは目を三白眼にしてハァハァ言いながら走る時の話であって、公道を走るに際してはその限りではないとも考えていて(それでもかなりの腕前がないと、このクルマの持つポテンシャルの片鱗だけであったとしても、マニュアル・トランスミッションを駆使してそれを引き出すことは難しいだろう)。

Ferrari-458-Speciale (8)

そして今回、この「マニュアル・トランスミッションにスワップしたフェラーリ458スペチアーレ」のレビューを公開しているのは英国在住のユーチューバー、シーン・スルー・グラス氏。

同氏は自身でもポルシェやフェラーリを所有し、これまでにも世界中を走破してきた「実際に自分のクルマで走る」系ユーチューバー。

少し前にはフェラーリ360モデナ(マニュアル・トランスミッション)にてモロッコを走破した動画を公開していますね。

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フェラーリ458スペチアーレのマニュアル化には開発を含めて3年を要する

このフェラーリ458スペチアーレのマニュアル化を行ったのはフェラーリ360モデナやと355チャレンジ・モデルのマニュアル・スワップを手がけてきた米国の会社、モディフィカータ。

つまりは豊富な経験を有するチームによってマニュアル化がなされていますが、360系/355系のように「マニュアル・トランスミッションのラインアップが存在する」モデルをMT化するのと、458スペチアーレのように「もともとMT搭載が考慮されていないクルマ」へとMTスワップを施すのはまったく次元の異なる話。

よってモディフィカータでは、この458スペチアーレの「MT化」のために使用するパーツの選定から入り、その多くは360系や430系から拝借しているのだそう(シフトノブは360モデナから流用)。

Ferrari-458-Speciale (3)

もっとも苦労したのはペダルボックスで、他世代からの流用は難しく、よっては458チャレンジからの流用となっています(458チャレンジはシーケンシャルトランスミッションを積んでおり、スタート時に使用するクラッチがある)。

クラッチは一番左にある黒いペダルにて操作を行います(画像ではちょっとわかりにくい)。

Ferrari-458-Speciale (9)

もちろんセンタートンネルはシフトノブやリンケージを収めるためにまるごと作り直され、これらの開発期間はなんと3年を要した、とのこと。

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そしてシーン・スルー・グラス氏はこの「世界に一台」とされるマニュアル・トランスミッションを搭載するフェラーリ458スペチアーレをドライブするためにイギリスから米国コネチカット州へと飛ぶことに。

なお、最初はその(レーシングカーから拝借した)ペダルフィーリングに戸惑うことになり、まずは「クラッチペダルのストロークが短く、それでも踏み込んでいってようやくフロア付近で切り離しや接続がようやく可能となる」という洗礼を受け(たしかにフロア近くで繋がるのはちょっと嫌だ)、その後はブレーキブースターのないブレーキペダルの感覚にも面食らうことに。

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(チャレンジ車両含め)マニュアル・トランスミッションにて走らせることを想定していないクルマにマニュアル・トランスミッションを積むので改装、そして運転とも一筋縄ではゆかなさそうですが、それを乗り越えたときにはデュアルクラッチでは得られない「人とクルマとの一体感」が得られるのかもしれませんね。

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マニュアル・トランスミッションに換装されたフェラーリ458スペチアーレを運転する動画はこちら

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参照:Seen Through Glass

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