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フェラーリが新型V12モデル「12Cilindri(ドーディチ チリンドリ)」「12Cilindriスパイダー」を同時発表。かつての”デイトナ”365BGT/4を連想させるスタイルに

フェラーリが新型V12モデル「12Cilindri(ドーディチ チリンドリ)」「12Cilindriスパイダー」を同時発表。かつての”デイトナ”365BGT/4を連想させるスタイルに

| フェラーリはそのスタイリングを一気に未来へと押し進めた |

まさかここまで大幅にスタイリングを変えてくるとは

さて、フェラーリが新型V12フラッグシップスーパーカー、フェラーリの新型V12スーパーカー、12Cilindri(ドーディチ チリンドリ)、12Cilindri Spider(ドーディチ チリンドリ スパイダー)を発表。

この「12Cilindri」というのはズバリ「12気筒」を示すイタリア語であり、フェラーリがこのモデルにかける意気込みが伝わってきます。

そして驚くべきはそのスタイリングであり、356GTB/4”デイトナ”を彷彿とさせるデザインを採用したうえ、そのディティールはコンセプトカーと見紛わんばかりの”未来”を感じさせるもので、新世代と呼ぶにふさわしい、大きな飛躍を見せるモデルとなっているようですね。

フェラーリはクーペ(ベルリネッタ)とオープン(スパイダー)を「ツインズ」と表現

なお、フェラーリは812GTSにて「久しぶりに」フロントV12エンジンモデルへとオープンバージョンを(カタログモデルとして9追加していますが、それ以降は「ローマ」「ローマ・スパイダー」のようにクーペ(ベルリネッタ)とオープン(スパイダー)とを両方ラインアップし、SF90 XXではそれらを同時発表しています。

加えてフェラーリは「クーペ」「オープン」両者の関係について「ツインズ」と呼んでおり、今後は各モデルにつきクーペとオープンのラインアップ、そして同時発表が「定番」となるのかもしれません。

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Ferrari

フェラーリ12 Cilindri(ドーディチ チリンドリ)はこんなスーパーカー

この12Cilindriは812スーパーファストの後継モデルとして誕生ていますが、搭載されるエンジンはもちろん自然吸気ノンターボV12(65度)、しかしF140HDという型番を持つ新開発ユニットです(従来型はF140HB)。

なお、意外なことに最高出力830馬力、そしてこの出力はF140HBと同一で(この最高出力を発生する9,500回転という数値、排気量6.5リッターというところも同じである)、これはおそらくユーロ6Eに対応する必要があったためだと思われ、出力向上が相当に苦しかったこと、しかし現状維持でもかなりの努力を行ったことが想像できます。

これに組み合わせられるのは8速DCT、ドライブトレインに搭載されるテクロジーとしては「4輪ステアリング、吸気トルクシェイピング、ABS Evo、サイドスリップコントロール8.0」、パフォーマンスとして示される数値は0−100km/h加速2.9秒、0−200km/h加速7.9秒以下、最高速340km/h以上。

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そしてスタイリングに目を移すと、フェラーリいわく「1950年代と1960年代の偉大なグランツーリスモから影響を受けた」。

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その最たるインスピレーション元は(一般公開の会場となるマイアミに展示されている車両を見ても分かる通り)365GTB/4デイトナだと考えてよいかと思いますが、もちろんここ最近のフェラーリ各モデル同様に「複数の車両」、そしてデザイナーであるフラビオ・マンゾーニ氏が得意とするディティール、そして新たなる提案が織り交ぜられた作品となっています。

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12Cilindriのデイタイムランニングランプは細長いクリアパーツにて再現されますが、この「プレート状」のデザインはフェラーリ・ヴィジョン・グランツーリスモで採用された意匠とよく似ており、しかし同時に365GTB/4のスプリットバンパーを表しているのかもしれません。

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フロントフード(逆開きを採用)上の2つのダクト、ヘルメットルーフなど、最近のフェラーリにも見られる特徴を確認できる一方、大胆なコントラストを表現したカラーリングはワンオフモデルの「SP-8」を連想させる部分も。

なお、フェラーリはワンオフモデルで採用したデザインを後の市販モデルに投影することがあるようですね。

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そしてリアフェンダーの盛り上がりは250GTOや、同年代のレーシングカーにヒントを得たデザインなのかもしれません。

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一方、「新しい」部分だとホイールデザインが挙げられ、これまでフェラーリのホイールは「伝統」を意識するあまり今ひとつのものが多かったと考えていますが、今回の12Cilindriに装着されるホイールは「近代的でシャープな」形状を持っており、車体のスタイリング同様、一気に前に進んだといった印象ですね。

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この12 Cilindriの視覚的ハイライトはリヤセクションのブラック部分で、これは航空機業界からインスピレーションを得た「デルタウイング」と呼ばれています。

なお、ルーフには「グラストップ」を採用しており(オプションかも)、ここもまたフェラーリのベルリネッタとしては「新しい」部分でもありますね。

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フェラーリによると、この12 Cilindriのデザイン的なテーマは「幾何学的」「引き算」だそうで、テールランプはブレード内に埋め込まれることでその存在を最小限に抑えており、全体的な塊感、そして彫刻的な美しさを追求しているということがわかります。

フェラーリ12 Cilindri Spider(ドーディチ チリンドリ)のインテリアはこうなっている

そしてこちらは12 Cilindriのインテリア。

ステアリングホイールやメーター類は現行世代と同様、そして「デュアルコクピット」の採用もプロサングエのような最新のフェラーリとの関連性が見られるもので、しかし12 Cilindriではさらなる進歩、そして洗練が見られるもよう。

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「ヒューマン・マシン・インターフェース」は3つのディプレイ(メーター、インフォテイメントディスプレイ、パッセンジャーディスプレイ)にて完成され、プロサングエよりも前の世代からは想像もできないほどの洗練度、そして先進性も。

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一方でシートは現行世代との共通であるように見え、この角度から見ると「いつものフェラーリ」となっています。

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フェラーリ12 Cilindri Spider(ドーディチ チリンドリ スパイダー)はこんなスーパーカー

そしてこちらはオープンモデルの12 Cilindri スパイダー。

クーペに比較するとややクラシカル、そしてエレガントな雰囲気が色濃くなっており、しかしクーペ同様、テールエンド左右にアクティブエアロが取り入れられることでロー・ドラッグ(LD)とハイ・ダウンフォース(HD)という2つのモードにて動作を行うようですね。

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なお、価格については正式にアナウンスされておらず、しかしプレス向け資料には12 Cilindriの現地価格が395,000ユーロ(日本円換算で6490万円)に設定されていること、生産が2024年第4四半期からはじまる(スパイダーは2025年第1四半期からスタート)ことについても言及されています。

フェラーリ 12 Cilindriの公式プロモーション動画はこちら

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