| フェラーリが12 Cilindriにて「クラムシェル」フードを採用したことには最大限の賛辞を贈るべきである |
正直、まさかここまでのクルマが出てくるとは予想だにしなかった
さて、フェラーリは衝撃の12Cilindri(ドーディチ チリンドリ)を発表したところですが、このスーパーカーはぼくにとって衝撃的であり、それは「フェラーリが明確に次の次元へと進んだことを示すクルマ」だから。
そのデザインは過去にインスピレーションを求めつつも未来へと進むもので、ひと目見てこのクルマに採用されるテクノロジー、そしてデザインや製造・仕上げのクオリティの高さを感じさせるものとなっていると考えてよく、ここでぼくがそう思う理由を見てみましょう。
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フェラーリはついに「網」グリルから脱却
まずぼくが12 Cilindriにおいてもっとも「進化した」と思うのはそのグリル。
なんだそんなことかと思うかもしれませんが、これは「自分がフェラーリを所有し」「ほかのスーパーカーと並べたとき」すごく気になる部分だと感じているわけですね。
そして画像を見る限りだと、12 Cilindriのグリルは「品質が高そうなハニカムメッシュ」。
そしてこれまでのフェラーリだと、ハニカムであっても「ちょっと安っぽい」グリルを採用しています。
もちろんフェラーリはそれまで美観をうんぬんするクルマではなく、このメッシュのほうがより軽量であることは理解しているものの・・・。
ランボルギーニが採用しているパネルを打ち抜いたメッシュや・・・。
マクラーレンの採用するオシャレなメッシュを見ると見劣りがするのもまた事実。
どれくらいのフェラーリオーナーがこの部分を気にしていたのかはわかりませんが、12 Cilindriでは「ただの網」ではなく、パネルを打ち抜いたハニカムメッシュを採用しているようにも見えるので(そうでないかもしれない)、フェラーリもこれを気にしていたのかもしれません。
フェラーリのエアロダイナミクスは新次元へ
そしてフェラーリは12 Cilindriでエアロダイナミクスを大きく進化させており、たとえばフロントホイールハウス内のエアを抜くためのスリットはボディデザインにインテグレートされ・・・。
注目すべきはリアディフューザーで、ボディ底面を流したエアをディフューザーの外だけではなく内側にも流し、そのエアを上に吐き出す構造を採用しており、ナンバープレートの下辺りにスリットがあるのがわかると思います(そこからディフューザー内部を通ったエアが吐き出される)。
そしてこの「リアディフューザーにインテグレートされた美しいテールパイプ」もフェラーリらしからぬ形状とデザインですが、これには理由があり・・・。
裏面から見るとテールパイプの形状すらディフューザーの一部をなしていることがわかります。
BMWのように、サイレンサー(タイコ)部分の底面をディフューザーの一部として活用する例はあるものの、テールパイプをディフューザーとして使用するのは極めて珍しい例かもしれません(やや手法は異なるが、ケーニグセグ・ジェスコの”フィッシュ”テールパイプもディフューザーとして機能する)。※リアディフューザー中央辺りに赤いボディカラーが見えることからも、エアがディフューザーの内側を流れるということがわかる
ちなみにですが、サスアームが「ブレード」形状を持つことも特筆すべき点であり、この部分については追って何らかのアナウンスがあるのかもしれません。
とにかくフェラーリ 12 Cilindriは優れたデザインと設計をを持つクルマである
そのほか、ざっと気づいた部分を挙げてみると、クーペ(ベルリネッタ)バージョンの「グラストップ」にも要注目ですが、フェラーリがこれに(現時点で)言及していないのもある意味では気になるところ。
標準装備なのかオプションなのかは不明ではあるものの、非常に魅力的な増備だと思います。
さらにはホイールデザインの美しさも特筆すべき点であり、伝統の5本スポークスタイルを守りつつも近代的なデザインを持つに至ったと考えています。
誤解を恐れずにいうならば、フェラーリのホイールデザインは(グリル同様に)ほかのスーパーカーやスポーツカーに比較するとやや古さを感じさせるものであり、しかし今回の12 Cilindriでは一気にそれを挽回したという印象。
なお、画像を見るとホイールボルトは「(色味や切削加工っぽいところから見て)チタン」のように見え、これまでのキャップボルトから形状が変更されているようですね。
おそらく実車にはもっとたくさんの「驚き」「仕掛け」が潜んでいるものと思われ、追加での情報公開、そして実車を見ることができる日を楽しみに待ちたいと思います。
フェラーリ 12 Cilindri公式プロモーション動画はこちら
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参照:Ferrari