| やはり市場での嗜好はガソリン車からハイブリッドへと移行しつつある |
そしてしばらくは「ハイブリッド選好」の流れが続きそう
さて、フォードが「ハイブリッド車の月間販売新記録を樹立した」と発表。
2024年4月の販売台数(全パワートレーン含む)については2.4%減の17万9,588台であったものの、このうち1万7,997台がハイブリッド車で占められており、前年同月と比べて59.5%の増加、そして月間新記録なのだそう。
その達成に貢献したのが、4月に月間新記録を樹立したF-150 パワーブーストハイブリッドで、この売上は93.6%増加し、「アメリカで最も売れているフルサイズハイブリッドピックアップ」となっています。
フォードでもハイブリッド車の販売は好調、ガソリンエンジン車の販売は不調
さらにフォードは今年1−4月において26,061 台のマーベリック・ハイブリッドを販売し、これは同期間において「アメリカで最も売れているハイブリッドピックアップ」となったことについても言及していますが、さらに重要な事実は「それらの顧客の過半数 (59%) が他のブランドやセグメントからの顧客である」ため、フォードは他社のシェアを”奪った”と言ってよく、フォードの4月は「台数こそ減ったものの、内容としては勝利であった」と言っていいのかも。
その反面販売を落としたのがガソリン車(非ハイブリッド)で、たとえばブロンコスポーツの販売台数は33.4%急落し、エッジも28.8%減少、エスケープでは28%減少、マスタングも9.4%減少したため、顧客は電動化車両を選ぶ傾向が強くなっていると考えて良いのだと思います。
EVについて触れてみると、フォードのEVの販売台数は全体で前年比129.2%と急増しており(4,893台)、マスタング・マッハEの販売が204.7%増加、F-150ライトニングは56.6%増の2,090 台となり、E-トランジットは85.7%の販売増。
ただ、この販売増加については(すでに報じられた通り)マッハEの値下げによるところが大きいのだと考えてよく、在庫処分が完了化し価格が正常化するとEV全体の販売は「横ばい」となる可能性がありそうです。
しかしながら今回発表されて傾向を見る限りだと、ガソリン車が敬遠されていることだけは間違いなく、その理由についても知りたいところだとも考えています(ガソリン価格が上がっているためにハイブリッド車を好むのか、それとも環境に配慮するという意識が高まっているのか、あるいは別の理由なのか)。
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